戀の再燃〜笑わぬ循環器内科医は幸薄ワンコを永久に手離さない

暁月蛍火

文字の大きさ
27 / 156
第1部 まるで初めての恋

6-4 ※

しおりを挟む


「つよ、い…です……っ、気持ち、良ぃ……ッあ、はぁ、あっ!」

 煮えたぎる体が、熱くて熱くて早く放出したかった。腹の真ん中がぐつぐつと炎を取り込んだ様なくらい、欲しくて堪らないと叫んでいる。
 陽菜は視界が点滅して、甘く高い声を上げて、何度目か分からない絶頂を迎えた。

 それでも顔を上げずに陽菜が内腿を痙攣させていても止めないので、達したばかりで敏感な場所は直ぐに陽菜を連続して短いスパンで手を引いてくれる。

「いった、ばっか……なのにっ、また…っ…ひ、ぃ……ア、ぁっ、あー……っあぁ…ッ」

 何度も何度も互いを受け入れて、気持ちをすり合わせては、この恋は間違っていないのだと刻む必要があった。
 逃避行とは、当本人達だけで無く過去も今もそこに存在していた全てを捨てて、去るのだから。陽菜達にはその工程を双方の熱量と感情で証明し続ける必要があった。

 そうでなければ、両手いっぱいに抱えた己の歴史と決別することは出来ない。

 陽菜は駆け落ちして一度目の朝を迎えるまで、そんな難しいことは考えないようにしていた。
 いや、そもそも契約社員の医療事務員と最前線で活躍する医師とでは、本来ならば釣り合っていない間柄であったからだ。
 世間が羨む輝かしい、人道的で命を救える術を持つ患者の希望である人間をこの手で個人的な感情で奪ってしまったのである。

 そんな、背徳的で罪悪感に苛まれることをしてまで、陽菜は最賀忠と現実から、逃げた。許されるべき行為では無いだろう。その重罪を陽菜は一生抱える覚悟は、この腕の中に最愛の男を抱き留めた時にとっくについている。

 レースのカーテンに光が差し込んで明るくなる頃には、すっかり肩で呼吸をして陽菜の上に体重をかけ雪崩れ込む最賀がいた。背中は汗で濡れて、湿った肌すら愛おしい。
 暫くすると、重たい体をむくりと起こして最賀は陽菜の手首に口付ける。儀式的な、清廉とした空気に包まれて陽菜はこの気怠さも幸せに感じた。

「────陽菜、ついてきてくれて、ありがとう」
 
もしかしたら、最賀も見えない何かに蝕まれていたのかもしれない。

「忠さんが、連れ出してくれたから…。私、今ちゃんと息、出来るんです」

 陽菜はふかふかの布団よりも、最賀の腕の中の方が何百倍も心地良いと思った。弛んだ頬が笑みを自然に綻ばせると、最賀は小さく吐息を漏らした。

 すると、最賀は陽菜の肩から腰にかけて掌を滑らせる。確認する様に、しっとりと潤んだ肌はまだ汗が引いていない。次第に鼠蹊部辺りまで到達すると、やっと陽菜にこう言うのだ。

「朝起きて早々に……何かくるものが、あって。良いか?」

「あ、指、が……っ」

 ちゅぷりと二本指が陽菜の隘路へ進んで行く。体が敏感なのか直ぐに潤いを分泌して、最賀の指に絡み付く。

「まだ中、潤ってる、凄く濡れてる……」

「忠さん?あ、えっ?!あ、ぁ…っ」

「頸、綺麗だな、かぶりつきたくなる」

 腰を高く上げられて、陽菜は枕にしがみ付いた。ずん、と腰が押し進められると陽菜は背中を反らして軽く達してしまう。
 頸をべろりと舐められて、長い髪を踏まぬ様に最賀が慎重に退かしてくれる。覆いかぶさって、律動で揺れる陽菜の胸を大きな掌が揉みしだく。
 厚い胸板がぴたりと陽菜の背中に合わさって、熱を帯びる。汗が流れる。

