前世から大嫌い

うり

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ふたりで過ごす休日

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「ど、どうしよう」

 金曜日の夜、全身鏡の前であたふたとしていた。
 デートってどんな格好していけばいいんだろう。着飾りすぎたら、気合い入れすぎって思われるかもしれない。かといって、モノトーンにすると味気ない気もする。

 相手が一ノ瀬とはいえ、一応ふたりでデートなんだから、ちょっとはお洒落していくべきなのかな。髪型とかもどうしよう。……ああもう、なんで一ノ瀬とのデートでこんなに悩まないといけないんだ。

 ピロンッと軽快な音が鳴り、スマホを見ると一ノ瀬からのメッセージが届いていた。明日の待ち合わせ場所と時間が書いてあるけれど、どこに行くのかはわからない。

『待ち合わせの件、了解。明日どこ行くの?』

 そう返すと魚マークの絵文字が返ってきた。意味がわからない。魚料理を食べに行くのだろうか。魚料理も好きだけど、デートっぽくないような気がする。そんなことを思いながら、服選びを再開した。
 デート前ってこんなに悩むものだったっけ。なるべく一ノ瀬に悟られたくないけれど、こんな感じが久しぶりすぎて、普段通りの自分が思い出せない。


***


 翌日の十三時、待ち合わせ場所である駅ビルの前で一ノ瀬が来るのを待っていた。
 いつも通りでいたいのに休日に会うのは初めてだから、そわそわしてしまう。深緑色で落ち着いた雰囲気のワンピースにしたけれど、気合入っているとか思われてしまうだろうか。少しして私服姿の一ノ瀬が到着した。

「よっ」
「……おまたせ」

 白のVネックの服に藍色のジャケットを羽織っていて、袖が捲られたジャケットの裏地がストライプ柄になっている。会社のときよりも、爽やかな雰囲気だ。

「じゃ、車向こうに停めてあるから行くぞ」
「ちょっ」

 不意に手を掴まれて、少し強引に引っ張られる。

「デートなんだからいいだろ」

 悪戯っぽく笑う一ノ瀬に、「馬鹿じゃないの?」といつもなら返すはずなのに、今日は何故か言葉が喉元に引っかかって出てこない。私服で会っているから緊張してしまっているのかもしれない。

「その格好、可愛いな」
「は!?」

 あまりにもサラっと言われたので、思わず素っ頓狂な声が出てしまった。動揺しているって丸わかりで恥ずかしい。ああもう、やり直したい。

「ワンピース似合ってる」
「あ、ありがと」

 悩んだ甲斐があった。だけど普段とは違って褒めてくる一ノ瀬に調子が狂ってしまう。それにやたらに笑顔が甘い気がして、直視しづらい。


***

 薄暗い館内の大きなガラスの向こう側には、優雅に魚達が泳いでいるのが見える。一ノ瀬に連れられて来たのは、水族館だった。
 昨日の夜に魚の絵文字が送られてきたのはこういう理由だったようだ。水族館に来るのは小学生の頃に家族と来て以来なので懐かしい。前世には水族館なんてなかったので、泳いでいる魚たちをこんなに間近で見るのは初めてだった。大きな水槽の中で泳いでいるのを鑑賞するということに感動したのを今でも覚えている。


「俺さー、こういうとこ昔っから好きなんだよ」
「そう、なんだ」

 アルフォンスの生まれた国は青く澄んでい流大きな湖があり、自然が豊かだった。いつだったかクレールがアルフォンスは悩み事があると湖に行って魚を眺めているって言ってた。……またアルフォンスと重ねて考えてしまい、私は必死に思考を切り替える。


「なんか落ち着くんだよな、こういうとこ来ると」

 やっぱり少しは前世の影響を受けているのだろうか。だから、一ノ瀬は私に構うのかもしれない。アルフォンスもソフィアによく構っていたので、私といると懐かしい感覚がするという可能性もある。


「一ノ瀬はさ……記憶力っていい方?」

 前世って信じる?とは、さすがに聞けなかった。いきなりそんなことを聞いて、一ノ瀬に全く心当たりがなければただのおかしい発言を急にした女だと思われてしまう。

「記憶力?」
「昔のこととか……その、どのくらい覚えてるのかなーって」
「んー、どうだろうな。そんないい方じゃねぇかもな。星野は?」
「え、私?」

 まさか私に返されるとは思っていなかったので、一瞬言葉に詰まってしまう。

「……私は、いい方かな」

 少し心を落ち着かせて答えると、振り返った一ノ瀬が目を細めて私のことを見つめてくる。そのわけのわからない沈黙がむず痒く感じたので、逃れるように視線を落とした。

「忘れられない男でもいんの?」
「は!?」

 思いもよらない質問にここが水族館だと忘れて大きな声を出してしまった。慌てて口元を手のひらで覆い、周囲を確認すると、私のことを訝しげに見ていた人たちはすぐに自分たちの日常に戻っていく。

