【R18】キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~

くったん

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鬼畜変態野郎とお漏らしプレイ①

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 パパが魔王であるキツネ様が、人間と魔族の戦いに終止符を打ってやろうと、勇者である男を倒すために旅に出た。
 勇者である男は、人間界のはじまりの町に住んでいるらしい。宅配員を装ってアパートに突撃訪問することにした。玄関の扉を開けた直後の、すきだらけの勇者をグサリと刺せば、キツネ様の大勝利という作戦だ。勇者討伐なんぞ、ハーフアニマルであるキツネ様の手に掛かればお茶の子サイサイ。1秒でカタをつけてやる。

「キツネ様に狙われたことを死んで後悔するがよいわ!」

 今から訪れる未来を想像して、ニヤニヤしてしまう口をそのままに、勇者である男が住んでいる家の玄関の前に立ち、インターフォンを鳴らした。
 勇者である男は無反応だった。
 出てくるまで押してやると何度も鳴らした。
 それでも出て来ないから、同時に扉をバンバンと叩いてみた。

「おまえ、誰だ」

 ようやくインターフォンから声が聞こえてきた。

「宅配です」
「宅配? 何の」
「何の?」
「何かを注文した覚えがない」
「あー、……実家、ですかね?お米とか保存食が入ってるそうです」
「実家、ねぇ。俺は天涯孤独の身なんだが」
「……じゃ、じゃあ、友人ですかね?」
「友人、ねぇ。俺に友人は1人も居ないんだが」
「あー……」
「イタズラなら帰ってくれ」

 さっそく問題発生だ。何と言って勇者である男を誘い出せばいいんだ。
 できれば優しいウソで誘い出したい。それがキツネ様に出来る精一杯の最期の優しさ。天涯孤独の身で友人1人も居ないとか、勇者がマジでかわいそうだ。
 勇者である男すらも扉を開けてしまうほどの優しいウソ、か。そうだ、これにしよう。これならきっと心の扉を開けてくれる。

「あの、宅配はウソです。……先ほどお電話をいただいた獣姦専門SMクラブの者です」
「……ああ? あー……まぁ、……分かった」

 やはり人間の雄は単純ぞ。獣姦専門SMクラブという単語だけで心の扉を開けるとは。さすがパパの書斎にあった貴重な本だ。
 よし、これで勇者はおしまい。すぐに家族の元へ送ってやろう。
 ガチャリと鍵の開く音が聞こえた。ゆっくりとノブが回るのを見ながら、懐からナイフを取り出した。さぁ来いと意気込んでいると、動いていたノブが止まった。

「どうしました?」
「いつものをやってもらってなかったと思ってな」
「いつもの? 何ですか?」
「そこで土下座しろ」

 ちょっと何を言っているのか分からなくてフリーズしてしまった。でも勇者である男は、いつもの土下座について説明してくれた。

「『今日もよろしくお願いします、ご主人様』と言いながら土下座しろ」
「……えっと」
「早くやれ。やらねぇ限り、この扉は開けないぜ。それとも何だよ、素人でも気取ってんのかよ、この愛玩下僕アニマルが」
「なう!?」
「さっさとやれ」

 ここまで侮辱されたのは生まれて初めてだ。できることなら、「キツネ様をバカにするんじゃねえ! お前が土下座しろ、この鬼畜野郎!」って、ののしってやりたい。
 勇者討伐のためだ。我慢しよう。
 ほんの少しの屈辱を我慢すれば、あの扉が開いて、勇者である男が出てくる。そしたらキツネ様の勝ち。栄光と土下座、天秤にかけても栄光が勝つ。屈辱だがやってやる。暴言と土下座の恨みを込めて、グサリグサリと刺してやる。

「やっ、やってやります!」

 歯を食い縛りながらその場に正座。それだけで屈辱を感じ歯ぎしりをしてしまう。でも、栄光のためだと、頭を下げて言った。

「今日もよろしくお願いします、ご主人様」

 何かもう泣きそうだった。何のために生きてるんだろうとか、土下座するために生まれてきたんじゃないのにとか、いろんなことを考えてしまった。

「これっぽっちも忠誠心を感じないが、……いいだろう。ギリギリ合格だ」

 絶対にグサグサ刺してやると思った。私の気が済むまでぶっ刺してやる。そう心に誓い立ち上がると、今度こそ扉が開いた。ナイフを握っている手に力が入る。心なしか手が震えている。土下座させられた怒りのせいだ。でも、勇者である男が出てきた時、思わずナイフを落としてしまった。
 負けたと思った。
 勇者である男の気迫に圧倒された。

「小さいキツネだな」
「……あは、あはは」

 2メートルはありそうな身長、ガタイのいい筋肉質な体、鋭い眼光、人間一人くらい捻り潰しそうな威圧感。まさに威風堂々という言葉が似合う男。しかも無駄にイケメン。一瞬で敗けを認めそうになるほどの男がそこに立っていたのだ。
 圧倒させられたおかげで攻撃するタイミングを逃してしまうし、部屋に入れってあごで促されるし。でもここで部屋に入ったら獣姦専門SMクラブの幕開けだ。
 間違いなく犯される。
 どうしたらいいのか分からなくなって、冷や汗を流しながら立ち尽くしていたら、男の手が服の襟足をつかんできた。

「さて、どう食うかな」

 岩のように立ち尽くす私を引きずりながら部屋に入っていく。もう逃げられないと思って、怖くて、本当に恐怖で、ありったけの勇気をかき集めて、廊下の途中にあったドアノブにつかまった。

