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90 サプライズ

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サプライズを思うと、楽しい気持ちになったが、ふと思った。

「お言葉に甘えてしまいましたが、おふたりとも、予定があったのではないですか?」
「休みで暇でしたので大丈夫です。」   
「俺は、女の子観察を、」
「おい!」

聞かなかったことにしよう…。

「訓練は参加しないのですか?」
「訓練中になにかあるかもしれないので、訓練は班ごとに行います。今日は、第2部隊1班の日です。ちなみに、私達は2班です。」

なるほど、そうなのね。

「着きましたよ。ここです。話を通しますので、少々お待ち下さい。」
「分かりました。」
「バズ。」
「はい。何でしょう?」
「何でしょうではなくて、行って来い。」
「えー、俺がですか?」
「お前とスウィーティー様をふたりにはできないだろ。」
「はぁ…、分かりましたよ。」

バズは、訓練場の門近くにある小さな建物へ入っていった。

“リーナ。一応、あれしといたら?”
“あれ?”
“バリア。”
“そんな危険な事ないと思うけど?”
“念の為、念の為。”
“分かったわ。”

サリーナは、アルに言われた通り、身体に沿ってバリアを張った。

「どうかなさいましたか?」
「いいえ。何でもありません。…あっ。」
「先程の、話を通すってザック様にも連絡はいきますか?」
「そうですね。」
「そうですか…。」
「?」

サリーナが落胆していると、シュルツは不思議そうにサリーナを見た。

「びっくりした顔が見たかったもので…。」
「そういう事ですか。それでは付いてきてください。」
「え?はい。」

言われたままシュルツの後をついていくと、先程バズが入って行った建物へ入った。

「あれ?結局、シュルツ先輩も来たんですか?」
「今の状況は?」
「説明が終わって許可待ちです。」
「なるほど。…ちょっと遅かったか。」
「どうしたんです?」
「実は…」

シュルツは、バズに先程の話をした。

「それは、面白そうですね。俺、行ってきます。走れば間に合うかも。」

そう言って、バズは建物の奥に走っていった。

「どこへ行かれたのですか?」
「許可取りに行く騎士を追いました。」
「申し訳ないです…。」
「良いんですよ。アイザック殿下の驚く顔なんて滅多に見れないのですから。我々も楽しみです。」

シュルツがニッコリ笑うと、そこへバズが戻ってきた。

「許可出ました!そして、アイザック先輩への伝達も阻止しました。」
「ご苦労。スウィーティー様、こちらです。」

見学自体が邪魔だというのは置いておいて、それ以上邪魔にならないように気をつけましょう。



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