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わたしとアイツと両親
5話①
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咲希のお袋さんから呼び出された俺は、咲希の仕事先へ一人で行くことになった。
せめて咲希も一緒にとお願いしたけど、仕事前の準備があるから無理と断られ、一人緊張しながら夜の街を彷徨う羽目に。
めちゃくちゃ緊張する。
前に一度行ったときは咲希も一緒だったしそこまで緊張しなかったけど、今日は一人で店の扉を開けなくてはならない。
夜に来てみると一層大人の店って感じがして場違い感がハンパない。世界的に有名な高級ブランド店に来たような気分だ。でもずっと店の前で突っ立ってるわけにもいかず、勇気を出して扉を開ける。
「いらっしゃ……あ、勇樹だ!」
バーテンダーの制服を着た咲希が笑顔で出迎えてくれたからこれもこれで全然アリというか一瞬で天国というか幸せというか咲希が激かわでやっぱり天使でここは天国だと思ったから毎日通いたい。
「っす」
小さく頭を下げながら店に入る。咲希がここに座れとカウンターを指差した。それに従ってカウンターに腰を下ろす。
「マスター、この子が勇樹だよ。ね、クマみたいに大きいでしょ」
どんな紹介の仕方だよってツッコミたいがとりあえず立ってマスターに一礼した。
「はじめまして。藤森勇樹といいます。咲希がいつもお世話になっております」
「はじめまして。お世話してる咲希から話は聞いてる。噂通りのクマっぷりだな」
「でしょでしょ」
(クマっぷりってなんだよ。つーかマスターさんもすげぇよ。オールバックに厳つい面構えがまさにそっち系の人だよ。カクテルよりも違うもん作ってそうだよ)
いろいろとツッコミたいけど、椅子に座り直した。
「お母さんとお父さん、もうすぐ来ると思う。その間に何か飲む?」
「えっと」
メニュー表を探すが見当たらず、辺りをキョロキョロと見回してもそれっぽいのがない。すると咲希が教えてくれた。
「季節外れなんだけど、美味しそうなイチゴを仕入れたから、イチゴミルクがおすすめだよ」
「マジ!? それにする!」
「じゃ、イチゴミルクね」
「アレめっちゃうまいんだよな! たまにしか飲めねぇから俺ってラッキー!」
「ははーん、なるほど。勇樹君が来るからイチゴを探し回ったってわけね」
「マスター、黙ってください」
「開店前だってのに隣町の某有名デパートの青果屋まで行ってたのはこのためってわけね。しかも吐き気を催すほどの値段がする高級イチゴを、ね」
「マスター、黙って」
「愛だよねぇ、愛」
「黙ってって言ってるでしょ!? マスターのくせに何なのよ!」
裏情報を教えてくれたマスターが俺にウインクしてきた。男からのウインクなんて鳥肌モノだけど、これは違う。嬉しすぎてニヤニヤしちまう。マスターに笑って返したら、咲希は顔を真っ赤にしてブツブツ言いながら冷蔵庫からイチゴを取り出した。
「うーん、イイ色だ。咲希の愛はイチゴ色だったんだな」
「マスター、しばきますよ」
「裏切り者には鉄槌を」
「すみませんでした」
「裏切り者には鉄槌を」
「もう、何回も謝ってるのにぃ!」
泣きべそを垂れてるけども、昨日襲われたときに聞いた話じゃ、どう考えても……
「そら咲希が悪い。冗談でも言って良い事と悪い事があるって教えたじゃん。お世話になってる人にあれはないって」
「おっ、勇樹君分かってるねぇ」
「あんたは私の味方でしょ!? 裏切りよ、裏切り!」
「そりゃ味方っすよ。でも間違ったことは正してやらねぇとな。裏切りとかじゃなくてそこに愛があるから言ってるんだぜ。だからさ、ちゃんと反省して、次からは気をつけような」