「違うんです! 勘違いです! 獣姦専門SMクラブはウソなんです!」
「ほーう、ウソか」
「そうです! ウソです! 何でもするから許してください!」

 泣き叫んでしまう自分を情けなく感じるが、それほどこの男が危険だってことだ。

「見たところ魔族のようだが、何の用があってここに来た」

 あんたを殺しに来ましたなんて口が裂けても言えない。言ったら瞬殺される。かといってすぐに言い訳が思い付かなくて口ごもっていたら、勇者である男が、私がつかまっているドアノブを回した。
 そこは洗面所だった。
 勇者である男は、私を引きずりながらその奥にあるバスルームへ。その中に私を押し込み、自分もそこに入って扉を閉めた。勇者である男は偉そうに扉の前に仁王立ち。これって尋問じゃん、ヤバいやつじゃんと焦る私に、追い打ちをかける一言が飛んできた。

「言うまで逃がさん」

 どうにかこうにかごまかさないと、間違いなく殺られる。
 何か言い訳は……

「あっ、……えっと、……そう! 仲間になろうって思って!」

 グッドっ!ナイスよ、キツネ様!

「仲間?」
「勇者様に仲間は必要でしょ? キツネ様なら魔界に詳しいし、絶対に役に立てると思うの」
「勇者、ねぇ。おまえが役に立つとは思わないし、普通に考えて敵である魔族を仲間にするわけないだろ。耳と尻尾を取って出直してこい」
「いいえ! キツネ様は裏切らないわ!」
「何で言い切れる」
「キツネ様はウソをつかないの! ウソつきって大嫌いなの!」
「ついさっき宅配員を装ってたな。獣姦専門SMクラブとも言ってたが、それはウソじゃないのか」
「……ウソです」
「じゃあ、おまえは何だ」
「ウソつきキツネです」

 自分のついたウソが原因で苦しめられるなんて思わなかった。ウソってやっぱりいけないことなんだって嫌でも学んだ。こんなことならウソなんかつかずに、正直にいれば良かった。
 貴様を殺しに来ました。負けました。もう二度としませんって、土下座して謝れば許してくれたかもしれないのに、ウソをついたせいで信用ゼロ。私は殺される運命なのだ。
 ごめんね、パパ。『獣姦専門SMクラブ』の本をリビングに置いたの、私なの。ママに怒られてたね。そのおかげでママの大切な花瓶を割ったことが流れて、私が怒られずに済んだの。守ってくれてありがとう。

「まぁ、とあることをやってくれれば信じてやらないこともない」
「本当に!?」

 殺されることを回避出来るのなら何でもやる勢いで、勇者である男を見上げた。

「服を脱げ」
「へ?」
「服を脱げって言ったんだぜ」

 何で、服を脱ぐイコール仲間を信じる、ってことになるの?
 服を脱ぐってことは全裸になるってことだよね?
 裸にそんな力が秘められてたっけ?
 勇者様って変態なの?
 そういう裏の顔を持ってないと勇者になれないの?
 世界を救う前に、まず自分を救った方がいいと思うの。
 何かいろいろと言いたいことがあって、どれから口にすればいいのか分からない。そこに困っているのに、勇者である男は当然のように、「脱げよ」と言ってきた。脱ぐはずがないのに。

「何で?」
「あ?」
「何で全裸になったら信用出来るようになるの?」
「武器を隠してないかと思ってな」
「隠してないよ」
「ウソつきキツネの言葉を信じろと?」
「本当だよ! 武器なんて持ってない!」
「ほーう、おまえにとってコレはおもちゃか。新品だな。よーく切れそうなおもちゃだぜ」

 勇者である男は、さっきまで私が握りしめていたナイフを持っていた。いろいろと詰んでたんだなと悟った。全裸にならない限りバスルームから出られないし、仮に勇者である男を押し退けて逃げようとしても、あのナイフでグサリグサリされると思う。
 逃げたら死ぬ道、全裸は生き残れる道。
 生きようと思うならば、全裸になるしかない。
 敵である勇者の前で、裸になることがどれだけ屈辱なことか分かっていても、生きてさえいればなんとかなる。死なない限り、何度だってチャンスがあるのだ。
 なろう、全裸に。

「って、なれるかー! 全裸になるなんて無理だよ! 嫁入り前なんだよ! 純潔なの! その意味が分かるかなぁ!」

 勇者である男にも詰め寄って訴える。勇者である男は何も言わずに無表情で見下ろすだけ。つまり、泣いても喚いても無駄。全裸になるまで解放しないってことだ。
 同じ生き物としてあり得ない。心底軽蔑する。鬼畜変態野郎が勇者だなんて! 勇者がこんなクソ野郎だから世界が混沌としているんだ!

「嫌よ! 絶対に裸になんかならない! そうよ、これは純潔を守るための戦い! 鬼畜変態野郎に負けてたまるもんですか!」

 ビシィィッと指さして宣言しても、勇者である男は相も変わらず無表情だ。

「はぁ」

 勇者である男はため息をはいたあと、バスルームの扉に背中を預けて腕を組んだ。

「長期戦だな。まっ、ガンバレガンバレ」

 キツネ様との戦いのはずなのに、ひとごとのようだ。でも、負ける気なんて更々ない私は、拳を握り締めて、壁を殴りながら言ってやった。

「キミがっ! 泣くまでっ! 全裸にならないっ!」
「だったら今すぐ泣いてやろーか」
「……はっ!」
「おまえアホキツネだろ。しかもドが付くほどのアホキツネ」
「……うおおおお! このキツネ様がっ! 鬼畜変態野郎ごときに負けてたまるかああああ!」

 バスルームにキツネ様の声が響いた。やる気に満ちあふれる熱き魂の叫びだったけど、隣の部屋から、「うるさい!」って怒鳴り声とバンッ!と壁か何かを殴る音が聞こえたので、そこんところは気を付けて、純潔を守るための戦いを頑張りたいと思った。



    
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