6 / 12
5
しおりを挟む
9月10日、11個目。
4人で海に行った。
といっても綾は身体が弱く、海で泳ぐのは少し辛いようだった。僕も人混みが得意ではなかったし、野々宮も同じだった。なにより春香はカナヅチだった(隠してるつもりらしいけれど)
なので4人で海を見に行くことにした。お互いに水を掛け合って遊んだり、綺麗な貝殻を探したりした。途中、貝だと思って拾ったらヤドカリで春香が悲鳴をあげて、綾が爆笑していた。
そして陽が落ちてきた。夏の終わりかけなのもあり、周りに人は居らず、僕たちだけの世界だと錯覚しそうだった。水平線に夕陽が沈む姿は、いつも見ている空とは思えないほど美しく、見惚れてしまった。次きた時は泳ぎたいな、と綾が言うから 「そうだね、…泳ぐ練習しとけよ」「ばっ、うるさい!!」 笑い声が暗い帰り道に響いていた。
……
9月24日、13個目。
2人でゆったりと散歩をした。
すっかり辺りは秋模様だ。短い生命を全力で生き終えたセミがあちこちに落ちていた。
特に目的があった訳ではなく、ただぼうっと歩いていた。知らない土地を冒険してみたかったらしい。大きな公園に入る。家族連れで賑わっていた。コスモスが咲き乱れ、金木犀の良い香りが漂っていた。「コスモスってさ、秋の桜って書くんだよ」「ふぅん」「またそれ、ちゃんと聞いてる?」「え、」「最初っからそれだよね、」彼女は先を行ってしまう。焦る。良い言葉が思いつかない。「いや、あの」
「ふふ、冗談だよ」彼女が振り向く。
風が吹いて帽子が飛ばされそうになる。わ、危なかった~、と笑う彼女が本当に本当に愛おしかった。
……
10月29日、18個目。
この日は少し早めのハロウィンパーティーを4人でした。
初めて野々宮の家に行ったのだが、衝撃的だった。「うわ、何、豪邸じゃん!!!」と春香のテンションがめちゃめちゃ上がっていたことを今でも覚えている。僕も、正直テンションが上がっていた。洋風の家、白基調で大きな門があって、なんと庭にはプールがあったのだ。野々宮は「お母さんの趣味で……」と言っていた。そしてめちゃめちゃ綺麗なお姉さん?とめちゃめちゃ可愛い2人の妹らしき子たちが歓迎してくれた。後から聞いたがあのお姉さんはお母さんらしい。(理解が出来なかったし春香は叫んでいた。)
せっかくのハロウィンという事なので仮装をすることになっていた。僕はとても恥ずかしかったが綾の要望だったので野々宮と一緒にドラキュラの仮装をした。綾と春香はお揃いでチャイナドレスを着ていた。ミニ丈という訳では無かったが、身体のラインがハッキリと出る上に脚が出る服だったので、思春期真っ只中若干16歳の僕には刺激が強く、綾を直視出来なかった。それに気付いたのか綾はいつも以上に引っ付いてきたように思う。反応を見てニヤニヤされていたが、悔しいがそれでも逆転することが出来ない程可愛かった。
……
それからも僕たちは沢山の想い出を作った。
春香の制服を借りて制服デートをしたり、2人でも4人でもプリクラを撮ったりした。毎日のようにしていたトークや電話も続いていた。綾が突拍子もなくスライム作りたい!と言い出して急いで薬局に行って材料を用意し、小学生の様にはしゃぎながら遊んだりもした。
……
秋も終わりかけ。葉は落ち、だんだん日も短くなって冬を感じるようになってきた。この頃から僕たちは金曜日以外も2人で会うようになっていたが、“したいこと”を進めるのは金曜日だけにしていた。
冬が濃くなってきて、綾も少しずつ体調を崩すことが増えた。それでも、滞りなく“したいことノート”は進められていた。
4人で海に行った。
といっても綾は身体が弱く、海で泳ぐのは少し辛いようだった。僕も人混みが得意ではなかったし、野々宮も同じだった。なにより春香はカナヅチだった(隠してるつもりらしいけれど)
なので4人で海を見に行くことにした。お互いに水を掛け合って遊んだり、綺麗な貝殻を探したりした。途中、貝だと思って拾ったらヤドカリで春香が悲鳴をあげて、綾が爆笑していた。
そして陽が落ちてきた。夏の終わりかけなのもあり、周りに人は居らず、僕たちだけの世界だと錯覚しそうだった。水平線に夕陽が沈む姿は、いつも見ている空とは思えないほど美しく、見惚れてしまった。次きた時は泳ぎたいな、と綾が言うから 「そうだね、…泳ぐ練習しとけよ」「ばっ、うるさい!!」 笑い声が暗い帰り道に響いていた。
……
9月24日、13個目。
2人でゆったりと散歩をした。
すっかり辺りは秋模様だ。短い生命を全力で生き終えたセミがあちこちに落ちていた。
特に目的があった訳ではなく、ただぼうっと歩いていた。知らない土地を冒険してみたかったらしい。大きな公園に入る。家族連れで賑わっていた。コスモスが咲き乱れ、金木犀の良い香りが漂っていた。「コスモスってさ、秋の桜って書くんだよ」「ふぅん」「またそれ、ちゃんと聞いてる?」「え、」「最初っからそれだよね、」彼女は先を行ってしまう。焦る。良い言葉が思いつかない。「いや、あの」
「ふふ、冗談だよ」彼女が振り向く。
風が吹いて帽子が飛ばされそうになる。わ、危なかった~、と笑う彼女が本当に本当に愛おしかった。
……
10月29日、18個目。
この日は少し早めのハロウィンパーティーを4人でした。
初めて野々宮の家に行ったのだが、衝撃的だった。「うわ、何、豪邸じゃん!!!」と春香のテンションがめちゃめちゃ上がっていたことを今でも覚えている。僕も、正直テンションが上がっていた。洋風の家、白基調で大きな門があって、なんと庭にはプールがあったのだ。野々宮は「お母さんの趣味で……」と言っていた。そしてめちゃめちゃ綺麗なお姉さん?とめちゃめちゃ可愛い2人の妹らしき子たちが歓迎してくれた。後から聞いたがあのお姉さんはお母さんらしい。(理解が出来なかったし春香は叫んでいた。)
せっかくのハロウィンという事なので仮装をすることになっていた。僕はとても恥ずかしかったが綾の要望だったので野々宮と一緒にドラキュラの仮装をした。綾と春香はお揃いでチャイナドレスを着ていた。ミニ丈という訳では無かったが、身体のラインがハッキリと出る上に脚が出る服だったので、思春期真っ只中若干16歳の僕には刺激が強く、綾を直視出来なかった。それに気付いたのか綾はいつも以上に引っ付いてきたように思う。反応を見てニヤニヤされていたが、悔しいがそれでも逆転することが出来ない程可愛かった。
……
それからも僕たちは沢山の想い出を作った。
春香の制服を借りて制服デートをしたり、2人でも4人でもプリクラを撮ったりした。毎日のようにしていたトークや電話も続いていた。綾が突拍子もなくスライム作りたい!と言い出して急いで薬局に行って材料を用意し、小学生の様にはしゃぎながら遊んだりもした。
……
秋も終わりかけ。葉は落ち、だんだん日も短くなって冬を感じるようになってきた。この頃から僕たちは金曜日以外も2人で会うようになっていたが、“したいこと”を進めるのは金曜日だけにしていた。
冬が濃くなってきて、綾も少しずつ体調を崩すことが増えた。それでも、滞りなく“したいことノート”は進められていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる