ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ

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64 アイザックと合流

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その後、私達も挨拶を終えた。

公の場での祝いの挨拶は他の方と変わらない。あえて変わったといえば、ザック様の表情だろうか。
柔らかい、甘い表情だった。

「こちらが恥ずかしくなる。」
「あら。リック兄様がそれを言います?」
「なんだ?」
「自覚なしですか…。」
「分からん。」
「クスクスクスッ。」
「ほら、サラ様に笑われていますよ。」
「サラ、どうしたんだ?」
「いえ。仲がよろしいと思っただけですわ。」
「それは、まぁ…そうだな。」

肯定してしまう妹大好きパトリック。そんなパトリックを、サラはにこやかに見ていた。

「そんな事より、リオン兄様がいませんね。」
「今日は仕事で警備にあたると言っていたが、会場ではないのかもしれないな。」
「先程のこともありましたし、最近会えていなかったので、顔を見たかったのですが…。」
「アイザック殿下なら分かるだろう。」
「後で聞いてみましょう。」

そんな雑談をしていると、全ての招待客の挨拶が終わったようで、ザック様がこちらへ向かってくる。しかし、途中で女性達に囲まれてしまった。
最近は慣れたのか、パールがいてもザック様へ近づく女性も出てきている様だ。

ま、パールは危害を加える事はないし。
私は、まだ成人まで5年ある。
その間にあわよくば…という事かしらね。

「囲まれているぞ。」
「そうですね。」
「良いのか?」
「駄目なのですか?」

ザック様に限って、『あわよくば…』に乗る事は無いと信じている。

「リーナ。お前はアイザック殿下を好いているんだよな?」
「もちろんですよ。」
「あの殿下を見て思う所はないのか?」
「困り顔が可愛いです。」
「…そうか。」
「はい。でも、そろそろお話をしたいので行ってきます。」
「ああ。俺達は…」
「私はもう大丈夫です。兄様たちは、ダンスでもしてらしてください。」
「分かったそうする。ルーフ、リーナを頼んだ。」

ルーフは、パトリックを見て『もちろん』と言うように頷いた。

「では、ルーフ。行きましょう。」

サリーナは、アイザックへ向かって歩く。そして、女性達の後ろから声をかけた。

「失礼いたします。通していただけますか?」
「え?…!?」

女性達は振り向き驚いた後、サリーナの前から退いた。

「ザック様。」

サリーナは、アイザックへ笑いかける。

「リーナ。」

アイザックは甘い声と蕩けそうな表情をサリーナへ向けた。その表情は、婚約者を溺愛している事を周りへ伝えるのに十分だった。

「皆すまないが、愛しい婚約者が来たので失礼する。」
…「「「あ、は、はい。」」」…

アイザックがサリーナの腰に手を回し、その場から離れ、その後ろからはパールとルーフがついていく。


その光景を、アイランが離れた所からジッと見つめていた。




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