目が覚めたら【呪いの首輪】と【呪いのおパンツ】をつけられていたけど、これをやった犯人は誰ですか?

くったん

文字の大きさ
40 / 55
2章 呪いの首輪と呪いのおパンツ

恋を楽しむ前にやるべきこと①

しおりを挟む
「ってことで、ジョニーも帰ってきたことだし、緊急会議を開きたいと思いまーす」

ソファーにジョニーと私、リビアはベッドに腰掛けて、これからの予定を話し合うことにした。

「【呪いの首輪】は本物で間違いない。あとは外す方法なんだけどさ、行ってみたい店があるんだよ。昔、貴族がそれを買ったとされる店なんだけどさ」
「ウエストウッジの?」
「そう。当時の店主は亡くなってるけど、その息子が後を継いでる。何か手掛かりがあるかもしれねぇし。それに……」
「『呪われた首輪』の本もあるかもしれないね」
「あーっ、どさくさに紛れて盗めばよかった!」
「それはダメだよ。盗んだりしたら窃盗容疑でリビアが捕まるし、そのどさくさに紛れてハルが盗まれちゃう可能性だってあるんだから」
「そんときゃ、お前が守ってやればいいだろ。そもそもお前が拾ってきたネコなんだし」
「……そう、だね」
「はい、ってことで次の目的地はウエストウッジの骨董屋な。これにて話し合いは終わり、解散っと」
「ぼくは部屋に戻るね。読んでた本の続きが気になるし」
「おう、また明日な」
「また明日」

何か勝手に締められたし、話し合いに重要人物である私が参加してないし、勝手に予定を決められたけど、これもリビアの優しさだと分かる。

さっきの骨董屋の店主も私のことを「ゾンビみたいなものだ」と言った。おっさんも私のことを「不老不死」だと。【呪いの首輪】の真実を掘り下げるには、私の記憶が重要だと思う。

だけど私が逃げることを選んだから、そこに触れないようにしてくれてる。ほんとは誰よりもすぐにこの首輪を外したいと思っているのに。

「遠回りの道を選ばせてくれてありがとう」
「べっつにぃ、それを外すだけなら知らなくてもいいこともあんだろって思っただけだし」
「火サス的殺人未遂を犯してまで助けてくれてありがとう」
「べっつにぃ、俺の首輪を取られたくなかっただけだし」
「エッチなビデオを壊しちゃったの。いっぱいお礼を言ったから許してね」
「ほんっとお前はクソネコだな!どっか行けよ!しっし!」

素直に謝ったのに手で追い払われてしまった。やっぱりリビアは酷い男だ。

仕方ないから宿の一階にある酒屋でご飯を食べることにした。ジョニーを誘ったけど、

「出番の少ない空気のような地味な男と一緒に居たって楽しくないだろ。こんな扱い理不尽だよ。空気嫁と変わらないよ。ぼくは、ぼくは!どうせ親友にネコを寝取られた悲しい男なんだ!」

と、話があさっての方にイッてしまわれたので、一人でご飯を食べることにした。

「唐揚げ定食ください」

ジョニーの地味さ加減に拍車がかかったと私も思う。もっと存在感があったと思うんだけど、本人が意識的にキャラ修正的なやつを意識しているんだろうか?もう十分にキャラが確立されていると思うけど。

「あいよ、唐揚げ定食ね」
「いただきます」

でも何で寝取られの話になったんだろう。親友に寝取られ快楽オチも良きと思うが、一部のマニアックなやつが興奮するだけで、ただ悲しいだけなのに。

そもそも寝取られの前に、リビアと一緒のベッドで寝てるけど、特にこれといったエロい事件はない。最初こそは下ネタ事件があったけど、アレ以降は男女平等の安心安全な睡眠時間だ。

「……あれ?……安心安全?」

一つのベッドで年頃の男女が寝ている時点で安心安全ではないってことようやく気づいた。その問題をぶら下げてジョニーの部屋を訪問。なぜか扉を開けてくれないので、扉越しで相談した。

「ピチピチの天真爛漫の純情っ子で世界中の老若男女を虜にしてしまう罪深きネコっ子と若い男が一緒の部屋だなんて、間違いがおきても文句を言えないと思うの。そうなる前にもう一部屋借りてほしいんだけど」
「そうなりそうな時は、ぼくが渡してある金づちで頭蓋骨を割りなさいって教えたでしょ。もう忘れたの?」
「忘れてないし、服の中に隠してあるけど……」
「それに襲ったりしないよ」
「何で?」
「意外と小心者だから」
「でもエッチなこと散々してるんだよ?」
「それは呪いのせいで仕方なく、だろ?」
「そうだけどさ、わかんないよね?突然発情期が来るかもしれないよ。一応半分ネコだし」
「……待って、ごめん。今まで誰の話をしていたの?」
「私だよ。私が襲いそうで怖いの」
「もう面倒だから二人で話し合いなよ。きみがいると邪魔で本が読めない」
「ちょっとジョニーくん!?いい加減ここを開けてよ!一緒に朝まで遊ぼう!」
「今夜はリビアのところへお行き。きみと違ってしっかりしてるから襲わないよ。じゃ、おやすみ」
「ジョニーくん!?ねえ!開けて!」
「……」
「ジョニーのへんじがない。ほんもののしかばねのようだ」
「……」

冗談を言っても開けてくれないってことは本気で開ける気がないってことだ。何一つ解決されないまま追い返されてしまった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです

沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!

処理中です...