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114 お嫁さんようこそ
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「そうか。」
帰ってお父様と話をした。
パールとザック様も帰らずに一緒にいる。
「うちで一緒に暮らしても良いのでしょうか?」
「うーん…アルはどうしたいと?」
「え?僕?僕は皆で仲良くできればいいよ~。」
「なるほどな。…はっきり言うと、我が家では、そちらの子と契約をする事は難しい。しかし、アルの番としては問題ないと思う。」
「契約するとかは考えてなかったよ。ね!」
「はい。アルの近く、いれればそれで良いです。」
「ねぇねぇ。裏の森に家作ってもいい?」
「家?」
「そう。お嫁さんとの。」
「お父様、どうですか?」
「それは構わないが、安全面ではどうだろうか。」
「私、魔獣。心配ない。」
「しかし、森の奥とは違う危険もあるのだよ。」
「お父様。やはり、我が家に…」
「大丈夫。私、木の上好き。結界張れる。」
「結界?…張れるの?」
「できる。」
「分かった。裏の森の好きな所を使っていい。…アル。」
「ん?」
「リーナの事もそうだが、お嫁さんを大事にな。」
「もちろん!」
「アル。それから、お嫁さん。おめでとう。これからよろしくね。」
アルとお嫁さんは、微笑んでいる。
「リーナ、ありがとう。」
「お父様、今日くらいは家の中で過ごしてもらってもいいですよね?」
「あ、リーナ。僕達すぐに家造りを始めるよ。」
「え?そうなの?」
「うん。また明日ね。」
「え、ええ。」
そういうと、アルとお嫁さんは窓から飛び立っていった。
「寂しい…。」
「リーナ?」
「子供が結婚する親の気持ちだわ…。」
「ははは、そうか。」
「お父様、嬉しくも寂しいものですね。」
「そうだな。…さて、陛下にも一応報告だな。『アルに嫁ができた。』とだけ伝えておくか。詳しくはアイザック殿下よろしくお願いいたします。」
「分かりました。」
「リックもそろそろ帰るだろう。アイザック殿下、夕食をご一緒にいかがですか?」
「ありがとうございます。お言葉に甘えます。」
そういえば、あの2匹のことを話していない。
「ねぇ、お父様。あと2匹こっちに来るかも。」
「何がだ?」
「魔獣。」
「…詳しく話してくれるか?」
私はお父様へ黒豹と黒狼の事を話す。
「そういうことか。」
「本当に来るかどうかは何とも言えませんが。」
「黒豹は分からんが、黒狼は来るだろうな…。魔獣の特性上、強いものに付き従う。」
「それなら、来るなといえば来ないのでは?」
「言い方や捉え方もあるだろう。1度自分の弟分だと認めた上で言っていたなら来なかったかもしれん。」
「…アイツを弟分とか、面倒くさい事この上ない。」
ルーフが肩を落とす。
「口だけでもいいと思うが。」
「それは…いくら面倒くさいやつでもしてはいけないと思う。」
「ルーフ…。貴方、格好いいわ。」
サリーナはルーフを抱きしめた。それを見たアイザックが眉をピクリと動かした。
「あら、アイザックくん。ルーフにまでヤキモチ~?」
パールの言葉にサリーナは驚き、アイザックを見た。
ルーフ相手にヤキモチ?
アイザックは何も言わない。
「そうなのですか?」
アイザックはそっぽを向き、耳を赤くしながら口を開く。
「そんなことは……………ある。」
「まぁ、ザック様!ザック様も、もちろん格好いいですよ。今日なんて、何回触りたいと思ったか。」
「さわっ!?」
そっぽを向いていたアイザックは、勢いよくサリーナを見る。顔は真っ赤だ。
「リーナ、貴方結構大胆ね。」
「何が?」
「分からないの?」
パールの言葉で今までの会話を思い返してみる。
「…!…あ、あの、そ、うではなくて…いや、ん?ちがくもない?とにかく、え~と…」
私が狼狽えていると、お父様が呆れたように言った。
「リーナ、夕食後にしなさい…。」
な、何を!?
