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28 手紙

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「あ。…私、お花を摘みに行ってまいります。」
「私も一緒に。」
「ひとりで大丈夫ですよ。」

私はナンシーの言葉を断り、トイレへ向かった。

個室に入り、ポケットから手紙を出す。

「お父様から?」

『ついたかな?』

サリーナは、手紙を取り出したのと反対のポケットからペンと紙を出す。

「無事つきました、っと。」

手紙魔法陣を取り出し、その上に手紙を置く。

「ジャック、ジパダサ。…あ、リック兄様へも手紙を送らないと。」

サリーナは、帰りの事を紙に書き、パトリックにも送った。

「そしたら、リオン兄様へも送っておこうかな。でも、内容はどうしよう…。う~ん…。友達ができそうです、で良いか。」

サリーナは送り終えると教室へ戻った。

「大丈夫でしたか?」
「…コーセット様。私ってそんなに頼りなく見えます?」
「いえ。そんな事はありませんわ。」
「でも、兄様達といい、コーセット様といい、心配されているので…。」
「これは、違う心配です。」
「違う心配?」
「さぁ、次の授業ですわ。」

なんの心配なのかは、結局教えてくれなかった…。

次の授業は、魔法だ。

待ちに待った魔法の授業!

「魔法は、火、風、土、水、氷、そして光と闇に関連したものがあります。今後使っていく内に、得意不得意が出てくると思います。それは、当たり前の事なので、必要以上に気にしないように。では、魔力操作をしましょうか。」

あっ、そうか。そこからか…。
とりあえず、言われた通りにしておこう。

「魔法は魔力操作から始まります。ここを疎かにすると、得意不得意どころではありませんので、日々行なっていきましょう。さぁ、集中して…魔力を身体に行き渡らせてください。」

え?説明それだけ?

周りを見てみると、殆どができている。

あの説明で出来るってことは、家でやってくるんだろうな。

「スウィンティーさん、魔力操作を開始してください。」
「え?」

もうしてるけど?

「え、ではなくて始めて。」
「すでに、始めていますが?」
「周りを見ていたじゃない。」
「見ながらでも、できますよ?」

確かに、皆は動かず目を閉じたり、顔に力が入ったりしていて、周りを見る余裕は無さそうだ。

「………うそ!?本当に出来てる…。」

何かしらの方法で確かめたのだろう。ジェシー先生が目を丸くしている。

見れば分かるんじゃないんだ…。
お父様は見て、分かってくれていたけど、それは少数派と言われる人だからなのかな?
う~ん…。

「スウィンティーさんは、そのままキープしていてください。」
「はい。」

そして、授業が終わった。

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