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07 手伝い
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7歳になってから手伝えることが増えた。
まず、料理を配膳するようになった。
少し伸長が足りないけど、タイガー亭を利用する客は基本優しいから、俺の手から料理を取ってくれる。
「どうぞ、野菜炒めです」
どくろキャベツと、カラカラニンジン、のびのびキノコ、薄切りのゴブリン豚を一緒に炒めた料理だ。味はかなりいける。
ちなみに、ゴブリン豚のゴブリンは『等級』を指していて、上にはオーク級・ジャイアント級があるみたい。
まだ食べたことはない。
いつか食べたいものだ。
「おお、ありがとうね」
料理を受け取ったタベレナは美味しそうに食べる。
上手いだろう、えへん。
「あ。そう言えば、アンコ」
「何?」
「前言っていた木の板に絵を描く話、どうなったの?」
「鍛冶屋のモンスさんに話してみたんだけど、まだ早いって。12歳になったら作ってくれるって約束した」
「ああ~。確かに、子供にはまだ危ないよね~」
モンスさん、偉いとタベレナは頷く。
「じゃあ、私がここを去るまでには出来そうにないなー」
「タベレナ、この村から出ちゃうの?」
「うん。この辺りのクエストや薬草は採取したから、来月には次の町に行く予定」
「……そっか」
冒険者のお客さんが次の町に拠点を移す。当選、宿屋も次の町の拠点から探す。
珍しいことではない。
ただ、タベレナは他の冒険者と比べて滞在期間は一か月と長かった。可愛がってくれた覚えもある。そのせいか、別れるのが寂しい気持ちになる。
きっと、どれだけ宿屋で働いても、この気持ちに慣れることはないんだろうな。
「大丈夫、また会えるから」
そんな俺の気持ちに気付いたのか。
タベレナは俺の頭をポスっと撫でてくれる。
やっぱり、優しい人なんだな、タベレナって。
まず、料理を配膳するようになった。
少し伸長が足りないけど、タイガー亭を利用する客は基本優しいから、俺の手から料理を取ってくれる。
「どうぞ、野菜炒めです」
どくろキャベツと、カラカラニンジン、のびのびキノコ、薄切りのゴブリン豚を一緒に炒めた料理だ。味はかなりいける。
ちなみに、ゴブリン豚のゴブリンは『等級』を指していて、上にはオーク級・ジャイアント級があるみたい。
まだ食べたことはない。
いつか食べたいものだ。
「おお、ありがとうね」
料理を受け取ったタベレナは美味しそうに食べる。
上手いだろう、えへん。
「あ。そう言えば、アンコ」
「何?」
「前言っていた木の板に絵を描く話、どうなったの?」
「鍛冶屋のモンスさんに話してみたんだけど、まだ早いって。12歳になったら作ってくれるって約束した」
「ああ~。確かに、子供にはまだ危ないよね~」
モンスさん、偉いとタベレナは頷く。
「じゃあ、私がここを去るまでには出来そうにないなー」
「タベレナ、この村から出ちゃうの?」
「うん。この辺りのクエストや薬草は採取したから、来月には次の町に行く予定」
「……そっか」
冒険者のお客さんが次の町に拠点を移す。当選、宿屋も次の町の拠点から探す。
珍しいことではない。
ただ、タベレナは他の冒険者と比べて滞在期間は一か月と長かった。可愛がってくれた覚えもある。そのせいか、別れるのが寂しい気持ちになる。
きっと、どれだけ宿屋で働いても、この気持ちに慣れることはないんだろうな。
「大丈夫、また会えるから」
そんな俺の気持ちに気付いたのか。
タベレナは俺の頭をポスっと撫でてくれる。
やっぱり、優しい人なんだな、タベレナって。
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