「アイザック殿下、食事の用意はさせています。こちらへどうぞ。」
「あ、ああ。ありがとうございます。」
アイザック様はお父様へついていき、私はその後ろをついていく。
夕食後に『改めて話をしなさい』と言うことよね?そうよね?まさか、ザック様を『触るのは後にしなさい』って事ではないわよね?……もう、私のバカ…恥ずかしい。
帰ってお父様と話をした。
パールとザック様も帰らずに一緒にいる。
「うちで一緒に暮らしても良いのでしょうか?」
「うーん…アルはどうしたいと?」
「え?僕?僕は皆で仲良くできればいいよ~。」
「なるほどな。…はっきり言うと、我が家では、そちらの子と契約をする事は難しい。しかし、アルの番としては問題ないと思う。」
「契約するとかは考えてなかったよ。ね!」
「はい。アルの近く、いれればそれで良いです。」
「ねぇねぇ。裏の森に家作ってもいい?」
「家?」
「そう。お嫁さんとの。」
「お父様、どうですか?」
「それは構わないが、安全面ではどうだろうか。」
「私、魔獣。心配ない。」
「しかし、森の奥とは違う危険もあるのだよ。」
「お父様。やはり、我が家に…」
「大丈夫。私、木の上好き。結界張れる。」
「結界?…張れるの?」
「できる。」
「分かった。裏の森の好きな所を使っていい。…アル。」
「ん?」
「リーナの事もそうだが、お嫁さんを大事にな。」
「もちろん!」
「アル。それから、お嫁さん。おめでとう。これからよろしくね。」
アルとお嫁さんは、微笑んでいる。
「リーナ、ありがとう。」
「お父様、今日くらいは家の中で過ごしてもらってもいいですよね?」
「あ、リーナ。僕達すぐに家造りを始めるよ。」
「え?そうなの?」
「うん。また明日ね。」
「え、ええ。」
そういうと、アルとお嫁さんは窓から飛び立っていった。
「寂しい…。」
「リーナ?」
「子供が結婚する親の気持ちだわ…。」
「ははは、そうか。」
「お父様、嬉しくも寂しいものですね。」
「そうだな。…さて、陛下にも一応報告だな。『アルに嫁ができた。』とだけ伝えておくか。詳しくはアイザック殿下よろしくお願いいたします。」
「分かりました。」
「リックもそろそろ帰るだろう。アイザック殿下、夕食をご一緒にいかがですか?」
「ありがとうございます。お言葉に甘えます。」
そういえば、あの2匹のことを話していない。
「ねぇ、お父様。あと2匹こっちに来るかも。」
「何がだ?」
「魔獣。」
「…詳しく話してくれるか?」
私はお父様へ黒豹と黒狼の事を話す。
「そういうことか。」
「本当に来るかどうかは何とも言えませんが。」
「黒豹は分からんが、黒狼は来るだろうな…。魔獣の特性上、強いものに付き従う。」
「それなら、来るなといえば来ないのでは?」
「言い方や捉え方もあるだろう。1度自分の弟分だと認めた上で言っていたなら来なかったかもしれん。」
「…アイツを弟分とか、面倒くさい事この上ない。」
ルーフが肩を落とす。
「口だけでもいいと思うが。」
「それは…いくら面倒くさいやつでもしてはいけないと思う。」
「ルーフ…。貴方、格好いいわ。」
サリーナはルーフを抱きしめた。それを見たアイザックが眉をピクリと動かした。
「あら、アイザックくん。ルーフにまでヤキモチ~?」
パールの言葉にサリーナは驚き、アイザックを見た。
ルーフ相手にヤキモチ?
アイザックは何も言わない。
「そうなのですか?」
アイザックはそっぽを向き、耳を赤くしながら口を開く。
「そんなことは……………ある。」
「まぁ、ザック様!ザック様も、もちろん格好いいですよ。今日なんて、何回触りたいと思ったか。」
「さわっ!?」
そっぽを向いていたアイザックは、勢いよくサリーナを見る。顔は真っ赤だ。
「リーナ、貴方結構大胆ね。」
「何が?」
「分からないの?」
パールの言葉で今までの会話を思い返してみる。
「…!…あ、あの、そ、うではなくて…いや、ん?ちがくもない?とにかく、え~と…」
私が狼狽えていると、お父様が呆れたように言った。
「リーナ、夕食後にしなさい…。」
な、何を!?
「アイザック殿下、食事の用意はさせています。こちらへどうぞ。」
「あ、ああ。ありがとうございます。」
アイザック様はお父様へついていき、私はその後ろをついていく。
夕食後に『改めて話をしなさい』と言うことよね?そうよね?まさか、ザック様を『触るのは後にしなさい』って事ではないわよね?……もう、私のバカ…恥ずかしい。
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