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12 きなこ
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“きなこ”
“おーい”
“今どこだ?”
“きなこ~”
個々で呼びかけていると、
“なに~?”
女の子の声が聞こえてきた。
「きなこ!」
「近くにいなくても出来るもんなんだな。」
「便利~!」
“何よ!呼んだのにそれだけ?”
“どこにいるんだよ。俺たちはもう着いてるぞ。”
“え?そうなの?早くない?”
“僕は近かったから、魔力を感じた日に着いたよ。”
“俺もまっすぐ走ってきて、次の日には着いたぞ。”
“体力バカとは一緒にしないで!”
“は?”
こんな関係性だったんだ…。
ま、うん…思い当たる節もあるか。
“ちょっと、喧嘩は会ってからにしてね。”
“和菓!早く会いたいわ!でも、こうやって話せると分かったし、疲れたから少し休んだら行くわね~。”
“おい!何だ、それ!おい!猫!”
“きなこらしいね。”
“そうね。無事ならいいわ。”
「お父様。きなこは、まだ来そうにありません。」
「どう言う事だ?」
私は、お父様に今の内容を話した。
「なんというか…。随分、マイペースな子なんだな。」
「はい。そんな所も可愛いのです。」
「そうか…。いつ来るか分からないのなら、先にアルとルーフの申請をしておこう。」
「はい。」
「陛下へ話し、日程が決まり次第教える。」
「王城へ行くのですか?」
「ああ。不本意ながら、手続き上仕方ない。」
「分かりました。」
そして、登城する日はすぐに決まった。
話し合いの次の日、仕事から帰ったお父様は暗い顔をして言った。
「明日に決まった…。」
「随分早いですね。」
兄様達も驚いている。
「しかも、いつもは承認だけして、後は部下任せなのに、今回は自分が立ち会うと…。」
「陛下って暇でしたっけ?」
「そんな筈ないだろう。」
「嫌な予感が。」
「ですよね。」
兄様達とお父様は、顔を見合わせる。
「リーナ!逃げる準備をして行こうな!何かあったら、すぐに逃げよう!」
「え?」
それを聞いたルーフと、アルも騒ぎ出した。
「そんなに危険なのか!?リーナ、行くのをやめろ。」
「僕がリーナを守る!」
「そうだよな!よし!行くのをやめよう!」
「旦那様、そういう訳にも行かないでしょうが…。」
そのやり取りを見ていたロンドに、止められる。
サリーナは何なのか分からず、キョトンとしている。
「分からなくていいんだ。私がなんとかするからね。」
「?」
「うん。そうだ。……弱みはいくらでもある。」
最後の方が聞こえなかった。
「お父様。ごめんなさい。最後の方が聞こえなかった。もう少し大きい声でお願いします。」
「大丈夫だよ。さて、明日の準備をしようか。」
にっこり笑ったお父様が、少し怖く感じた。
目が笑ってない…。
“おーい”
“今どこだ?”
“きなこ~”
個々で呼びかけていると、
“なに~?”
女の子の声が聞こえてきた。
「きなこ!」
「近くにいなくても出来るもんなんだな。」
「便利~!」
“何よ!呼んだのにそれだけ?”
“どこにいるんだよ。俺たちはもう着いてるぞ。”
“え?そうなの?早くない?”
“僕は近かったから、魔力を感じた日に着いたよ。”
“俺もまっすぐ走ってきて、次の日には着いたぞ。”
“体力バカとは一緒にしないで!”
“は?”
こんな関係性だったんだ…。
ま、うん…思い当たる節もあるか。
“ちょっと、喧嘩は会ってからにしてね。”
“和菓!早く会いたいわ!でも、こうやって話せると分かったし、疲れたから少し休んだら行くわね~。”
“おい!何だ、それ!おい!猫!”
“きなこらしいね。”
“そうね。無事ならいいわ。”
「お父様。きなこは、まだ来そうにありません。」
「どう言う事だ?」
私は、お父様に今の内容を話した。
「なんというか…。随分、マイペースな子なんだな。」
「はい。そんな所も可愛いのです。」
「そうか…。いつ来るか分からないのなら、先にアルとルーフの申請をしておこう。」
「はい。」
「陛下へ話し、日程が決まり次第教える。」
「王城へ行くのですか?」
「ああ。不本意ながら、手続き上仕方ない。」
「分かりました。」
そして、登城する日はすぐに決まった。
話し合いの次の日、仕事から帰ったお父様は暗い顔をして言った。
「明日に決まった…。」
「随分早いですね。」
兄様達も驚いている。
「しかも、いつもは承認だけして、後は部下任せなのに、今回は自分が立ち会うと…。」
「陛下って暇でしたっけ?」
「そんな筈ないだろう。」
「嫌な予感が。」
「ですよね。」
兄様達とお父様は、顔を見合わせる。
「リーナ!逃げる準備をして行こうな!何かあったら、すぐに逃げよう!」
「え?」
それを聞いたルーフと、アルも騒ぎ出した。
「そんなに危険なのか!?リーナ、行くのをやめろ。」
「僕がリーナを守る!」
「そうだよな!よし!行くのをやめよう!」
「旦那様、そういう訳にも行かないでしょうが…。」
そのやり取りを見ていたロンドに、止められる。
サリーナは何なのか分からず、キョトンとしている。
「分からなくていいんだ。私がなんとかするからね。」
「?」
「うん。そうだ。……弱みはいくらでもある。」
最後の方が聞こえなかった。
「お父様。ごめんなさい。最後の方が聞こえなかった。もう少し大きい声でお願いします。」
「大丈夫だよ。さて、明日の準備をしようか。」
にっこり笑ったお父様が、少し怖く感じた。
目が笑ってない…。
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