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77 帰宅する馬車で…
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食事を終え、帰宅する為の馬車を待っていると、そう時間がかからずに馬車はやってきた。
「馬車が来たね。」
「リオン。また明日、時間を作るから頼んだ。」
「了解~。…リーナ、兄さんや父さんによろしく!」
「はい。リオン兄様は、元気だと伝えます。」
「うん。…なんか、いつでも会えるのに大げさな気もするけど、よろしくね。」
「はい。近いうちにまた。」
「じゃあ、ザック。リーナを頼んだよ。」
「ああ。ちゃんと送り届ける。」
私は、ザック様にエスコートされ、馬車に乗り込んだ。ルーフとアル、パールも一緒だ。
「お手数をおかけしてすみません。」
「婚約者を送るのは、俺の仕事だから。」
「ありがとうございます。…貴方達も今日はありがとう。」
サリーナは、契約獣たちに向かって礼を言った。
「今日は、本当に何もなくて良かったわ。」
「うん、うん。」
「なぁ、リーナ。学校には俺達はついていけないんだよな?」
「そうね…。契約獣を持つ方が少しずつ増えてきていても、それは変わらないわね。」
それに、ザック様も頷く。
「増えてきたと言っても、まだ少ないからな。」
ルーフは不満そうだ。
「それでは、何かあった時にすぐに駆けつけられない。」
「もう何かあることはないと思うわよ。」
「「「…」」」
3匹が、沈黙する。
「え?何かあるの?」
「分からないけど…。僕は近くを飛んでいることにするよ。」
「近くに森があったよな?」
「あったわね。」
「俺は、そこにいる。」
それぞれの待機場所が決まったようだが…。
「ザック様。良いのでしょうか?」
「いいと思う。俺もその方が安心出来る。なんなら俺も…。」
「無理ですからね?」
「…分かっているよ。リーナは、仕事をきちんとしている男が良いと言っていたし。」
私だけではなくて、皆そうだと思うけど…。
「しっかり仕事をして、続きの続きもしてもらわないと。」
「続きの続きですか?………あ。」
また忘れてた。
「約束だからね。」
「はい。」
見つめ合う私達を見て、パールが嬉しそうに言った。
「私達は気にしなくていいのよ?」
「そうはいかないわ…。」
「でも、昼間は気にしていなかったでしょう?」
「え?」
あ、1回目の未遂のとき…。
「あ、と、あれは…。」
「パール。ムードというものがあってね…。」
「アイザック君。失礼ね!それくらい分かるわよ!」
「ねぇねぇ。僕、外で風に当たりたいな~。」
「俺も、ここは少し窮屈だ。」
「…ザック様。私達、気を使われている様ですよ?」
「そうだな。」
コンコン
ザック様が、馬車の御者側の窓を叩いた。
すると、馬車がゆっくり停まる。
「え?」
そして、馬車の扉が空いた。
“じゃあね~。”
“私も御者さんの隣に乗せてもらうわ。あの方優しいのよ。”
“俺は走って帰るとするか。王子がいるなら安心だしな。”
安心!?
別の意味で安心ではないのでは!?
3匹は外へ出ていった。
再度、扉が閉じる。
「ザック様?」
「3匹の気持ちに甘えよう。」
「!?」
「リーナ、失礼する。」
対面に座っていたザック様が私の隣に移動してきた。
「リーナ…。」
「はい!?」
「嫌ならしないから安心して。」
「そんな!」
思ったより、大きな声が出た。
「あ、改まると緊張しているだけで、嫌ではありません。こんなに緊張した事は初めてです…。」
「………それは、前世も含めて?」
「…え?」
「いや、ごめん。」
「ザック様…前世の私が気になるのですか?」
「………気にしても仕方ないのは分かっている。しかし、前世のリーナまでも独り占めしたいと思ってしまうんだ。」
重い…重いけど、この重さが心地良いと思ってしまう私は可笑しいのかしら?
サリーナは微笑んでアイザックの手を両手で握りしめた。
「前世でお付き合いしたことが無いとは言えません。しかし、ここまで想ってくださる方も、緊張したのも初めてです。ザック様、私は今、幸せです。」
「リーナ…。」
「ザック様…。」
ふたりの顔が近づき、サリーナとアイザックは、この日3度目にして、やっとキスに成功した。
「馬車が来たね。」
「リオン。また明日、時間を作るから頼んだ。」
「了解~。…リーナ、兄さんや父さんによろしく!」
「はい。リオン兄様は、元気だと伝えます。」
「うん。…なんか、いつでも会えるのに大げさな気もするけど、よろしくね。」
「はい。近いうちにまた。」
「じゃあ、ザック。リーナを頼んだよ。」
「ああ。ちゃんと送り届ける。」
私は、ザック様にエスコートされ、馬車に乗り込んだ。ルーフとアル、パールも一緒だ。
「お手数をおかけしてすみません。」
「婚約者を送るのは、俺の仕事だから。」
「ありがとうございます。…貴方達も今日はありがとう。」
サリーナは、契約獣たちに向かって礼を言った。
「今日は、本当に何もなくて良かったわ。」
「うん、うん。」
「なぁ、リーナ。学校には俺達はついていけないんだよな?」
「そうね…。契約獣を持つ方が少しずつ増えてきていても、それは変わらないわね。」
それに、ザック様も頷く。
「増えてきたと言っても、まだ少ないからな。」
ルーフは不満そうだ。
「それでは、何かあった時にすぐに駆けつけられない。」
「もう何かあることはないと思うわよ。」
「「「…」」」
3匹が、沈黙する。
「え?何かあるの?」
「分からないけど…。僕は近くを飛んでいることにするよ。」
「近くに森があったよな?」
「あったわね。」
「俺は、そこにいる。」
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「ザック様。良いのでしょうか?」
「いいと思う。俺もその方が安心出来る。なんなら俺も…。」
「無理ですからね?」
「…分かっているよ。リーナは、仕事をきちんとしている男が良いと言っていたし。」
私だけではなくて、皆そうだと思うけど…。
「しっかり仕事をして、続きの続きもしてもらわないと。」
「続きの続きですか?………あ。」
また忘れてた。
「約束だからね。」
「はい。」
見つめ合う私達を見て、パールが嬉しそうに言った。
「私達は気にしなくていいのよ?」
「そうはいかないわ…。」
「でも、昼間は気にしていなかったでしょう?」
「え?」
あ、1回目の未遂のとき…。
「あ、と、あれは…。」
「パール。ムードというものがあってね…。」
「アイザック君。失礼ね!それくらい分かるわよ!」
「ねぇねぇ。僕、外で風に当たりたいな~。」
「俺も、ここは少し窮屈だ。」
「…ザック様。私達、気を使われている様ですよ?」
「そうだな。」
コンコン
ザック様が、馬車の御者側の窓を叩いた。
すると、馬車がゆっくり停まる。
「え?」
そして、馬車の扉が空いた。
“じゃあね~。”
“私も御者さんの隣に乗せてもらうわ。あの方優しいのよ。”
“俺は走って帰るとするか。王子がいるなら安心だしな。”
安心!?
別の意味で安心ではないのでは!?
3匹は外へ出ていった。
再度、扉が閉じる。
「ザック様?」
「3匹の気持ちに甘えよう。」
「!?」
「リーナ、失礼する。」
対面に座っていたザック様が私の隣に移動してきた。
「リーナ…。」
「はい!?」
「嫌ならしないから安心して。」
「そんな!」
思ったより、大きな声が出た。
「あ、改まると緊張しているだけで、嫌ではありません。こんなに緊張した事は初めてです…。」
「………それは、前世も含めて?」
「…え?」
「いや、ごめん。」
「ザック様…前世の私が気になるのですか?」
「………気にしても仕方ないのは分かっている。しかし、前世のリーナまでも独り占めしたいと思ってしまうんだ。」
重い…重いけど、この重さが心地良いと思ってしまう私は可笑しいのかしら?
サリーナは微笑んでアイザックの手を両手で握りしめた。
「前世でお付き合いしたことが無いとは言えません。しかし、ここまで想ってくださる方も、緊張したのも初めてです。ザック様、私は今、幸せです。」
「リーナ…。」
「ザック様…。」
ふたりの顔が近づき、サリーナとアイザックは、この日3度目にして、やっとキスに成功した。
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