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2章 呪いの首輪と呪いのおパンツ
呪いの首輪の手掛かり⑤
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リビアに救済されたあと、おっさんを引き連れて店から出た。店主を警察に突き出しても良かったけど、私の存在がばれる方が面倒だということで、あのまま放置してきた。一応、おっさんが命の確認をしたけど、気絶しているだけで死んではいないと。
だからと言って人を殺す気で殴った感触が消えるわけでも、治るわけでも、正当化されるわけでもない。
店を出るときに握られたリビアの手が、微かに震えていた。顔色をうかがうとやはり良いとはいえなかった。
助けてくれてありがとうと声をかけるべきだと思う。でもその言葉はおっさんによってかき消された。
「いやはやあと少し遅ければ大惨事でしたな」
お前のマントの下が一番大惨事だと教えてやりたいけど、リビアの気持ちを察して自重した。
「さすがネコ様にお仕えするリビア殿ですな。迷いのない見事な一撃、感服しました」
一番話題にしちゃいけないことを平然と出せる辺り、やっぱりこのおっさんは空気の読めない変態だ。
「どこかで鍛えていたのですかな」
「兄貴に」
リビアの答えはそこで終わった。苦虫を噛み潰したような顔付きになってたから、今のは聞かなかったことにしよう。ジョニーのこと、家族のこと、リビアには地雷が多すぎる。記憶のない私が人のことをどうこう言えないけど。
あまり多くのことは話さず、というか話せる内容じゃないので、おっさんを連れて宿へ帰る。
ジョニーはやっぱり居なかった。きっと図書館の隅っこで本でも読んでるんだろう。あの人ああ見えて勤勉家だ。
「そんで、あんたは何を知ってるわけ」
一応客人のおっさんをソファーに座らせるなり、リビアが本題を突きつける。
「真実を知り、それを受け継いだ。父や祖父、ご先祖様から伝わる役目を守っている」
「その、あんたの役目ってなに。こいつに関わる事なんだろ。教えてくれよ」
「我が家は代々お猫様に仕える騎士だ」
「代々、ね。まるでこいつがずっと生きてるみてぇな言い草だな」
「何そのいきなりのチート設定。この低いIQで不死身でしたーってオチとか失笑もんなんだけど。何も学べないアホな脳ミソが暴露されるだけなんだけど」
「不死身で脳ミソバカとか救いようのないアホネコだよな。どんだけ歴史を学ばねぇんだよ」
私とリビアが「プークスクス」とバカにして笑うと、おっさんは目を見開いて驚いていた。
「……驚いた。ネコ様ならまだしも、何も知らずにネコ様に仕えてるのか。そんなことでよく今まで生きてこられたな。ネコ様に関わった人間は始末されるというのに」
「はいはい。そういうボケとかもう要らないから」
「真面目に話せよ。時間がもったいないだろ。俺たち、暇じゃねぇんだよ」
「いや、本当の事なのだが……」
おっさんを見る限り嘘をついてるように思えないけど、どう考えても不死身設定は無理があると思う。だからリビアと冷めた目を送ると、おっさんが肩をすくめた。
「証拠とかないわけ?」
「わたしの屋敷にある。当時の事を書いてある父の日記が」
「それが本物だっていう証拠がないだろ。しょせん日記だ、どうにでも書けるし」
「……きっと何を言っても、何を見せても信じてもらえないのだろうな」
「さすがに不死身設定を信じるのは無理だよ」
「ネコ様も信じてくださらないのですね」
困った顔で見られても私も困った。でもこれ以上話しても、信じて信じないの水掛け論。どん詰まりってやつだ。ほんとか嘘かを調べるには、私の記憶を戻すことが一番なんだけど。
それを開けたくないと、心が叫ぶ。
それから逃げたいと、心が泣いてる。
何も聞きたくないと、知りたくないと、心が苦しんでる。
