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2章 呪いの首輪と呪いのおパンツ
恋を楽しむ前にやるべきこと①
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「ってことで、ジョニーも帰ってきたことだし、緊急会議を開きたいと思いまーす」
ソファーにジョニーと私、リビアはベッドに腰掛けて、これからの予定を話し合うことにした。
「【呪いの首輪】は本物で間違いない。あとは外す方法なんだけどさ、行ってみたい店があるんだよ。昔、貴族がそれを買ったとされる店なんだけどさ」
「ウエストウッジの?」
「そう。当時の店主は亡くなってるけど、その息子が後を継いでる。何か手掛かりがあるかもしれねぇし。それに……」
「『呪われた首輪』の本もあるかもしれないね」
「あーっ、どさくさに紛れて盗めばよかった!」
「それはダメだよ。盗んだりしたら窃盗容疑でリビアが捕まるし、そのどさくさに紛れてハルが盗まれちゃう可能性だってあるんだから」
「そんときゃ、お前が守ってやればいいだろ。そもそもお前が拾ってきたネコなんだし」
「……そう、だね」
「はい、ってことで次の目的地はウエストウッジの骨董屋な。これにて話し合いは終わり、解散っと」
「ぼくは部屋に戻るね。読んでた本の続きが気になるし」
「おう、また明日な」
「また明日」
何か勝手に締められたし、話し合いに重要人物である私が参加してないし、勝手に予定を決められたけど、これもリビアの優しさだと分かる。
さっきの骨董屋の店主も私のことを「ゾンビみたいなものだ」と言った。おっさんも私のことを「不老不死」だと。【呪いの首輪】の真実を掘り下げるには、私の記憶が重要だと思う。
だけど私が逃げることを選んだから、そこに触れないようにしてくれてる。ほんとは誰よりもすぐにこの首輪を外したいと思っているのに。
「遠回りの道を選ばせてくれてありがとう」
「べっつにぃ、それを外すだけなら知らなくてもいいこともあんだろって思っただけだし」
「火サス的殺人未遂を犯してまで助けてくれてありがとう」
「べっつにぃ、俺の首輪を取られたくなかっただけだし」
「エッチなビデオを壊しちゃったの。いっぱいお礼を言ったから許してね」
「ほんっとお前はクソネコだな!どっか行けよ!しっし!」
素直に謝ったのに手で追い払われてしまった。やっぱりリビアは酷い男だ。
仕方ないから宿の一階にある酒屋でご飯を食べることにした。ジョニーを誘ったけど、
「出番の少ない空気のような地味な男と一緒に居たって楽しくないだろ。こんな扱い理不尽だよ。空気嫁と変わらないよ。ぼくは、ぼくは!どうせ親友にネコを寝取られた悲しい男なんだ!」
と、話があさっての方にイッてしまわれたので、一人でご飯を食べることにした。
「唐揚げ定食ください」
ジョニーの地味さ加減に拍車がかかったと私も思う。もっと存在感があったと思うんだけど、本人が意識的にキャラ修正的なやつを意識しているんだろうか?もう十分にキャラが確立されていると思うけど。
「あいよ、唐揚げ定食ね」
「いただきます」
でも何で寝取られの話になったんだろう。親友に寝取られ快楽オチも良きと思うが、一部のマニアックなやつが興奮するだけで、ただ悲しいだけなのに。
そもそも寝取られの前に、リビアと一緒のベッドで寝てるけど、特にこれといったエロい事件はない。最初こそは下ネタ事件があったけど、アレ以降は男女平等の安心安全な睡眠時間だ。
「……あれ?……安心安全?」
一つのベッドで年頃の男女が寝ている時点で安心安全ではないってことようやく気づいた。その問題をぶら下げてジョニーの部屋を訪問。なぜか扉を開けてくれないので、扉越しで相談した。
「ピチピチの天真爛漫の純情っ子で世界中の老若男女を虜にしてしまう罪深きネコっ子と若い男が一緒の部屋だなんて、間違いがおきても文句を言えないと思うの。そうなる前にもう一部屋借りてほしいんだけど」
「そうなりそうな時は、ぼくが渡してある金づちで頭蓋骨を割りなさいって教えたでしょ。もう忘れたの?」
「忘れてないし、服の中に隠してあるけど……」
「それに襲ったりしないよ」
「何で?」
「意外と小心者だから」
「でもエッチなこと散々してるんだよ?」
「それは呪いのせいで仕方なく、だろ?」
「そうだけどさ、わかんないよね?突然発情期が来るかもしれないよ。一応半分ネコだし」
「……待って、ごめん。今まで誰の話をしていたの?」
「私だよ。私が襲いそうで怖いの」
「もう面倒だから二人で話し合いなよ。きみがいると邪魔で本が読めない」
「ちょっとジョニーくん!?いい加減ここを開けてよ!一緒に朝まで遊ぼう!」
「今夜はリビアのところへお行き。きみと違ってしっかりしてるから襲わないよ。じゃ、おやすみ」
「ジョニーくん!?ねえ!開けて!」
「……」