「ひぁ、……っ、あ、ぁん、ゆび、引っ掻いちゃ……ぁっんん……!」

 肌と肌が打ちる音が響く中で、陽菜の尖を深爪にされた指先で弾いたり引っ掻くから痺れる快楽に啼いてしまう。

「少し強く指で挟まれるのも、好きだろ?ほら、凄く締め付けてる」

 指できゅ、と頂きを挟まれると先程よりも強い刺激に喉から迫り上がった高い声が飛び出してしまった。

「忠さん、好き、キス…したい、です……顔見たいよお……」

「うん、少し体勢…変えようか、足持つぞ?」

 徐に片膝を持たれたので、そのまま体勢を変えるのかと思いきや、骨盤が開かれた瞬間にぱちっと奥に男茎を押し込まれて陽菜は目を見開いた。
 ずちゅずちゅと激しく揺さぶって、蜜液が内腿を伝っていく。陽菜は何が起こったか分からなくて、シーツを握り締めるしか出来なかった。

 ただ、下半身がとにかく我慢出来ないくらい、水を出したがっている。排泄を極限まで我慢した感覚に陽菜は最賀に静止を求めたが、乾いた唇を舐めて、やってごらん?と言うのだ。

「だめだめぇっ、出ちゃ、……漏れちゃうからぁっ!」

「バスタオル敷いてあるから、遠慮するなよ、漏れないから、そっちじゃあない」

「いやっ、あ、あぁっ、あ……はぅう……っ出ちゃ……っあぁっ!」

 ぐり、とカリ首が陽菜の奥を突いた瞬間に陽菜は腰を震わせてぴしゃっと噴き出した。追い風とも言える、最賀が陰核を指先で左右に刺激するから耐え難い排泄感は止まらない。がく、がくと腰が揺れて一滴まで出し切る。

 最賀の大きな手は潮で盛大に濡れており、陽菜が脱力してシーツの波に横たわると、仰向けにして足の間に平然と入る。べろりと舐めて、上手く潮吹けたなと色欲に滲んだ双眸が陽菜を映した。

「し、お……?」

「気持ち良過ぎて出るんだよ、奥摩ったり、敏感なそこ、刺激すると」

「漏らし、たかと思って、怖かった……」

 バスタオルはびっしょりと水捌けにはなったものの、もう吸水するには心許ないくらい濡れていた。最賀が器用に畳んで退けると、陽菜の腰を上げてまた新しい物を敷く。嫌な予感しか、しない。

「あの……せんせ、い」

「忘れないように、もう一回?」

「だ、だめ、です……っ辛いから、腰…溶けちゃうみたいで怖いんです」

 愛潮を出すのは、初めてではない。だが、この排尿感はいつまで経っても慣れないので、その度に陽菜は不安になるのだ。箍が外れて堰き止められたものが一気に押し寄せて、本当に排泄してしまったのではないか、と。

 そうやって、不安に駆られれば最賀は癖をつけさせる様になのか、陽菜の体に記憶させたいのか、執拗にぐずぐずに蕩けさせてから同じ工程を行うくらいには、隠れサディストなのかもしれない。

「あと一回だけ……な?蕩けた顔、また俺に見せて下さいな」

「あ、まだっ、敏感だからっ……忠さん…っ」

 陽菜は目を見開いて大粒の涙を溢した。ずぶずぶと男根が沈んでいく様子を静止したくて、最賀の腕を掴んだが止められるはずがなかった。腰に響く、快感の振動は陽菜の思考を掻き回す。

「う、うう……っ、はぁ、っ、ア、ぁあ……」

 快楽に溺れそうだ。尾を引いた余韻すら待たず、陽菜を新境地へ連れて行く。必死で陽菜は抗おうとしたものの、虚しい抵抗は呆気なく抑えられた。
 手首を優しく掴んで、ぐんと腰を打ち付けられると陽菜は水を得た魚の様に体が跳ねる。制御出来ない衝動に、陽菜はただ喘いで唾液で唇を濡らすのだ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました

藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。 次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

甘い束縛

はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。 ※小説家なろうサイト様にも載せています。

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! *全28話完結 *辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 *他誌にも掲載中です。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

処理中です...