レベル99のおままごと

赤たまねぎ

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03 クローン1号(超能力者)

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 クローン1号が超能力へと目覚めた。ものを触らずにロボットを浮かせている。

 80㎏を軽々と、浮かせている。やはり、見間違えては無かったらしい。

 原因は分かっている。強化細胞Mだ。

 物を浮かせる力、念動力サイコキネシスというべきなのだろうか。エスパー系の知識を私は持っていないので、分からない。

 そもそも、オカルトは科学と対義している。例え残りカスであろうと、それでも科学者な私の範囲から明らかに逸脱している。

 とはいえ、放置して何かが起こってからでは遅い。

 期待は出来ないが、データバンクで検索してみることにする。

 検索結果、1012件に該当する研究資料があった。

 エスパー系は、先代の科学者たちの守備範囲だった。

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 調べた結果、モンスターの中には自らの体重を支えるためサイコキネシスを使うタイプがいたらしい。

 翼を生えたシャチなどが該当する。

 ……あのシャチ、鳥みたいに飛んでいたわけではないのか。

 サイコキネシスは主に、元が海の生き物が使っている。海の魚は使えるが、川の魚は使えない。

 海とエルパ―には深い繋がりがあるのではないかと、研究者が論文としてまとめていた。あと、深海が怪しいらしく、そこから謎パワーが出ているとか。

 あやふやか!!!

 だが、私の前でエスパーを使っているのは人間の赤子。海の生物どころか、人間だ。

 原因は何だ?

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 かなり調べてみたが、結局分からなかった。

 だが、成果はあった。エスパーとコミュニケーションを取ることが出来る機械を発明した。

 元はイルカを研究するための装置らしいが、それを改良したものだ。サイコキネシスを使える生物は念通達テレパシーも使える。イルカがそうだったから、赤子もいけるかもしれない。

 このテレパス装置は長ったらしい説明は伝えられない。単語で三文字までだ。

 ……さすがに短すぎだ。これではまともに話せない。せめて、5文字は欲しい。

 自らの科学力では作ることが出来ない装置に苦悩する私に、ロボットがとある策を提案してくれた。ロボット語だ。

 遠くに人にメッセージを送るシステムには、モールス信号というものがある。トン、トン、ツーの組み合わせで言葉を作り連絡を取り合う。

 ロボットにはそれよりも簡略したロボット語というものがあり、モールス信号よりもボキャブラリーが豊富でありユーモラスとのことだった。

 ロボットにユーモラスなどないだろと突っ込んだ。作った主人が断言したからユーモラスだ、と言い切られた。

 ……ロボットに何かを言い切られるのがこれが最初で最後であって欲しい。

 これによりクローン1号はロボットを通して話し合うことが可能となった。それでも、相手が赤子なため何かを伝え説明するのは一苦労だ。
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