ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ

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78 アイランの行方

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事件の次の日、午前の授業がもうすぐ終わるという時間に、パールから連絡が入った。

“リーナ!大変よ!バカ娘が逃げたわ!”
“バカ娘?”
“えーと、名前は何だったかしら…昨日の犯人よ、犯人!”
“…アイラン·ハンニー様?”
“その娘!牢から消えたそうよ。急いでリーナに連絡するには、私からが一番早いから、頼まれたの。またそっちに行く可能性もあるから、気をつけて!アルとルーフもリーナをよろしくね。”
“言われなくても。”
“僕は、すぐに学校の上を飛ぶよ~。”
“皆、気をつけてね。…それにしても、どうやって逃げたのかしら。”
“魔力を封じられていたから、自力での脱出は困難。協力者がいたのではないかとの事よ。”
“そう。”

「サリーナ様?授業が終わりましたよ。ボーとして大丈夫ですか?」
「ナンシー様。…ええ、大丈夫ですよ。食事に行きましょうか?」
「はい。昨日は食べ損ねましたからね。今日のメニューは何でしょうね~?」
「楽しみですね。」

他の生徒は、アイラン様が逃げた事を知らなそうね。
すでに知っていたら問題だけど…。

今の時点で知っているとなると、協力者の身内である可能性が高い。
帰宅までの時間、私は警戒しながらも周りに悟られない様、いつも通りの行動をした。

家に帰ると、ロンドから今日はお父様が王城に泊まり込むと知らされた。
その為、夕食はリック兄様と私の二人でとった。

「まだ見つからないのですね。」
「今日は父さんだけじゃなく、騎士団も休めないだろうな。」
「リック兄様は、大丈夫でしたの?」
「ああ。下っ端の文官が出来る事は、無いからな。ただ、ヨウにお願いして、近くは見てきてもらっている。」
「アルにも手伝って貰いましょうか?」
「いや、リーナは自分を守る事を第1に考えて欲しい。また、リーナの所に来るかもしれないからな。」
「…はい。パールにも言われました。気を付けておきます。」
「そうしてくれ。」

私は夕食を食べ、早々に部屋へ戻った。

「私にできることはあるかしら…」

サリーナが呟くと、ルーフがそれに答えた。

「それは、大人しくしておくことだな。」
「…分かっているわ。」

結局、騎士団はアイランを探すことができず、サリーナの前にアイランが姿を現すことも無かった。










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