犬みてーにしゅんと落ち込んだ咲希が小さく頷く。ちゃんと反省したようで何よりと笑顔を浮かべれば、マスターがなぜか咲希の肩に手をおいて揺らし始めた。
「咲希、咲希! お前ってやつは反省することを覚えたのか! すごい、すごいぞ!」
「ちょっと、邪魔……」
「俺は嬉しい! 何を言っても反省のはの字も覚えなかったあの咲希が反省することを覚えるなんて! 俺は……俺はっ、くっ!」
感動したと言わんばかりに目頭を押さえたマスター。咲希の目は死んでた。でも俺はマスターに同情した。ここにも咲希に振り回される同志がいた。
「咲希、勇樹君は手放すんじゃないぞ! 咲希の手綱を握れるのは世界中どこを探しても勇樹君しか居ない! 咲希には勇樹君だけなんだ!」
「わ、わかったから落ち着いて! ここお店だから!」
「……はっ」
マスターが店を見回す。釣られて見回すと常連と思わしき男性陣がシクシクと酒を片手に泣いていた。
「くそっ、咲希狙いの客が!」
マスターの呟きで何となく理解した。咲希は独り身だと偽情報を流し、咲希を落とそうと客が毎日この店に通う。常連さんの出来上がり。結果、売上アプアプ。マスターウハウハ。
「いつかバレる嘘で純粋な男心を欺いたマスターの責任っすね。売上落ちるんじゃないっすか? まっ、咲希を使った報い、当然の結果ってやつですよ」
「ちょっと生意気じゃないか、勇樹君」
「生意気な咲希に教え込まれましたから」
「ちょっと変な言いがかりはやめてよ!」
「咲希、お前ってやつは!」
「違うわよ! 私じゃないわよ!」
落ち着いた大人の雰囲気の店とは思えないくらい二人がギャアギャアと騒ぎ出し、その騒ぎに便乗して常連さん達もやけ酒だと飲み出した。
もちろん俺にも絡んでくる。咲希を奪った何だと言ってたけど、でも、嫌みな人は一人もいない。
いつか咲希が「雰囲気だけでバカ騒ぎするような店」と言ってたことを思い出して、なるほどと思った。
いい人が集まる店なんだと。
それは見た目があれでもマスターの人柄がそうさせるのかもしれない。
「仕方ない。詫びとして俺の宝物達を振る舞うか。咲希、あれを箱ごと持ってこい」
「箱ごと!? ヴィンテージ物だよ!?」
「いいんだよ。こういう時は、パーッと客に振る舞う。後先考えずに今を面白く、それも店にとっちゃ大事なことなんだよ」
ヴィンテージ物の値段を思い出して背筋が寒くなる。でもマスターは知ったこっちゃねえって面でタバコに火をつけた。漢の中の漢っぷりに拍手を送りたいけど、何かいろいろと惜しい人だ。咲希がここに居る理由が分かる気がする。
「タバコ、逆っすよ」
「ギャグだよ、ギャグ」
「大盤振る舞いしなきゃいいのに」
「勇樹君、覚えておくんだな。男にはやらなきゃいけねぇときもあるってんだぜ」
「とか言って、主に咲希狙いの常連客のご機嫌取りなんすよね。あと新規の客を楽しませて取り込もうって腹っすか。それにしても、客を掴む投資としちゃヴィンテージ物はデカすぎじゃないっすか」
「……ふーむ、勇樹君は賢い。でもな、大事なことが抜けている」
「なんすか」
「店長である俺が、面白いと感じるか、感じないか、だ」
「マスターの気分っすか」
「俺の信条は、人生は面白く。金は大事だ。あればあるだけいい。生きるために必要な物だ。だが、面白さの欠ける人生はまっぴらごめんだ。だから面白いモノを俺の金で買うんだよ。今日みてぇにな」
マスターの漢っぷりに拍手を送る。十五のガキ相手だっつーのにちゃんと向き合って、大人扱いしてくれてるみたいで、嬉しいというかむず痒い。
「かっこいいこと言ってるけど明日になれば泣いてるから。ほら、もうこんなにウイスキー飲んでる」
咲希がボトルを持ち上げた。半分以上減ったボトルをマスターが取り上げて、ボトルごと飲み干した。「やってられるか!」と盛大に嘆きながら。
「マスターも失恋したんだよ。復帰した初日から連日飲みまくってて大変なの」
「……失恋?」
「相手は誰だろう、ね?」
咲希が俺にウインクした。イヤンそれも激かわ!と言いたいけども、この流れはまさにそれだから何とも言えず。まさかマスターも咲希狙いだったとは……。ロリコンにもほどがあるぜ。
「酔っ払いに絡まれると面倒だから大人しく飲んでなさい」
「うっす」
そう言って出されたイチゴミルクを飲む。いつもよりイチゴのうまみを数億倍感じるのは、咲希がわざわざ俺のために用意してくれたイチゴだから。
そういうことをやってくれるから俺も何かで返したいと思える。そーいうことなんすよ、うまくいくコツってのは。
それともう一つ、大切なこと。
大小に関わらず、何事に対しても、感謝を忘れないこと。
「ありがとう。すっげぇうまい」
「当然よね。この私が選んだイチゴだもの」
「でも高かったんだろ。わざわざありがとうな」
「まぁ、そこそこの値段ね。でもいいのよ。勇樹が美味しいって言ってくれるのなら私にとってはプラスよ、プラス」
「でも、そのまんまのイチゴの食ってみたかったかも」
「まだあるわよ。ほら、あーん」
カウンター越しに身を乗り出しながらイチゴを差し出してきた。いつも通りあーんとしそうだったけど、それぞれから感じる死の視線に耐えかねて俺は手のひらを差し出した。
「照れてるの?」
「ううん、殺されそうだから自重してる」
「あら、大丈夫よ。勇樹は私が守ってあげる。だからね、あーん、して?」
「あーん!」
「良くできました」
放り込まれたイチゴはさすが高級ってだけあって甘くて美味くて。ニコニコ笑顔でモグモグしてる俺を咲希がニコニコ笑顔で見ていて、周りからの舌打ちやヤジすらも気にしないほど幸せ過ぎて困ったと思ってたら店の扉が開いた。
せめて咲希も一緒にとお願いしたけど、仕事前の準備があるから無理と断られ、一人緊張しながら夜の街を彷徨う羽目に。
めちゃくちゃ緊張する。
前に一度行ったときは咲希も一緒だったしそこまで緊張しなかったけど、今日は一人で店の扉を開けなくてはならない。
夜に来てみると一層大人の店って感じがして場違い感がハンパない。世界的に有名な高級ブランド店に来たような気分だ。でもずっと店の前で突っ立ってるわけにもいかず、勇気を出して扉を開ける。
「いらっしゃ……あ、勇樹だ!」
バーテンダーの制服を着た咲希が笑顔で出迎えてくれたからこれもこれで全然アリというか一瞬で天国というか幸せというか咲希が激かわでやっぱり天使でここは天国だと思ったから毎日通いたい。
「っす」
小さく頭を下げながら店に入る。咲希がここに座れとカウンターを指差した。それに従ってカウンターに腰を下ろす。
「マスター、この子が勇樹だよ。ね、クマみたいに大きいでしょ」
どんな紹介の仕方だよってツッコミたいがとりあえず立ってマスターに一礼した。
「はじめまして。藤森勇樹といいます。咲希がいつもお世話になっております」
「はじめまして。お世話してる咲希から話は聞いてる。噂通りのクマっぷりだな」
「でしょでしょ」
(クマっぷりってなんだよ。つーかマスターさんもすげぇよ。オールバックに厳つい面構えがまさにそっち系の人だよ。カクテルよりも違うもん作ってそうだよ)
いろいろとツッコミたいけど、椅子に座り直した。
「お母さんとお父さん、もうすぐ来ると思う。その間に何か飲む?」
「えっと」
メニュー表を探すが見当たらず、辺りをキョロキョロと見回してもそれっぽいのがない。すると咲希が教えてくれた。
