ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ

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119 夜の散歩

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「ザック様。今日はお手数おかけして申し訳ございませんでした。」
「いや、なんてことはないよ。」
「ありがとうございます。…雲もなく、星もきれいですね。」

私達のいるさらに上にはたくさんの星が輝いていた。

「なぁ、リーナ。」
「はい?」
「…少し遠回りをしないか?」
「遠回りですか?」
「ああ。夜の散歩はどうだろう?」

!!

「是非。…ですが、お疲れでは?」
「全然疲れてはいないとは言えないが、それを言ったらリーナもだろう?…あ、また別の日にするか?」
「いいえ。したいです、遠回り。」
「ははは。…では。」

ザック様は手をこちらへ伸ばした。



「触りたかったのだよな?」

忘れてた!

「そ、そうですね。」
「ほら。」

私はザック様の手を取った。
私達は手を繋いだまま、空を飛ぶ。

「もうすぐリックの結婚式か。」
「はい。サラ様の為に準備をしています。喜んでくれると良いのですが。」
「リーナの選んだものなら問題ないだろう。」
「ザック様まで…。」
「ん?」

このセリフ何度目かしら。

サリーナは苦笑いをする。

「皆、期待が過ぎます。」
「期待?…期待というよりは、相手の事を考えられるリーナだから、問題ないとおもったのだが。サラ嬢のことを考えて準備しているのだろう?」
「それは、もちろん。」
「なら、大丈夫だ。」
「はい。」
「それで、式後のエスコートの事なのだが…」
「エスコート?」

………あ!

この世界では、式は家族で行い、その後にお披露目の為、屋敷で立食会を催す。
婚約者がいる場合、エスコートをお願いする事がほとんどだ。

前世では、そんな決まりなかったから忘れてた!

「申し訳ございません。お伺いを立てていませんでした。」

サリーナは焦り、身体のバランスを崩した。

「リーナ!」

アイザックに手を引かれ、抱きしめられる。

「申し訳ございません。」
「俺もすまん。今、話すことではなかった。」
「いえ。私が忘れていたのが悪いのです。」
「…忘れていたのか?」
「はい…。」
「エスコートが必要ないとかではなく?」
「そんな事ありません。前世ではそんな決まりが無かったので失念していました。」
「そうか。」
「申し訳ございません…。」
「そんなに謝るな。………改めて聞く。俺にエスコートさせてくれるか?」
「よろしくお願いいたします。」
「では、後でドレスの色を教えてくれ。」
「はい。明日にでも実物をご覧ください。」
「いや、話だけでいい。見るのは当日に取っておくよ。」
「そうですか?見た方が色が分かりやすいと思ったのですが…。」
「可愛いリーナを楽しみにしとく。」
「まぁ!…あ、では色見本があったと思うので、メルにお願いしておきます。」

確か、生地の切れ端を色見本として置いていってくれていたはず。

「それなら、それを頼もうか。」
「はい。」
「それでは、夜の散歩の続きをしようか。」

私達は、私がバランスを崩したときに抱き合ったままだった。

「あ、ありがとうございました。」

サリーナはアイザックから離れた。

「このまま飛びたい所だけど、俺の力量じゃ、浮いているだけで動けない。…修行しとく。」

できるようになったら、抱きしめられたまま飛ぶの?
私、大丈夫かしら…。



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