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「聖……。お前やっぱり、相良先輩のこと引きずっているんじゃないのか?」
ゆっくりと聖は首を横に振った。
「あの人のことは、とっくの昔に忘れたよ」
「それこそ嘘だろ。そうでなきゃ……。いや、まさか……。本気なのか? 璃玖のこと……」
「……。今日初めて出会って、まだ半日ぐらいしか一緒にいないけど、あんなに素直で可愛いくて揶揄い甲斐のある子は他にいないだろうなぁとは思ったよ。でも、僕は璃玖君を好きにはならない。絶対に」
隼人には聖の話しぶりが、まるで聖自身に言い聞かせているかのように聞こえ、なにか聖の中で決心しているものがあるのだと感じ取った。
「絶対に好きにならない、か……。はぁー、アホらし。どうせ、これ以上聞いても聖は俺に本音は話してくれないもんな。もう、勝手にしてくれ」
「ごめんって。隼人が心配してくれているのはわかっているんだ。でも、全部終わる……見届けるまで誰にも言わないって決めたんだ。どう? 呆れた?」
まるで何かに満足しているかのような笑みを聖は浮かべ、隼人を見つめた。
「はー……。お前が本心を言わないのは昔からだから慣れっこだけど……。俺はお前が心配だよ」
「見た目に似合わず、優しいよね隼人は」
聖は座っている隼人の肩に腕を乗せた。
ゆっくりと聖は首を横に振った。
「あの人のことは、とっくの昔に忘れたよ」
「それこそ嘘だろ。そうでなきゃ……。いや、まさか……。本気なのか? 璃玖のこと……」
「……。今日初めて出会って、まだ半日ぐらいしか一緒にいないけど、あんなに素直で可愛いくて揶揄い甲斐のある子は他にいないだろうなぁとは思ったよ。でも、僕は璃玖君を好きにはならない。絶対に」
隼人には聖の話しぶりが、まるで聖自身に言い聞かせているかのように聞こえ、なにか聖の中で決心しているものがあるのだと感じ取った。
「絶対に好きにならない、か……。はぁー、アホらし。どうせ、これ以上聞いても聖は俺に本音は話してくれないもんな。もう、勝手にしてくれ」
「ごめんって。隼人が心配してくれているのはわかっているんだ。でも、全部終わる……見届けるまで誰にも言わないって決めたんだ。どう? 呆れた?」
まるで何かに満足しているかのような笑みを聖は浮かべ、隼人を見つめた。
「はー……。お前が本心を言わないのは昔からだから慣れっこだけど……。俺はお前が心配だよ」
「見た目に似合わず、優しいよね隼人は」
聖は座っている隼人の肩に腕を乗せた。
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