何があったんだろう。
心がズタズタになるほど、一体何が……
あのとき……
アノトキ、ワタシガ
「いっ!?」
繋いであったままのリビアの手が、私の手を力一杯握りしめた。余計なことをしたリビアを睨むと、これまた意地悪そうな顔をしている。
「お前バカなんだからあんまり深く考えんなよ」
なるほど、記憶の蓋が開きそうになってたから閉じてくれたのね。それはありがたいけど、それにしても……
「一言余計」
「真面目に考えたってアホな事にしかならねぇんだからさ」
「二言余計」
「ほんっとアホだよな、何で出来てんの、その脳ミソ」
「三言余計!」
余計なことしか言わないリビアを軽く突き飛ばすと、「元気そうで何より」と何でもない顔で言ってのけた。
「……むっ、かわいくない男ね。女の子の慰め方も知らないんだから。だからリビアはモテないんだよ」
「へーへー」
「でも、ありがとう。……さっきも、助けてくれてありがとう」
リビアの返事はなかった。でもまた繋がれた手に想いを感じる。ほんっと素直じゃない男だ。
「ネコ様、記憶を取り戻すつもりが……」
「その事で話がある」
おっさんの話を遮ってリビアが話を続けた。
「あんたの話が本当だとしたら、こいつの記憶ってのは、俺たちの想像よりも酷いもんなんだろ?」
「……ああ、壮絶であろうな」
「だったら、こいつが自分の記憶と向き合えるようになるまで、待っててくれねぇか?今は……多分、受け入れられねぇと思う」
リビアの提案におっさんは眉を潜めた。次に私を見て「あなたはどう思われるか?」と聞いてきた。
私は、私の知らない心は……
「昔のこと……知りたくない」
これを【逃げ】というのだろう。でも逃げたって思われても、情けない、弱いって思われてもいい。
私は、今、今が、欲しい。
今しか、要らない。
「分かりました。ネコ様がそのように命じるのであれば、わたしはそれに従うのみです。許可をいただくまで何も喋りませんのでご安心を」
「案外簡単に引くんだな」
「向き合うべきときは必ず訪れます。そのとき今の決断を後悔されぬよう。嘆いても、全てはネコ様のお決めになったことですから」
「まるで脅しだな」
「ええ、脅しです。それでもネコ様は逃げるのでしょう?……脅しの一つも言わんとやっとられんのですよ」
おっさんは立ち上がると一枚の紙と封筒を渡してきた。住所と地図が書いた紙と、封筒にはご丁寧にやたらと豪華な封蝋印まで押されている。
「覚悟が決まりましたら、わたしの屋敷においでください。これはその時のための地図と通行証です。通行証はそれまで開けないでください」
「……これは……」
これを受け取ると、いつか必ず向き合う事になるんじゃないかと不安になる。まるで嫌な未来を予約してるみたいだ。
だったらこんなの要らないと、手紙を返す前に、おっさんが片ひざを床について頭を下げた。
「今のあなたに未来をどうこうすることもできません。ですが、そのときは、必ず、やって来ます。嫌でもすぐに来るのです。……あなた様の願いを叶えるために、……いつまでもお待ちしております。それでは、また」
おっさんはマントを翻しこの場から去っていった。めちゃくちゃええかっこしい的な感じのことを言ってたけど、片ひざを着いたとき、マントの隙間から竿が見えて、ああこのおっさん全裸だったわと思うと、何一つ頭に入ってこなかった。
「ねぇねぇ、リビアさん」
「なんだよ」
「あのおっさんも呪われてんじゃないのかな」
「ネコに?」
「ううん、マントに」
「いや、つーかさ……」
「ん?」
「マントの丈をもっと長くすれば問題解決だと思う」
「何で膝丈なんだろうね」
「見せたいからじゃね?」
「アレを?」
「アレを」
「ただの変態じゃねぇかああああ!!」
私の叫びが宿に響いた。数分後、ぶちギレた宿屋の店主が部屋までやって来て、ジョニーが帰ってくるまでずっと説教を食らってた。
「……これも、……わたしの役目ですぞ」
