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ライフピボット

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今回紹介するのは、「黒田悠介」さんの、

「縦横無尽に未来を描く人生100年時代の転身術 ライフピボット」だ。

まず、「ライフピボット」とは何か。

それは、過去の経験による蓄積を足場にして、着実に新しいキャリアへと一步踏み出す考え方のことだ。

今の世の中は、

「終身雇用の崩壊が近い」
「週休二日ではなく、週休三日・四日も認める企業の存在」
「会社に行かず、自宅で仕事(リモートワーク)が出来る」
「企業から社員たちの複業を率先する」
「働き方の多様化を認める」

など、50年前とは「真逆」の考え方が浸透している。

医療技術の進歩も凄く、「人間100年時代」が来ると、専門家はテレビで言っている。

100年だ。

正直、疑っている。だが、私は100年も生きられないと思うが、これから生まれてくる「子供」は、100年どころか、もっと長生きする。

そんな予感は、なんとなくしている。

著書には、人の寿命が長くなるが、同時に少子高齢化も進行しているため、「支える人間」が必要であり、必然的に「定年が延長される」と書かれてある。

また、老後である「75歳以降」から「100歳」までの間には25年間あり、それまで生きていくにも、やっぱり「お金」が必要とのことだ。

今でも、ガス・電気・ガソリン・卵と物価が上がっていく一方だ。遠い将来に、それらが安価なっていると考えるのは、甘い考えだろう。

その対策ーーという訳ではないが、著書では「キャリア」をどんどん良い方向へ「移動」させることを推奨しており、そのためには「経験という名の資産」と「自己理解」、そして「偶然性」が必要だと書かれている。

この3つについて、少し説明をしよう。

「経験の資産」とは、端的に言えば「自分の出来る」ことを言葉・文字にしたものだ。

会社で会計の仕事をしてきたから「簿記」に強くなった。営業でセールスをしていたから「コミュニケーション」に自信が持てる。

そういった、「何か仕事を通して得た」スキルであり、新しい「経験の資産」を蓄積するためには、「この課題を達成することで、得る・学ぶスキル」を意識的に考えなくてならない。

ただ、同じことを繰り返すマシーンのように仕事を行なうだけでは、「能力」の獲得に非効率なんだ。

次に「自己理解」だが、これは「自らの出来ること」プラス「自分の得意なこと・やりたいこと・働き方」などが加算される。

ノートに書く際、それを視覚的に捉えるために、「経験の資産」は文字として落とす必要があるんだ。

この2つを「蓄積」、つまり繰り返すことで、自分の今の状況と、成りたい「将来像」が浮かび上がるんだ。

最後に、「偶然性」だ。著書では「自分から」ではなく「外部から」のパワーによりものだと語られている。

例えば、とある会社で勤めているサラリーマンが、飲み屋で「偶然」旧友と出会った。

昔の話に華を咲かせて、その後も連絡を取り合うようになった。

一年後、旧友は起業すると言い「お前も来ないか?」と誘ってきた。

これが、自分以外の外部による「偶然性」であり、「キャリア転換」のきっかけになっている。

更に、著書では

「個人のキャリアの8割が、予想もしない偶然によって決定されている」

そう書かれていた。

著書を紹介する上で、私が最も着目したいのが、この「偶然性」なんだ。

例で挙げた「偶然性」だが、程度にもよるが、実はコントロールすることが出来る。

サラリーマンが飲み屋に行ったから、その日、旧友と出会うことが出来た。

逆に、行かなければ「旧友」とは出会うことはなかったんだ。

結果的な話になってしまうのだが、サラリーマンは「偶然」飲み屋に行ったから、キャリア転換の機会を得ることが出来た。

この時点で如何に、その「偶然」が価値のあるものかを認識出来たと思う。

出来ることなら、君も「偶然」を掴みたいはずだ。

普通なら、「そんなの運次第」だと思うかもしれない。

だが、安心しろ。著書では、より良い「キャリア転換」するために、計画的に「偶然性」を狙うことが出来ると書かれている。

その方法の1つが、インターネットを介したコミュニティの場だ。

出会い系アプリがあるだろう。

あれは「恋愛ごと」に特化したもので有名だが、「ビジネス」や「趣味・嗜好」のタイプも存在する。

自分を「自己理解」し、その自分を紹介する。最初はボランティアのように「相手の助け・力になれる能力」がありますとPRするのが良いだろう。

助けて貰った相手は感謝し、その嬉しさを「何らかの形」で返してくれる。

他の人に勧めたり、リピーターになってくれたりと、「君という価値」を上がれくれる人になるんだ。

その母数を増やし続けることで、少しづつ人を集めていき、「君自信」の価値をどんどん広げていくんだ。

その「人を呼ぶ」繰り返しが、やがて「仕事」としての「依頼」が君に届くだろう。

君という価値に人が集まるのだから、それだけ「依頼者」が君の集客量が凄いと感動した証拠になったわけだ。

著書には、他にも「偶然」を計画的に狙う方法はもちろん、自分自身に合った「仕事・働き方」をデザインする方法、それを形にするための具体的なやり方などが解説されている。

だが、これは私個人の意見になるが、著書の「ライフピボット」を達成するためには、自分自信を発信する「勇気」が一番重要であり、「分岐点」だと思っている。

以前、「末岐碧衣」さんの、

「友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになった ぼっち仕事術」を紹介した際に、

感情の吐き出し、自己開示が「他の人から人間として認められる要因」になったと書かせてもらった。

だが、それを実行するのには「勇気」が必要だ。

何故か、それは人間は「誤魔化したい生き物」だからだ。

自分の好きなものを他者に自己開示・発信しようとしたとき、どうしても「体裁」が頭を過る。

もし、「体裁」に重きを置けば、それは「体裁の自己開示」であり、君の「本音」とは、若干差異が生まれてくるはずだ。

私は、それを危惧している。

成功したとしても、「作った君自身」がインターネットで周囲に「価値ある人」だと認識されても、私なら正直嫌な気持ちだ。

「本音・本当」の私を知ってほしい、そう思っしまう。

以前にも話した、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく」の主人公「後藤ひとり」も、本音を出したのは、緊張で震えていたときだった。

ぶるぶる、と弱っていたとき、だった。

自分のやりたいことは、「弱ったとき」に出るものだと思う。気持ちが「死にそうなとき」に「体裁」を考える人はいない。

そんな余裕なんて、ないのだ。

私は死にそうだ、だから助けて、と腹の底から「本音」で言えるんだ。

だから、「ライフピボット」を考えるときは、「体裁」を考えてはダメだ。

自分の「恥」を恥じて、「本音」を隠すほうが、先で辛い目に合う。

それよりも、自分の「恥」を「認める・共感」してくれる人を見つける方に考えた方が、ずっとポジティブになれるはずだ。

自分をデザインするなら、幸せに妥協はしてはいけない。

欠点も恥も、君の一部だ。全て「認めて」貰った上で「価値のある人間」になった方が、嬉しさは100倍だと思うぞ。

最後に、私の感情をぶち撒けてしまったが、以上で、「黒田悠介」さんの、「ライフピボット」の紹介を終わります。

ご読了ありがとうございました。
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