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59 アイザックの様子

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「ザック様、体調はいかがですか?」

サリーナはザックのテントに向かって外から声をかける。

「リーナ。待っていたわ。」

パールがテントから顔を出した。

「パール。ザック様は?」
「寝ているわ。」
「それならまた後で…」
「いいえ。リーナが来たら、起こすように言われているの。中に入っていれば良いのではない?」
「でも、無断で入れないわ。」
「そうなの?婚約者なのに?」
「そうよ。」
「分かったわ。まず、アイザック君を起こしてくるわ。」

パールはテントの中へ戻っていく。そして、すぐにまた顔を出した。

「良いって。」
「…お邪魔いたします。」

サリーナはテントの中へ入った。

「リーナ。こんな格好でごめん。」

ザック様は、軽装でベットに座っていた。

「ザック様。辛かったら横になったままで。」
「大丈夫。先程より楽なんだ。」
「それならいいのですが…。」
「リーナは?変わりない?」
「はい、いつも通りです。しかし、お父様達も体調が悪いので、もう1泊するそうです。陛下へは、お父様が連絡していますのでご安心ください。」
「分かった。」
「…魔力操作で魔力が増えた為の魔力酔いと考えられるようです。私が余計なことをしたから…申し訳ございません。」
「いや、僕が教えてくれるように頼んだんだ。パールが言うには、休めば治るようだし、謝らないで。」
「休んだら、魔力も身体に馴染むわよ。」
「パール。これを積み重ねると、強くなることが可能なの?」
「さぁ…でも、魔力は増えていくのではないかしら。後は、それを使う為の練習次第じゃない?」
「そうなのね。…それにしても、私は何で元気なのかしら?」
「何故かしらね。…他との違いを考えると、私達がいる事と魔力量が元から多い事が関係しているかも?」
「契約獣を持てば、これからの体調不良が無くなるかもしれないということかな?」
「そうかもしれないし、そうではないかもしれない。」
「「「うーん…」」」

私達、2人と1匹は首をひねる。

「とりあえず、ザック様は休んでください。」
「ありがとう。もう少し寝させてもらうよ。」

私がテントを出る時、パールをちらりと見ると、パールが後ろをついてくる。ルーフもこちらへやって来た。

「ふたりに寝るように言ったが、聞かない。朝飯の準備をしている。」
「分かった。私から話すわ。今、動けるのは私とパール、ルーフよ。一泊するとなると、お米はあるけど他の食料の調達にいかないと…。朝ごはんを作ったら、行ってくるわ。」
「食料調達は俺が行ってくる。リーナはここにいた方が良い。肉を狩って来ればいいのだろ?」
「まぁ、そうね。野菜もほしいけど、贅沢は言っていられないわ。」
「私も行ってくるわよ。」
「パールはザック様を…。何もないとは限らない。」
「分かった。」
「さぁ、それぞれやる事をやりましょう!」
「「OK~」」

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