118 / 142
114 お嫁さんようこそ
しおりを挟む
「そうか。」
帰ってお父様と話をした。
パールとザック様も帰らずに一緒にいる。
「うちで一緒に暮らしても良いのでしょうか?」
「うーん…アルはどうしたいと?」
「え?僕?僕は皆で仲良くできればいいよ~。」
「なるほどな。…はっきり言うと、我が家では、そちらの子と契約をする事は難しい。しかし、アルの番としては問題ないと思う。」
「契約するとかは考えてなかったよ。ね!」
「はい。アルの近く、いれればそれで良いです。」
「ねぇねぇ。裏の森に家作ってもいい?」
「家?」
「そう。お嫁さんとの。」
「お父様、どうですか?」
「それは構わないが、安全面ではどうだろうか。」
「私、魔獣。心配ない。」
「しかし、森の奥とは違う危険もあるのだよ。」
「お父様。やはり、我が家に…」
「大丈夫。私、木の上好き。結界張れる。」
「結界?…張れるの?」
「できる。」
「分かった。裏の森の好きな所を使っていい。…アル。」
「ん?」
「リーナの事もそうだが、お嫁さんを大事にな。」
「もちろん!」
「アル。それから、お嫁さん。おめでとう。これからよろしくね。」
アルとお嫁さんは、微笑んでいる。
「リーナ、ありがとう。」
「お父様、今日くらいは家の中で過ごしてもらってもいいですよね?」
「あ、リーナ。僕達すぐに家造りを始めるよ。」
「え?そうなの?」
「うん。また明日ね。」
「え、ええ。」
そういうと、アルとお嫁さんは窓から飛び立っていった。
「寂しい…。」
「リーナ?」
「子供が結婚する親の気持ちだわ…。」
「ははは、そうか。」
「お父様、嬉しくも寂しいものですね。」
「そうだな。…さて、陛下にも一応報告だな。『アルに嫁ができた。』とだけ伝えておくか。詳しくはアイザック殿下よろしくお願いいたします。」
「分かりました。」
「リックもそろそろ帰るだろう。アイザック殿下、夕食をご一緒にいかがですか?」
「ありがとうございます。お言葉に甘えます。」
そういえば、あの2匹のことを話していない。
「ねぇ、お父様。あと2匹こっちに来るかも。」
「何がだ?」
「魔獣。」
「…詳しく話してくれるか?」
私はお父様へ黒豹と黒狼の事を話す。
「そういうことか。」
「本当に来るかどうかは何とも言えませんが。」
「黒豹は分からんが、黒狼は来るだろうな…。魔獣の特性上、強いものに付き従う。」
「それなら、来るなといえば来ないのでは?」
「言い方や捉え方もあるだろう。1度自分の弟分だと認めた上で言っていたなら来なかったかもしれん。」
「…アイツを弟分とか、面倒くさい事この上ない。」
ルーフが肩を落とす。
「口だけでもいいと思うが。」
「それは…いくら面倒くさいやつでもしてはいけないと思う。」
「ルーフ…。貴方、格好いいわ。」
サリーナはルーフを抱きしめた。それを見たアイザックが眉をピクリと動かした。
「あら、アイザックくん。ルーフにまでヤキモチ~?」
パールの言葉にサリーナは驚き、アイザックを見た。
ルーフ相手にヤキモチ?
アイザックは何も言わない。
「そうなのですか?」
アイザックはそっぽを向き、耳を赤くしながら口を開く。
「そんなことは……………ある。」
「まぁ、ザック様!ザック様も、もちろん格好いいですよ。今日なんて、何回触りたいと思ったか。」
「さわっ!?」
そっぽを向いていたアイザックは、勢いよくサリーナを見る。顔は真っ赤だ。
「リーナ、貴方結構大胆ね。」
「何が?」
「分からないの?」
パールの言葉で今までの会話を思い返してみる。
「…!…あ、あの、そ、うではなくて…いや、ん?ちがくもない?とにかく、え~と…」
私が狼狽えていると、お父様が呆れたように言った。
「リーナ、夕食後にしなさい…。」
な、何を!?