「季節外れなんだけど、美味しそうなイチゴを仕入れたから、イチゴミルクがおすすめだよ」
「マジ!? それにする!」
「じゃ、イチゴミルクね」
「アレめっちゃうまいんだよな! たまにしか飲めねぇから俺ってラッキー!」
「ははーん、なるほど。勇樹君が来るからイチゴを探し回ったってわけね」
「マスター、黙ってください」
「開店前だってのに隣町の某有名デパートの青果屋まで行ってたのはこのためってわけね。しかも吐き気を催すほどの値段がする高級イチゴを、ね」
「マスター、黙って」
「愛だよねぇ、愛」
「黙ってって言ってるでしょ!? マスターのくせに何なのよ!」
裏情報を教えてくれたマスターが俺にウインクしてきた。男からのウインクなんて鳥肌モノだけど、これは違う。嬉しすぎてニヤニヤしちまう。マスターに笑って返したら、咲希は顔を真っ赤にしてブツブツ言いながら冷蔵庫からイチゴを取り出した。
「うーん、イイ色だ。咲希の愛はイチゴ色だったんだな」
「マスター、しばきますよ」
「裏切り者には鉄槌を」
「すみませんでした」
「裏切り者には鉄槌を」
「もう、何回も謝ってるのにぃ!」
泣きべそを垂れてるけども、昨日襲われたときに聞いた話じゃ、どう考えても……
「そら咲希が悪い。冗談でも言って良い事と悪い事があるって教えたじゃん。お世話になってる人にあれはないって」
「おっ、勇樹君分かってるねぇ」
「あんたは私の味方でしょ!? 裏切りよ、裏切り!」
「そりゃ味方っすよ。でも間違ったことは正してやらねぇとな。裏切りとかじゃなくてそこに愛があるから言ってるんだぜ。だからさ、ちゃんと反省して、次からは気をつけような」
犬みてーにしゅんと落ち込んだ咲希が小さく頷く。ちゃんと反省したようで何よりと笑顔を浮かべれば、マスターがなぜか咲希の肩に手をおいて揺らし始めた。
「咲希、咲希! お前ってやつは反省することを覚えたのか! すごい、すごいぞ!」
「ちょっと、邪魔……」
「俺は嬉しい! 何を言っても反省のはの字も覚えなかったあの咲希が反省することを覚えるなんて! 俺は……俺はっ、くっ!」
感動したと言わんばかりに目頭を押さえたマスター。咲希の目は死んでた。でも俺はマスターに同情した。ここにも咲希に振り回される同志がいた。
「咲希、勇樹君は手放すんじゃないぞ! 咲希の手綱を握れるのは世界中どこを探しても勇樹君しか居ない! 咲希には勇樹君だけなんだ!」
「わ、わかったから落ち着いて! ここお店だから!」
「……はっ」
マスターが店を見回す。釣られて見回すと常連と思わしき男性陣がシクシクと酒を片手に泣いていた。
「くそっ、咲希狙いの客が!」
マスターの呟きで何となく理解した。咲希は独り身だと偽情報を流し、咲希を落とそうと客が毎日この店に通う。常連さんの出来上がり。結果、売上アプアプ。マスターウハウハ。
「いつかバレる嘘で純粋な男心を欺いたマスターの責任っすね。売上落ちるんじゃないっすか? まっ、咲希を使った報い、当然の結果ってやつですよ」
「ちょっと生意気じゃないか、勇樹君」
「生意気な咲希に教え込まれましたから」
「ちょっと変な言いがかりはやめてよ!」
「咲希、お前ってやつは!」
「違うわよ! 私じゃないわよ!」
落ち着いた大人の雰囲気の店とは思えないくらい二人がギャアギャアと騒ぎ出し、その騒ぎに便乗して常連さん達もやけ酒だと飲み出した。
もちろん俺にも絡んでくる。咲希を奪った何だと言ってたけど、でも、嫌みな人は一人もいない。
いつか咲希が「雰囲気だけでバカ騒ぎするような店」と言ってたことを思い出して、なるほどと思った。
いい人が集まる店なんだと。
それは見た目があれでもマスターの人柄がそうさせるのかもしれない。