その裏で、骨董屋の店主が殺されたことを知らずに。
私が生きることは、誰かが死ぬこと、誰かがその手を汚していると知らずに。
何も、知らずに。
何も、知らないから。
私はずっと、今が、幸せだった。
だからと言って人を殺す気で殴った感触が消えるわけでも、治るわけでも、正当化されるわけでもない。
店を出るときに握られたリビアの手が、微かに震えていた。顔色をうかがうとやはり良いとはいえなかった。
助けてくれてありがとうと声をかけるべきだと思う。でもその言葉はおっさんによってかき消された。
「いやはやあと少し遅ければ大惨事でしたな」
お前のマントの下が一番大惨事だと教えてやりたいけど、リビアの気持ちを察して自重した。
「さすがネコ様にお仕えするリビア殿ですな。迷いのない見事な一撃、感服しました」
一番話題にしちゃいけないことを平然と出せる辺り、やっぱりこのおっさんは空気の読めない変態だ。
「どこかで鍛えていたのですかな」
「兄貴に」
リビアの答えはそこで終わった。苦虫を噛み潰したような顔付きになってたから、今のは聞かなかったことにしよう。ジョニーのこと、家族のこと、リビアには地雷が多すぎる。記憶のない私が人のことをどうこう言えないけど。
あまり多くのことは話さず、というか話せる内容じゃないので、おっさんを連れて宿へ帰る。
ジョニーはやっぱり居なかった。きっと図書館の隅っこで本でも読んでるんだろう。あの人ああ見えて勤勉家だ。
「そんで、あんたは何を知ってるわけ」
一応客人のおっさんをソファーに座らせるなり、リビアが本題を突きつける。
「真実を知り、それを受け継いだ。父や祖父、ご先祖様から伝わる役目を守っている」
「その、あんたの役目ってなに。こいつに関わる事なんだろ。教えてくれよ」
「我が家は代々お猫様に仕える騎士だ」
「代々、ね。まるでこいつがずっと生きてるみてぇな言い草だな」
「何そのいきなりのチート設定。この低いIQで不死身でしたーってオチとか失笑もんなんだけど。何も学べないアホな脳ミソが暴露されるだけなんだけど」
「不死身で脳ミソバカとか救いようのないアホネコだよな。どんだけ歴史を学ばねぇんだよ」
私とリビアが「プークスクス」とバカにして笑うと、おっさんは目を見開いて驚いていた。
「……驚いた。ネコ様ならまだしも、何も知らずにネコ様に仕えてるのか。そんなことでよく今まで生きてこられたな。ネコ様に関わった人間は始末されるというのに」
「はいはい。そういうボケとかもう要らないから」
「真面目に話せよ。時間がもったいないだろ。俺たち、暇じゃねぇんだよ」
「いや、本当の事なのだが……」
おっさんを見る限り嘘をついてるように思えないけど、どう考えても不死身設定は無理があると思う。だからリビアと冷めた目を送ると、おっさんが肩をすくめた。
「証拠とかないわけ?」
「わたしの屋敷にある。当時の事を書いてある父の日記が」
「それが本物だっていう証拠がないだろ。しょせん日記だ、どうにでも書けるし」
「……きっと何を言っても、何を見せても信じてもらえないのだろうな」
「さすがに不死身設定を信じるのは無理だよ」
「ネコ様も信じてくださらないのですね」
困った顔で見られても私も困った。でもこれ以上話しても、信じて信じないの水掛け論。どん詰まりってやつだ。ほんとか嘘かを調べるには、私の記憶を戻すことが一番なんだけど。
それを開けたくないと、心が叫ぶ。
それから逃げたいと、心が泣いてる。
何も聞きたくないと、知りたくないと、心が苦しんでる。
何があったんだろう。
心がズタズタになるほど、一体何が……
あのとき……
アノトキ、ワタシガ
「いっ!?」
繋いであったままのリビアの手が、私の手を力一杯握りしめた。余計なことをしたリビアを睨むと、これまた意地悪そうな顔をしている。
「お前バカなんだからあんまり深く考えんなよ」