「なに慌ててんだよ、怪しい」

 ……ある意味忘れられない男ってのは一ノ瀬(の前世)だけど、そんなこと言えるはずもない。それに恋愛としてではなく、ある意味苦い記憶だ。

「今日は他の男の子と考えんなよ」
「……一ノ瀬、人混みに酔ったの?」
「お前はロマンチックの欠片もない女だな」
「そんな女をデートに誘ったのは一ノ瀬でしょ」

 一ノ瀬が揶揄っているのか本気なのかわからなくて、反応に困る。

「星野は普段可愛げがないからいいんだろうけど」
「私もしかして馬鹿にされてる?」

 褒められてるんだか貶されてるんだか、よくわからずため息を吐く。大きな水槽が並んでいるエリアを抜けて、種類ごとに小さな水槽に分けられているクラゲのエリアに到着した。

「してねぇよ。だから、ふとした時……すげー可愛く見えるってこと」

 クラゲを照らしているライトが、青から紫へと変わっていく。視線を上げると一ノ瀬の横顔も同じように変化していき、ぼんやりと眺めていると視線が交わった。普段よりも今日はよく目が合う気がする。

「顔赤くね?」
「赤くないし、それライトだし」
「いや、ライトそんな色してねぇし」

 ちょっとだけ恥ずかしくなっただけだ。別に照れてなんていない。それに一ノ瀬のことを見ていたのは、なんとなく目が動いただけ。特別な理由なんてなにもない。

「はぐれるから、手こっちな」

 大きくて温かな手に握られて、驚いて手を引こうとすると強く掴まれて逃げられなかった。

「なんで一ノ瀬と……」
「今日くらいいいだろ」
「でもっ」
「そんなに嫌?」

 不快なわけじゃない。けれど、こんなのまるで恋人みたいだ。

「……水族館の中、だけね」
「じゃあ、今日は一日水族館だな」
「なんでそうなる」

 一ノ瀬とこんな風に手を繋いで歩くと、この間のビッグサイトでの件を思い出す。あのときよりも、今の方が緊張している気がする。手を繋ぐのが嫌だと言えば一ノ瀬は離してくれると思う。それなのに私はそれができなくて、水槽の中のクラゲよりも繋がれた手に意識がいってしまった。

 クラゲエリアを抜けて、開けた場所に出る。中心にはペンギンエリアがあり、上が開けた三メートルくらいの高さの水槽がある。半分くらいは陸地のようになっているようで飼育員さんに連れられてきたペンギン達が水槽の中に水しぶきを上げて潜っていく。

「星野! ペンギン!」
「え、うん。ペンギンだね」
「あ、こっち見てる。すっげー可愛いな!」

 この子どものように頬を赤く染めてはしゃいでいる男は、本当に一ノ瀬なのか疑いたくなってしまう。ペンギンエリアに着いてから、一ノ瀬のテンションが急上昇している気がする。

「こっち来た! もっと前行こう!」

 一ノ瀬は私の手を引っ張りながら、ペンギンが泳いでいる水槽に近づいていく。

「うっわ、可愛い!」

 目を輝かせている一ノ瀬をまじまじと見つめる。……ちょっと可愛い。こんな無邪気なところがあるなんて。もしかして、ペンギンに会いたくて今日はここに来たのだろうか。

「星野、上から見よう!」

 一ノ瀬は声を弾ませて、私の手を引きながら階段を上っていく。二階からはペンギンが飼育員さんに魚を貰って食べているのが見えるみたいで、小さな子ども達が夢中になって眺めている。

「あそこにいるペンギン、こっち見てる」
「あ、本当だ。可愛いね」

 こういうのがギャップっていうのだろうか。普段は仕事ができて余裕たっぷりな感じの一ノ瀬が、ペンギンを前にすると子どもみたいにはしゃぐなんて、会社の人たちは想像もつかないと思う。
 会社だけの付き合いだったら私も一ノ瀬のこんな一面を知らないままだった。

 ペンギンをじっくりと眺めた後は、まだ行っていないエリアを回った。一ノ瀬の一番のお気に入りはペンギンのようだったけれど、様々な品種の金魚にも興味津々といった様子で食いついていた。
 私はたくさんの種類の金魚を見るのは初めてで、お祭りで見る金魚とは全く違う姿の大きな金魚もいて驚いた。特にランチュウという頭がぽっこりと盛り上がった金魚が可愛くて、一ノ瀬と二人で釘付になっていた。
 一ノ瀬もすごく楽しそうだけど、なんだかんだいって私も相当楽しんでいる。水族館ってこんなに楽しめるところだったなんて。
 私たちは時間をかけて水族館を堪能した。一ノ瀬は見るからに上機嫌で、かなり満足したようだった。



***

「ん~! 美味しい!」

 次は私の希望を叶えるということで、水族館のすぐそばにあるアイス屋さんに入った。贅沢にトリプルを頼んで、一種類ずつ交互に食べながら幸せに浸る。

「本当うまそうに食うよな」

 チョコレートアイスのシングルを食べている一ノ瀬と目が合う。
今さらながら、ひとりだけトリプルを頼んでしまったのが恥ずかしい。ここは一ノ瀬に合わせてシングルにするべきだったかなと思いつつも、別に一ノ瀬の前で可愛らしく控えめに見られたいわけでもない。けれど食い意地を張っているように見えるのも嫌だ。どれが正解だったのかわからなくて、混乱してくる。