「ジョニーのへんじがない。ほんもののしかばねのようだ」
「……」
冗談を言っても開けてくれないってことは本気で開ける気がないってことだ。何一つ解決されないまま追い返されてしまった。
ソファーにジョニーと私、リビアはベッドに腰掛けて、これからの予定を話し合うことにした。
「【呪いの首輪】は本物で間違いない。あとは外す方法なんだけどさ、行ってみたい店があるんだよ。昔、貴族がそれを買ったとされる店なんだけどさ」
「ウエストウッジの?」
「そう。当時の店主は亡くなってるけど、その息子が後を継いでる。何か手掛かりがあるかもしれねぇし。それに……」
「『呪われた首輪』の本もあるかもしれないね」
「あーっ、どさくさに紛れて盗めばよかった!」
「それはダメだよ。盗んだりしたら窃盗容疑でリビアが捕まるし、そのどさくさに紛れてハルが盗まれちゃう可能性だってあるんだから」
「そんときゃ、お前が守ってやればいいだろ。そもそもお前が拾ってきたネコなんだし」
「……そう、だね」
「はい、ってことで次の目的地はウエストウッジの骨董屋な。これにて話し合いは終わり、解散っと」
「ぼくは部屋に戻るね。読んでた本の続きが気になるし」
「おう、また明日な」
「また明日」
何か勝手に締められたし、話し合いに重要人物である私が参加してないし、勝手に予定を決められたけど、これもリビアの優しさだと分かる。
さっきの骨董屋の店主も私のことを「ゾンビみたいなものだ」と言った。おっさんも私のことを「不老不死」だと。【呪いの首輪】の真実を掘り下げるには、私の記憶が重要だと思う。
だけど私が逃げることを選んだから、そこに触れないようにしてくれてる。ほんとは誰よりもすぐにこの首輪を外したいと思っているのに。
「遠回りの道を選ばせてくれてありがとう」
「べっつにぃ、それを外すだけなら知らなくてもいいこともあんだろって思っただけだし」
「火サス的殺人未遂を犯してまで助けてくれてありがとう」
「べっつにぃ、俺の首輪を取られたくなかっただけだし」
「エッチなビデオを壊しちゃったの。いっぱいお礼を言ったから許してね」
「ほんっとお前はクソネコだな!どっか行けよ!しっし!」
素直に謝ったのに手で追い払われてしまった。やっぱりリビアは酷い男だ。
仕方ないから宿の一階にある酒屋でご飯を食べることにした。ジョニーを誘ったけど、
「出番の少ない空気のような地味な男と一緒に居たって楽しくないだろ。こんな扱い理不尽だよ。空気嫁と変わらないよ。ぼくは、ぼくは!どうせ親友にネコを寝取られた悲しい男なんだ!」
と、話があさっての方にイッてしまわれたので、一人でご飯を食べることにした。
「唐揚げ定食ください」
ジョニーの地味さ加減に拍車がかかったと私も思う。もっと存在感があったと思うんだけど、本人が意識的にキャラ修正的なやつを意識しているんだろうか?もう十分にキャラが確立されていると思うけど。
「あいよ、唐揚げ定食ね」
「いただきます」
でも何で寝取られの話になったんだろう。親友に寝取られ快楽オチも良きと思うが、一部のマニアックなやつが興奮するだけで、ただ悲しいだけなのに。
そもそも寝取られの前に、リビアと一緒のベッドで寝てるけど、特にこれといったエロい事件はない。最初こそは下ネタ事件があったけど、アレ以降は男女平等の安心安全な睡眠時間だ。
「……あれ?……安心安全?」
一つのベッドで年頃の男女が寝ている時点で安心安全ではないってことようやく気づいた。その問題をぶら下げてジョニーの部屋を訪問。なぜか扉を開けてくれないので、扉越しで相談した。
「ピチピチの天真爛漫の純情っ子で世界中の老若男女を虜にしてしまう罪深きネコっ子と若い男が一緒の部屋だなんて、間違いがおきても文句を言えないと思うの。そうなる前にもう一部屋借りてほしいんだけど」
「そうなりそうな時は、ぼくが渡してある金づちで頭蓋骨を割りなさいって教えたでしょ。もう忘れたの?」
「忘れてないし、服の中に隠してあるけど……」
「それに襲ったりしないよ」
「何で?」
「意外と小心者だから」
「でもエッチなこと散々してるんだよ?」
「それは呪いのせいで仕方なく、だろ?」
「そうだけどさ、わかんないよね?突然発情期が来るかもしれないよ。一応半分ネコだし」
「……待って、ごめん。今まで誰の話をしていたの?」
「私だよ。私が襲いそうで怖いの」
「もう面倒だから二人で話し合いなよ。きみがいると邪魔で本が読めない」
「ちょっとジョニーくん!?いい加減ここを開けてよ!一緒に朝まで遊ぼう!」
「今夜はリビアのところへお行き。きみと違ってしっかりしてるから襲わないよ。じゃ、おやすみ」
「ジョニーくん!?ねえ!開けて!」
「……」
「ジョニーのへんじがない。ほんもののしかばねのようだ」
「……」
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