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53 乾燥魔法
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「リーナ、次はお前たちだ。馬車の中でやりなさい。」
お父様に声をかけられる。
はっ、やばい!何か吸い込まれそうだったわ!
「はい!お父様!…ザック様、失礼いたします。」
「あ、うん。」
私は、ザック様にひと声かけて離れた。
「サリーナ様。お手伝い致します。」
「ありがとう。」
「では、中へ…。」
メルが馬車のドアを開けてくれる。
馬車の中?
ここ、濡れるよね?
「メル…。」
「はい。」
「馬車の中でやって濡れたら、寝る時困るよね?」
「あちらの馬車で寝ることができるので、大丈夫ですよ。」
「…明日までに乾く?」
「はい。……たぶん。」
とりあえず、私とメルは濡らさないように注意しながら清拭した。
「やっぱり、少し濡れてしまったわね。」
「そうですね。今日はあちらの馬車で、寝ましょう。」
「分かったわ。」
馬車から出ようとした時、メルの髪から雫が落ちた。
タオルの枚数も限られているのに、私の髪を拭いてくれたから…。
メルの髪に対して、私の髪は水が落ちては来ない。
………そうだ!
「メル、ここは濡れていないわ。座って。」
「サリーナ様。どうなさいましたか?」
私は濡れていない場所を指し、座るよう促すが、首を傾げるだけで座らない。
「良いから、座って!」
座ろうとしなかったメルを、少し強引に座らせた。
「そのままね。」
サリーナは、手のひらを自分の頭に向ける。
初めがメルだと失敗したら大変!まずは試しに自分のを。
ドライヤー…、温かい風…。
ついでに、つやつやキューティクル!
ブワァ!
髪の周りに風がふく。
うん、温かい。
少しして風を止めて、髪を触ってみる。
乾いてる。そして、こころなしかサラサラなような…。
「サリーナ様!?それは!?」
「ちょっと試してみたの。大丈夫そうだから、メルにもしてみていいかしら?」
「よろしいのですか?…お願いいたします。」
メルは、そういうときつく目を閉じる。
ブワァ!
メルの髪は完全に乾き、つやつやしてキューティクルができている。
「サリーナ様。サラサラです…。」
メルは自分の髪を触りながら、驚いている。
「うん、うん。成功してよかったわ。」
私は馬車を降りると振り返り、馬車の中にも魔法をかけた。
「サリーナ様、何をなさったのですか?」
「馬車の中も乾かしたのよ。」
メルは、馬車の中を覗き込む。
「…乾いています。」
「良かった。ついでに、お父様達の髪も乾かしましょう。濡れたままでは風邪をひいてしまうわ。」
「そうなのですか?」
メルは、不思議そうだ。
それもそうだろう。
この世界で髪は、タオルドライして終わりだ。後は、乾くまで待つか、完全に乾かない内に結ってしまう事もある。
髪には最悪よね…。
その為、髪が傷みパサパサの子も多い。
「お父様。」
「終わったかい?…!?」
ロンドと話していたお父様は、こちらを見て目を見開く。
「リーナ、髪が…。」
「はい!乾かしました。」
「乾かす…、そうか。しかし、それだけではないと思うくらい艷やかだが…。」
「ダメージケアもしました。」
「ダメージケア…。」
「はい。皆の髪も乾かしますね。」
「あ、ああ。ありがとう。………リーナだからな。」
「何ですか?」
「いや、何でもないよ。頼む。」
私は、皆の髪を乾かしていった。
お父様に声をかけられる。
はっ、やばい!何か吸い込まれそうだったわ!
「はい!お父様!…ザック様、失礼いたします。」
「あ、うん。」
私は、ザック様にひと声かけて離れた。
「サリーナ様。お手伝い致します。」
「ありがとう。」
「では、中へ…。」
メルが馬車のドアを開けてくれる。
馬車の中?
ここ、濡れるよね?
「メル…。」
「はい。」
「馬車の中でやって濡れたら、寝る時困るよね?」
「あちらの馬車で寝ることができるので、大丈夫ですよ。」
「…明日までに乾く?」
「はい。……たぶん。」
とりあえず、私とメルは濡らさないように注意しながら清拭した。
「やっぱり、少し濡れてしまったわね。」
「そうですね。今日はあちらの馬車で、寝ましょう。」
「分かったわ。」
馬車から出ようとした時、メルの髪から雫が落ちた。
タオルの枚数も限られているのに、私の髪を拭いてくれたから…。
メルの髪に対して、私の髪は水が落ちては来ない。
………そうだ!
「メル、ここは濡れていないわ。座って。」
「サリーナ様。どうなさいましたか?」
私は濡れていない場所を指し、座るよう促すが、首を傾げるだけで座らない。
「良いから、座って!」
座ろうとしなかったメルを、少し強引に座らせた。
「そのままね。」
サリーナは、手のひらを自分の頭に向ける。
初めがメルだと失敗したら大変!まずは試しに自分のを。
ドライヤー…、温かい風…。
ついでに、つやつやキューティクル!
ブワァ!
髪の周りに風がふく。
うん、温かい。
少しして風を止めて、髪を触ってみる。
乾いてる。そして、こころなしかサラサラなような…。
「サリーナ様!?それは!?」
「ちょっと試してみたの。大丈夫そうだから、メルにもしてみていいかしら?」
「よろしいのですか?…お願いいたします。」
メルは、そういうときつく目を閉じる。
ブワァ!
メルの髪は完全に乾き、つやつやしてキューティクルができている。
「サリーナ様。サラサラです…。」
メルは自分の髪を触りながら、驚いている。
「うん、うん。成功してよかったわ。」
私は馬車を降りると振り返り、馬車の中にも魔法をかけた。
「サリーナ様、何をなさったのですか?」
「馬車の中も乾かしたのよ。」
メルは、馬車の中を覗き込む。
「…乾いています。」
「良かった。ついでに、お父様達の髪も乾かしましょう。濡れたままでは風邪をひいてしまうわ。」
「そうなのですか?」
メルは、不思議そうだ。
それもそうだろう。
この世界で髪は、タオルドライして終わりだ。後は、乾くまで待つか、完全に乾かない内に結ってしまう事もある。
髪には最悪よね…。
その為、髪が傷みパサパサの子も多い。
「お父様。」
「終わったかい?…!?」
ロンドと話していたお父様は、こちらを見て目を見開く。
「リーナ、髪が…。」
「はい!乾かしました。」
「乾かす…、そうか。しかし、それだけではないと思うくらい艷やかだが…。」
「ダメージケアもしました。」
「ダメージケア…。」
「はい。皆の髪も乾かしますね。」
「あ、ああ。ありがとう。………リーナだからな。」
「何ですか?」
「いや、何でもないよ。頼む。」
私は、皆の髪を乾かしていった。
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