なるほど、記憶の蓋が開きそうになってたから閉じてくれたのね。それはありがたいけど、それにしても……
「一言余計」
「真面目に考えたってアホな事にしかならねぇんだからさ」
「二言余計」
「ほんっとアホだよな、何で出来てんの、その脳ミソ」
「三言余計!」
余計なことしか言わないリビアを軽く突き飛ばすと、「元気そうで何より」と何でもない顔で言ってのけた。
「……むっ、かわいくない男ね。女の子の慰め方も知らないんだから。だからリビアはモテないんだよ」
「へーへー」
「でも、ありがとう。……さっきも、助けてくれてありがとう」
リビアの返事はなかった。でもまた繋がれた手に想いを感じる。ほんっと素直じゃない男だ。
「ネコ様、記憶を取り戻すつもりが……」
「その事で話がある」
おっさんの話を遮ってリビアが話を続けた。
「あんたの話が本当だとしたら、こいつの記憶ってのは、俺たちの想像よりも酷いもんなんだろ?」
「……ああ、壮絶であろうな」
「だったら、こいつが自分の記憶と向き合えるようになるまで、待っててくれねぇか?今は……多分、受け入れられねぇと思う」
リビアの提案におっさんは眉を潜めた。次に私を見て「あなたはどう思われるか?」と聞いてきた。
私は、私の知らない心は……
「昔のこと……知りたくない」
これを【逃げ】というのだろう。でも逃げたって思われても、情けない、弱いって思われてもいい。
私は、今、今が、欲しい。
今しか、要らない。
「分かりました。ネコ様がそのように命じるのであれば、わたしはそれに従うのみです。許可をいただくまで何も喋りませんのでご安心を」
「案外簡単に引くんだな」
「向き合うべきときは必ず訪れます。そのとき今の決断を後悔されぬよう。嘆いても、全てはネコ様のお決めになったことですから」
「まるで脅しだな」
「ええ、脅しです。それでもネコ様は逃げるのでしょう?……脅しの一つも言わんとやっとられんのですよ」
おっさんは立ち上がると一枚の紙と封筒を渡してきた。住所と地図が書いた紙と、封筒にはご丁寧にやたらと豪華な封蝋印まで押されている。
「覚悟が決まりましたら、わたしの屋敷においでください。これはその時のための地図と通行証です。通行証はそれまで開けないでください」
「……これは……」
これを受け取ると、いつか必ず向き合う事になるんじゃないかと不安になる。まるで嫌な未来を予約してるみたいだ。
だったらこんなの要らないと、手紙を返す前に、おっさんが片ひざを床について頭を下げた。
「今のあなたに未来をどうこうすることもできません。ですが、そのときは、必ず、やって来ます。嫌でもすぐに来るのです。……あなた様の願いを叶えるために、……いつまでもお待ちしております。それでは、また」
おっさんはマントを翻しこの場から去っていった。めちゃくちゃええかっこしい的な感じのことを言ってたけど、片ひざを着いたとき、マントの隙間から竿が見えて、ああこのおっさん全裸だったわと思うと、何一つ頭に入ってこなかった。
「ねぇねぇ、リビアさん」
「なんだよ」
「あのおっさんも呪われてんじゃないのかな」
「ネコに?」
「ううん、マントに」
「いや、つーかさ……」
「ん?」
「マントの丈をもっと長くすれば問題解決だと思う」
「何で膝丈なんだろうね」
「見せたいからじゃね?」
「アレを?」
「アレを」
「ただの変態じゃねぇかああああ!!」
私の叫びが宿に響いた。数分後、ぶちギレた宿屋の店主が部屋までやって来て、ジョニーが帰ってくるまでずっと説教を食らってた。
「……これも、……わたしの役目ですぞ」
その裏で、骨董屋の店主が殺されたことを知らずに。
私が生きることは、誰かが死ぬこと、誰かがその手を汚していると知らずに。
何も、知らずに。
何も、知らないから。
私はずっと、今が、幸せだった。
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