 ……私は一ノ瀬にどう思われたいんだろう。


「星野のアイスなんだっけ?」
「あ、えっと……りんごと、ヨーグルトとパチパチラムネ」

 りんごアイスは角切りのりんごが入っていて、甘酸っぱいソースがかかっている。ヨーグルトアイスは爽やかでさっぱりとした口溶け。そして、パチパチラムネはアイスの中に練りこまれた口の中で弾けるラムネキャンディーが癖になる。これが私のイチオシの組み合わせだ。大好きなものを食べるとついつい頬が緩んでしまう。

「星野ってりんご好きだよな」
「え、なんで知ってるの?」

 やっぱり本人は気づいていないだけで無意識にアルフォンスの記憶の一部を持っているのだろうか。前世の頃からりんごに似た果物は存在していて、私の好物だった。

「前に星野がりんごサイダーくれたから」
「私が?」
「そ。覚えてないだろうけど」

 りんごサイダーってことは、会社の自販機に売っている飲み物だから会社であげたってことだろう。けれど一ノ瀬にりんごサイダーをあげた記憶がない。

「会議中にさ、星野が資料忘れちゃってこっそり俺が資料見せたら、そのお礼にってくれたんだよ」
「あ……」

 今の部署に配属されてすぐの頃、まだ仕事にも慣れてなくて、焦っていたら大事な資料をデスクに忘れてきてしまったのだ。それでその時に隣にいた一ノ瀬がこっそりと見せてくれた。

 どうしてもお礼がしたかったけれど、一ノ瀬がなにを好きかわからなかったので、コーヒーとりんごサイダーを持っていって、どちらがいいか聞いたんだった。そしたら一ノ瀬は飲んだことのないりんごサイダーにするって笑顔で受け取ってくれた。

「すげー嬉しかった」

 あまりにも優しく笑うので、一瞬見とれてしまった。少し伏せられた目に僅かに上がった口角。そして柔らかな声音。彼にとっての大事な出来事だったのだと伝わってきて、胸のあたりをギュッと掴まれたような気持ちになる。

「星野にとっては忘れちゃうくらいの出来事かもしれねぇけど」

 前世の記憶ならあるのに、それよりも近い過去のことを忘れていた。私は遠くを見つめてばかりで、近くを全く見ていないのかもしれない。


「俺の中にはずっと残ってる」

 なにも答えない私に覚えていないと思ったのか、今度は少し寂しそうに一ノ瀬が笑う。違う、こんな表情をさせたかったわけじゃない。私が見たいのは、ペンギンを見てはしゃいで、いつもみたいにちょっと強気に笑う一ノ瀬だ。だけど、どんな言葉を彼に伝えたらいいのかがわからない。

「まあ、そのことがあるまでは星野のことすっげー愛想の悪いツンツンした女って印象だったけどな」
「う……それは、ごめん」

 きっとあの頃は今よりも態度が悪かったはずだ。過剰に警戒しすぎて、一ノ瀬の前だと神経を尖らせていた。普通はあんな冷たい態度の人間とは関わりたくないと思うはずだ。

「そのおかげで、『これお礼。どっちがいい?』って恥ずかしそうにりんごサイダーとコーヒーを持ってきたとき、可愛く見えたけどな」
「……再現しなくていいってば。普段が感じ悪かったから、マシな態度に見えたんでしょ」

 アイスに視線を戻して、少し溶けかかったりんごアイスをスプーンに乗せる。それを口に運ぼうとすると腕を掴まれた。

「本気で可愛いって思ったよ」

 真剣な眼差しと、甘く響く低音の声に息を飲む。掴まれた腕の熱さと、縮まる距離に心臓が暴れ出して、呼吸がうまくできない。私の心臓はどうしてしまったのだろう。落ち着いてほしいのに鼓動は速まっていく。一ノ瀬の顔が近づいてきて、緊張で身体を強張らせながら呼吸を止めた瞬間だった。スプーンに乗った溶けかけのりんごアイスを一ノ瀬が自分の口に運んだ。

「な……っ!」
「ごちそうさま」

 不敵に微笑みを浮かべる一ノ瀬を呆然と見つめることしかできない。

「なんか期待した?」
「し、してないですけど?」

 動揺して口調がおかしくなってしまった。いきなり距離が縮まってきたので、身構えてしまったのは事実だ。だけど別に期待したわけでもない。これは断じて、勘違いをしたわけではなくて、不意に一ノ瀬の口元へ視線を向けてしまったので混乱しただけだ。

「星野」
「な、なに」
「顔赤くなりすぎ。……こっちまで照れんだけど」
「っ、変なことしないでよ! 赤くないし!」

 顔の熱を冷ますように溶けかけたアイスを口の中に運ぶ。熱い舌の上でりんごアイスが溶けていく。口の中が甘酸っぱい。 視線はアイスに向いているのに、鮮明に思い出してしまう。
 私……一ノ瀬にキスされるって思った?
 そう思ったのに避けようとしないで、身を委ねようとしてしまっていた? いや、そんなはずない。絶対そんなこと考えていない。

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