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122 お菓子作り続き
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「今度こそ、どうだろう?」
アイザックは、サリーナに泡立て器を持ち上げてみせた。
「はい、大丈夫です。お疲れ様でした。」
「ふぅ…本当に体力勝負だな。」
「ふふふっ、そうですよ~。それでは次はクリームとチーズを混ぜましょう。」
「まだ、混ぜるのか!?」
「はい。ザック様は休憩なさってください。」
「いや、それでは、リーナが疲れてしまう。俺がやる。」
「今度はフワッと優しくなので、大丈夫です。」
「そうか?…混ぜ方も色々あるのだな。」
「ええ。」
混ぜ終えると、器に敷いたコーヒーシロップにつけたクッキーの上へクリームを乗せる。そしてまたクッキー、クリームを重ねてココアを振るう。
「ザック様、完成です。」
「おお!美味しそうだな。」
「美味しいですよ~。ここを片付け終わったら、食べましょうね。」
「ああ、楽しみだ。」
ふたりで、にこにこしながら片付け始めると、料理長が焦って止めに入った。
「あとは、私共でしておきます!」
「でも、片付けまでが料理よ。最後までするわ。」
「何を仰っているのですか。アイザック殿下もいらっしゃるのです。今日くらいはゆっくりなさってください!」
「……ん、分かったわ。ザック様、ここは任せて、作りたてをいただきましょう。」
「そうか?それでは、皆申し訳ない。あとを頼む。」
「お任せください。」
料理長始め、料理人達は頭を下げた。
「お父様とお兄様の分以外は、いつも通り皆で食べてね。」
「はい。ありがとうございます。」
私とザック様は、自分達の食べる分を持ち、談話室に向かった。
「サリーナ様、私がお持ちいたします。」
「良いのよ。それより、お茶をお願い。」
「畏まりました。」
「ザック様、こちらへどうぞ。」
談話室につくと、私達はソファに並んで座った。
メルがお茶を用意し、後ろへ下がる。
「ザック様、食べましょう。メルも食べてきていいわよ?」
「残して置くように言ってありますので、後でいただきます。」
「そうなの?…いつの間に。」
「出てくる時に声をかけてきました。」
「そうなのね。では、ザック様。改めて。」
「ああ、頂こう。」
サリーナは、スプーンでティラミスをすくい、口に運んだ。
「ん~!美味しい。」
「うん。旨い。」
「ザック様が頑張って混ぜてくれたお陰ですね。」
「そうだろうか?」
「そうですよ。腕、疲れたのではないですか?」
「どうってことない。…と言いたいが、剣ではしない動きだからか、多少腕が重いな。」
「それでは、マッサージでもしましょうか?」
「できるのか?」
「見様見真似ですが…。」
「頼む。」
アイザックは、サリーナへ腕を伸ばす。
「では、失礼します。」
サリーナは、アイザックの腕を取り、力を入れて揉んでいく。
「力の強さはどうですか?痛くはないですか?」
「ああ、大丈夫。もう少し強くても良いくらいだ。」
「分かりました。」
もみもみもみもみ…
「ありがとう。楽になったよ。」
「それは、良かったです。…ザック様、また一緒に作ってくれますか?」
「もちろん。リーナと一緒にお菓子を作るのは、楽しかったからな。」
「私も楽しかったです。」
「結婚したら、そういう機会も増えるんだろうな。」
「そうかもしれませんね。」
「その時が待ち遠しいな。」
「はい。」
結婚かぁ~。
いつになるのかな~?
その時は、思っていたよりもすぐにやってきた。
アイザックは、サリーナに泡立て器を持ち上げてみせた。
「はい、大丈夫です。お疲れ様でした。」
「ふぅ…本当に体力勝負だな。」
「ふふふっ、そうですよ~。それでは次はクリームとチーズを混ぜましょう。」
「まだ、混ぜるのか!?」
「はい。ザック様は休憩なさってください。」
「いや、それでは、リーナが疲れてしまう。俺がやる。」
「今度はフワッと優しくなので、大丈夫です。」
「そうか?…混ぜ方も色々あるのだな。」
「ええ。」
混ぜ終えると、器に敷いたコーヒーシロップにつけたクッキーの上へクリームを乗せる。そしてまたクッキー、クリームを重ねてココアを振るう。
「ザック様、完成です。」
「おお!美味しそうだな。」
「美味しいですよ~。ここを片付け終わったら、食べましょうね。」
「ああ、楽しみだ。」
ふたりで、にこにこしながら片付け始めると、料理長が焦って止めに入った。
「あとは、私共でしておきます!」
「でも、片付けまでが料理よ。最後までするわ。」
「何を仰っているのですか。アイザック殿下もいらっしゃるのです。今日くらいはゆっくりなさってください!」
「……ん、分かったわ。ザック様、ここは任せて、作りたてをいただきましょう。」
「そうか?それでは、皆申し訳ない。あとを頼む。」
「お任せください。」
料理長始め、料理人達は頭を下げた。
「お父様とお兄様の分以外は、いつも通り皆で食べてね。」
「はい。ありがとうございます。」
私とザック様は、自分達の食べる分を持ち、談話室に向かった。
「サリーナ様、私がお持ちいたします。」
「良いのよ。それより、お茶をお願い。」
「畏まりました。」
「ザック様、こちらへどうぞ。」
談話室につくと、私達はソファに並んで座った。
メルがお茶を用意し、後ろへ下がる。
「ザック様、食べましょう。メルも食べてきていいわよ?」
「残して置くように言ってありますので、後でいただきます。」
「そうなの?…いつの間に。」
「出てくる時に声をかけてきました。」
「そうなのね。では、ザック様。改めて。」
「ああ、頂こう。」
サリーナは、スプーンでティラミスをすくい、口に運んだ。
「ん~!美味しい。」
「うん。旨い。」
「ザック様が頑張って混ぜてくれたお陰ですね。」
「そうだろうか?」
「そうですよ。腕、疲れたのではないですか?」
「どうってことない。…と言いたいが、剣ではしない動きだからか、多少腕が重いな。」
「それでは、マッサージでもしましょうか?」
「できるのか?」
「見様見真似ですが…。」
「頼む。」
アイザックは、サリーナへ腕を伸ばす。
「では、失礼します。」
サリーナは、アイザックの腕を取り、力を入れて揉んでいく。
「力の強さはどうですか?痛くはないですか?」
「ああ、大丈夫。もう少し強くても良いくらいだ。」
「分かりました。」
もみもみもみもみ…
「ありがとう。楽になったよ。」
「それは、良かったです。…ザック様、また一緒に作ってくれますか?」
「もちろん。リーナと一緒にお菓子を作るのは、楽しかったからな。」
「私も楽しかったです。」
「結婚したら、そういう機会も増えるんだろうな。」
「そうかもしれませんね。」
「その時が待ち遠しいな。」
「はい。」
結婚かぁ~。
いつになるのかな~?
その時は、思っていたよりもすぐにやってきた。
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