「仕方ない。詫びとして俺の宝物達を振る舞うか。咲希、あれを箱ごと持ってこい」
「箱ごと!? ヴィンテージ物だよ!?」
「いいんだよ。こういう時は、パーッと客に振る舞う。後先考えずに今を面白く、それも店にとっちゃ大事なことなんだよ」
ヴィンテージ物の値段を思い出して背筋が寒くなる。でもマスターは知ったこっちゃねえって面でタバコに火をつけた。漢の中の漢っぷりに拍手を送りたいけど、何かいろいろと惜しい人だ。咲希がここに居る理由が分かる気がする。
「タバコ、逆っすよ」
「ギャグだよ、ギャグ」
「大盤振る舞いしなきゃいいのに」
「勇樹君、覚えておくんだな。男にはやらなきゃいけねぇときもあるってんだぜ」
「とか言って、主に咲希狙いの常連客のご機嫌取りなんすよね。あと新規の客を楽しませて取り込もうって腹っすか。それにしても、客を掴む投資としちゃヴィンテージ物はデカすぎじゃないっすか」
「……ふーむ、勇樹君は賢い。でもな、大事なことが抜けている」
「なんすか」
「店長である俺が、面白いと感じるか、感じないか、だ」
「マスターの気分っすか」
「俺の信条は、人生は面白く。金は大事だ。あればあるだけいい。生きるために必要な物だ。だが、面白さの欠ける人生はまっぴらごめんだ。だから面白いモノを俺の金で買うんだよ。今日みてぇにな」
マスターの漢っぷりに拍手を送る。十五のガキ相手だっつーのにちゃんと向き合って、大人扱いしてくれてるみたいで、嬉しいというかむず痒い。
「かっこいいこと言ってるけど明日になれば泣いてるから。ほら、もうこんなにウイスキー飲んでる」
咲希がボトルを持ち上げた。半分以上減ったボトルをマスターが取り上げて、ボトルごと飲み干した。「やってられるか!」と盛大に嘆きながら。
「マスターも失恋したんだよ。復帰した初日から連日飲みまくってて大変なの」
「……失恋?」
「相手は誰だろう、ね?」
咲希が俺にウインクした。イヤンそれも激かわ!と言いたいけども、この流れはまさにそれだから何とも言えず。まさかマスターも咲希狙いだったとは……。ロリコンにもほどがあるぜ。
「酔っ払いに絡まれると面倒だから大人しく飲んでなさい」
「うっす」
そう言って出されたイチゴミルクを飲む。いつもよりイチゴのうまみを数億倍感じるのは、咲希がわざわざ俺のために用意してくれたイチゴだから。
そういうことをやってくれるから俺も何かで返したいと思える。そーいうことなんすよ、うまくいくコツってのは。
それともう一つ、大切なこと。
大小に関わらず、何事に対しても、感謝を忘れないこと。
「ありがとう。すっげぇうまい」
「当然よね。この私が選んだイチゴだもの」
「でも高かったんだろ。わざわざありがとうな」
「まぁ、そこそこの値段ね。でもいいのよ。勇樹が美味しいって言ってくれるのなら私にとってはプラスよ、プラス」
「でも、そのまんまのイチゴの食ってみたかったかも」
「まだあるわよ。ほら、あーん」
カウンター越しに身を乗り出しながらイチゴを差し出してきた。いつも通りあーんとしそうだったけど、それぞれから感じる死の視線に耐えかねて俺は手のひらを差し出した。
「照れてるの?」
「ううん、殺されそうだから自重してる」
「あら、大丈夫よ。勇樹は私が守ってあげる。だからね、あーん、して?」
「あーん!」
「良くできました」
放り込まれたイチゴはさすが高級ってだけあって甘くて美味くて。ニコニコ笑顔でモグモグしてる俺を咲希がニコニコ笑顔で見ていて、周りからの舌打ちやヤジすらも気にしないほど幸せ過ぎて困ったと思ってたら店の扉が開いた。
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