「アイザック殿下、食事の用意はさせています。こちらへどうぞ。」
「あ、ああ。ありがとうございます。」
アイザック様はお父様へついていき、私はその後ろをついていく。
夕食後に『改めて話をしなさい』と言うことよね?そうよね?まさか、ザック様を『触るのは後にしなさい』って事ではないわよね?……もう、私のバカ…恥ずかしい。
帰ってお父様と話をした。
パールとザック様も帰らずに一緒にいる。
「うちで一緒に暮らしても良いのでしょうか?」
「うーん…アルはどうしたいと?」
「え?僕?僕は皆で仲良くできればいいよ~。」
「なるほどな。…はっきり言うと、我が家では、そちらの子と契約をする事は難しい。しかし、アルの番としては問題ないと思う。」
「契約するとかは考えてなかったよ。ね!」
「はい。アルの近く、いれればそれで良いです。」
「ねぇねぇ。裏の森に家作ってもいい?」
「家?」
「そう。お嫁さんとの。」
「お父様、どうですか?」
「それは構わないが、安全面ではどうだろうか。」
「私、魔獣。心配ない。」
「しかし、森の奥とは違う危険もあるのだよ。」
「お父様。やはり、我が家に…」
「大丈夫。私、木の上好き。結界張れる。」
「結界?…張れるの?」
「できる。」
「分かった。裏の森の好きな所を使っていい。…アル。」
「ん?」
「リーナの事もそうだが、お嫁さんを大事にな。」
「もちろん!」
「アル。それから、お嫁さん。おめでとう。これからよろしくね。」
アルとお嫁さんは、微笑んでいる。
「リーナ、ありがとう。」
「お父様、今日くらいは家の中で過ごしてもらってもいいですよね?」
「あ、リーナ。僕達すぐに家造りを始めるよ。」
「え?そうなの?」
「うん。また明日ね。」
「え、ええ。」
そういうと、アルとお嫁さんは窓から飛び立っていった。
「寂しい…。」
「リーナ?」
「子供が結婚する親の気持ちだわ…。」
「ははは、そうか。」
「お父様、嬉しくも寂しいものですね。」
「そうだな。…さて、陛下にも一応報告だな。『アルに嫁ができた。』とだけ伝えておくか。詳しくはアイザック殿下よろしくお願いいたします。」
「分かりました。」
「リックもそろそろ帰るだろう。アイザック殿下、夕食をご一緒にいかがですか?」
「ありがとうございます。お言葉に甘えます。」
そういえば、あの2匹のことを話していない。
「ねぇ、お父様。あと2匹こっちに来るかも。」
「何がだ?」
「魔獣。」
「…詳しく話してくれるか?」
私はお父様へ黒豹と黒狼の事を話す。
「そういうことか。」
「本当に来るかどうかは何とも言えませんが。」
「黒豹は分からんが、黒狼は来るだろうな…。魔獣の特性上、強いものに付き従う。」
「それなら、来るなといえば来ないのでは?」
「言い方や捉え方もあるだろう。1度自分の弟分だと認めた上で言っていたなら来なかったかもしれん。」
「…アイツを弟分とか、面倒くさい事この上ない。」
ルーフが肩を落とす。
「口だけでもいいと思うが。」
「それは…いくら面倒くさいやつでもしてはいけないと思う。」
「ルーフ…。貴方、格好いいわ。」
サリーナはルーフを抱きしめた。それを見たアイザックが眉をピクリと動かした。
「あら、アイザックくん。ルーフにまでヤキモチ~?」
パールの言葉にサリーナは驚き、アイザックを見た。
ルーフ相手にヤキモチ?
