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79 2年後

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結局、あれから平和に学校生活を送り、本日卒業を迎えた。
私は、どこかで見習いに入るわけでもなく、貴族女子によくある花嫁修業的な事をしようかと思っていたら、陛下からお声がかかり、学校の特別講師という形で週2回、生徒へ魔法を教えることになっている。

まだ見習い期間の年齢だからと断ったのだが…

「その魔力と、力量で何を言う。サリーナ嬢ほどの魔法使いはいないだろう。………嫌なら、無理にとは言わないが。」

花嫁修業と言っても、もうやることはないし、暇だから良いけど…。

「生徒達は、自分達とそう年齢が違わない私に教わる事を良しとするでしょうか?」
「それは確認した。」
「確認?」
「学校では、サリーナ嬢お慕いクラブというのがあるようではないか。」
「え?」
「知らなかったのか?」
「知りませんでした…。誰がそのような…。」
「教師たちも知っていた様だが?そもそも、この話を持ってきたのは学校長だ。」

初耳だ…。

…という事で、私は明日以降も学校に週2で来ることになったのだった。

「リーナ。」
「ザック様。」
「大丈夫か?体調でも悪い?」
「いいえ。少し考え事をしていただけです。」

現在は、制服から着替えて、卒業式後のパーティー会場へ向かう所だ。
エスコートをお願いしたザック様が、ボーッとしていた私を心配してくれたらしい。

「考え事?」
「学校生活が平和だったな…と言う事と、明後日からの講師についてです。」
「リーナなら問題ないと思う。サポートとしてジェシー先生もついてくれるのだろう?」
「ええ。それに関しては、安心しました。」
「他になにかあるのか?」
「特にこれと言うのはないのですが、緊張しています。」
「それは、初めてなのだから仕方ないと思う。」
「はい。私もそう思います。思っているのですが…」
「パールや、アル、ルーフが一緒に行ければいいけど。」
「許可されませんものね。」
「早いうちからリーナの魔力操作をしていれば、契約獣を持つほどの負担はないと分かったからな。」

そう。この数年で、以前の魔力操作を覚える前に私のやり方を覚えると、魔力が増えても負担が軽いことが分かったのだ。さらに、以前の魔力操作をしたまま年齢を重ねた人の方が、魔力操作の方法を変えた時に、魔力酔いの症状が重いと分かった。

「それに、貴族には、まだ古い考えの者が多い。」
「契約獣は戦のための道具ですか…」
「そう。悲しい事に、学校で戦闘訓練をして、他国に攻め込むとか馬鹿な事を言う輩も居るから。」
「迂闊に許可は出せませんね。」
「そういう事。…さぁ、着いた。」

会場前は、卒業生達でいっぱいだった。同行者を連れている者、連れていない者…その辺は自由になっていて、色々な人が居る。

婚約者がいる人は大体一緒に来ているようね。

「リーナ、行こう。」
「はい。」






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