アイザックは何も言わない。
「そうなのですか?」
アイザックはそっぽを向き、耳を赤くしながら口を開く。
「そんなことは……………ある。」
「まぁ、ザック様!ザック様も、もちろん格好いいですよ。今日なんて、何回触りたいと思ったか。」
「さわっ!?」
そっぽを向いていたアイザックは、勢いよくサリーナを見る。顔は真っ赤だ。
「リーナ、貴方結構大胆ね。」
「何が?」
「分からないの?」
パールの言葉で今までの会話を思い返してみる。
「…!…あ、あの、そ、うではなくて…いや、ん?ちがくもない?とにかく、え~と…」
私が狼狽えていると、お父様が呆れたように言った。
「リーナ、夕食後にしなさい…。」
な、何を!?
「アイザック殿下、食事の用意はさせています。こちらへどうぞ。」
「あ、ああ。ありがとうございます。」
アイザック様はお父様へついていき、私はその後ろをついていく。
夕食後に『改めて話をしなさい』と言うことよね?そうよね?まさか、ザック様を『触るのは後にしなさい』って事ではないわよね?……もう、私のバカ…恥ずかしい。
185
あなたにおすすめの小説
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。
白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
時岡継美
ファンタジー
初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。
侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。
しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?
他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。
誤字脱字報告ありがとうございます!
天才魔導医の弟子~転生ナースの戦場カルテ~
けろ
ファンタジー
【完結済み】
仕事に生きたベテランナース、異世界で10歳の少女に!?
過労で倒れた先に待っていたのは、魔法と剣、そして規格外の医療が交差する世界だった――。
救急救命の現場で十数年。ベテラン看護師の天木弓束(あまき ゆづか)は、人手不足と激務に心身をすり減らす毎日を送っていた。仕事に全てを捧げるあまり、プライベートは二の次。周囲からの期待もプレッシャーに感じながら、それでも人の命を救うことだけを使命としていた。
しかし、ある日、謎の少女を救えなかったショックで意識を失い、目覚めた場所は……中世ヨーロッパのような異世界の路地裏!? しかも、姿は10歳の少女に若返っていた。
記憶も曖昧なまま、絶望の淵に立たされた弓束。しかし、彼女が唯一失っていなかったもの――それは、現代日本で培った高度な医療知識と技術だった。
偶然出会った獣人冒険者の重度の骨折を、その知識で的確に応急処置したことで、弓束の運命は大きく動き出す。
彼女の異質な才能を見抜いたのは、誰もがその実力を認めながらも距離を置く、孤高の天才魔導医ギルベルトだった。
「お前、弟子になれ。俺の研究の、良い材料になりそうだ」
強引な天才に拾われた弓束は、魔法が存在するこの世界の「医療」が、自分の知るものとは全く違うことに驚愕する。
「菌?感染症?何の話だ?」
滅菌の概念すらない遅れた世界で、弓束の現代知識はまさにチート級!
しかし、そんな彼女の常識をさらに覆すのが、師ギルベルトの存在だった。彼が操る、生命の根幹『魔力回路』に干渉する神業のような治療魔法。その理論は、弓束が知る医学の歴史を遥かに超越していた。
規格外の弟子と、人外の師匠。
二人の出会いは、やがて異世界の医療を根底から覆し、多くの命を救う奇跡の始まりとなる。
これは、神のいない手術室で命と向き合い続けた一人の看護師が、新たな世界で自らの知識と魔法を武器に、再び「救う」ことの意味を見つけていく物語。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/786307039/episode/2285646
勇者パーティーを追い出された大魔法導士、辺境の地でスローライフを満喫します ~特Aランクの最強魔法使い~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
クロード・ディスタンスは最強の魔法使い。しかしある日勇者パーティーを追放されてしまう。
勇者パーティーの一員として魔王退治をしてくると大口叩いて故郷を出てきた手前帰ることも出来ない俺は自分のことを誰も知らない辺境の地でひっそりと生きていくことを決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる