14 / 26
第14話『魔王が移住しました』
しおりを挟む
「フハハハハハ。我は魔王ユミル。
この世界を統べる最強の存在だ!
さぁ、我の前にひざまずくが良い
フハーッハッハハハハハ」
黒いマントを羽織い、
黒いタキシードを着たいかにも
魔王といった風貌の美男子が、
辺境の村の上空から舞い降りる。
頭上にはヤギのような
角が2つ生えている。
年齢は20代前半くらいである。
(ゴーレムには村の周囲を警戒させて
おいたんだけどその警戒網を
かいくぐるとは、本当に魔王か
どうかは一旦おいておいて、
相当の能力者であることは
間違いはなさそうだな……)
「……そんで、その魔王さんが
どうしてまだ住民が100名未満の
こんな辺境の弱小村にいら
したのでしょうかね?」
あまりに唐突な話だったので
サトシは魔王ユミルに対して
しごと真っ当な質問をする。
「ぼっ……ぼっ」
「……ぼっ?」
「ぼっ、亡命を……きっ、希望する」
「「はぁあああああ?!」」
サトシの隣で黙って話を
聞いていたミミが絶叫する。
――今から2時間前の出来事である。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
魔王ユミルは、サトシとミミの
家のリビングにある
テーブルの椅子にポツンと座り、
サトシの淹れた紅茶を飲んでいた。
「落ち着きましたか?
魔王ユミルさん」
魔王は飲みかけの紅茶を
ソーサーの上に置き、
真っ青な顔をしながら
頭を抱える。
「我は、もう……限界だ。
このままだと我はノイローゼ
で死んでしまうのだ」
魔王は冗談ではなく
本気で泣きそうな顔で呟く。
「それって勇者達が怖いとかですか?
それなら白旗挙げたらどうですか?」
「ちがうわっ! 怖いのは
我の下僕たる四天王の方だ!」
「四天王が怖いじゃと?
四天王というのは妾が知る限りは
魔王の忠実な側近と聞いておるが、
妾の認識違いかの?」
魔王ユミルはゆっくりと
首を横に振るう。
「とんでもない……あいつらは
何一つ我のいうことを聞いて
くれねーんだよ。
我の言うこと聞かずに策もなく
ガンガン他国に攻めるし、
国庫の金を魔王である我の許可なく
無断でドンドン食いつぶしていくし。
それで、会議室に呼び出して
ちょっとだけ説教をしたら
『パワハラ』とか『モラハラ』とか
『セクハラ』とかあることない事
言われるし、しまいには今では
飲み会とかも我だけハブられるし、
もう限界だよ、死にたい……」
「なんだ、魔王も大変なんだな」
「そうなんだよ。超超キツイよ!
我の側近はアホしかいないしな!
そんな時、魔神将ドヴォルザークが
"化外の地"の森の中で何者かに
討伐されたという情報が入ったわけだ。
もうその噂を聞いた時には、
そこに亡命するしかないと思ったよね。
ぶっちゃけ!」
「魔王ユミルとやら、念のために
聞いておくのじゃが、本当に
魔神将ドヴォルザークに世界樹を
攻撃するように指示したのは
お主ではないのじゃな?」
「っんなわけあるかいっ!!
なーんで我がそんな面倒事を
抱えようとするかっ!
ただでさえ、勇者とドンパチ
しなきゃいけないのにワザワザ
関係のないところに喧嘩を売る
アホはおらんよ!
……いや居たか魔神将《アホ》が。
つーかアイツ俺の手下の精鋭
1000匹の魔獣を勝手に
連れてったしありえねぇ!」
(魔王は鼻息が荒いなぁ。
いままで愚痴る相手もいなかった
のだろうなかわいそうに)
「つーか。魔王が亡命するとか
それってマジで大丈夫なのか?
これさ、勇者と魔王の
戦い終わりなんじゃない?
戦争終結とかにならないの?」
「いやいや、ことはそう簡単ではない。
ぶっちゃけ魔王である我が死んでも
大局的にはあんま関係ないぞー。
つーか。四天王とか幹部とか、
世襲で魔王になった我のこと露骨に
見下しているし陰口叩いているからなっ!
なんだったら、アイツら我が殺されたら
自分が魔王の玉座に座ろうとする
恐ろしい奴らばっかりだからなっ!」
「ところで、お主が亡命したことは
バレていないのじゃろうな?
もし、バレてこっちに戦火が
飛び火するのはごめんなのじゃ。
この村の住民の安全が確保できない
ようであれば、申し訳ないが
魔王ユミルを受け入れることは
できないのじゃ」
「ああ、もちろんその辺りの
対策はバッチリだ。魔王役に
我の影武者立ててるから大丈夫だ。
亡命する計画については
子供の頃から世話をしてくれた、
乳母兼メイドのサーシャ以外には
話してないしな。彼女は絶対裏切らない。
ちなみに乳母兼メイドのサーシャは
我の初恋の人でもあり、いずれは
妻にしたいと思っている女性だ」
(うわあ。恋愛事情とかどうでも
良いこと話しだしたよ。この魔王
そして、きっと子供の頃にメイド
さんに恋したせいで性癖が複雑に
こじらしちゃってるな……)
サトシはそう思ったのだが、
性癖を拗らせているのは
サトシも同じなのであるが
本人はその自覚はないのであった。
一方で、ミミは魔王と乳母メイドの
恋愛話に興味津々のようだ。
恋愛トークが好きなあたりは
やはり種族を問わず、
それは年ごろの少女と
言ったところであろうか。
「ところで、お主の乳母メイドの
サーシャとやらは、お主と
どれくらいの年の差なのじゃ?」
「愛しのサーシャは、我よりも
10歳ほど上だ。年齢は30代半ば
といったところだな。
おっぱいのデカイ優しい女性だ
まるで母性の塊のような女性だ」
「年齢差はお主は気にせんのか?」
「年の差などは、些細な問題……。
――否。むしろ、我は
年の差があるのがいいのだ」
「ほう……なかなか見どころ
のある魔王のようじゃな」
「いやだってなんていうか、
むしろそれくらいの年齢の方が
エロいというか、艶っぽくて
いいじゃないですかぁ……。
おっぱいでデカイし金髪ロング
だしげへへ……。はい、最高です」
魔王ユミルは鼻の下を
伸ばしながら語る。
イケメン顔が台無しである。
「ふむ……。さすがは魔王じゃな。
素晴らしい価値観を持って
いるようじゃの。妾はお主から、
確かな王としての格を感じた」
「我、最近思うんだが、
20代ってのはなァ……クソガキなンだよ
やっパ、女性は30を超えてからダロ?」
微妙に禁書目録の一方通行《アクセ○レーター》さん
風の口調になりながら語る。
なお、一方通行《アクセ○レーター》さんは
中学生はBBAと言う男なので、魔王とは
性癖的には正反対と言えるだろう。
「さすがは魔王なのじゃ。妾も同意見なのじゃ。
ちなみに妾の男性の好みはアラフォーじゃ。
微妙にくたびれた感じとか枯れた感じが
イケていると常々思っていたのじゃ。
ちなみに妾の旦那さまであるサトシは
43歳なのじゃ。まさに妾の理想の男子なのじゃ」
魔王はミミと同じ波長のような
ものを感じたのか、
無言で握手を交わす。
サトシはイケメンが妻と
握手をすることに内心ちょっと
嫉妬したので、話を別の
方向に切り替える。
「はいはーい。話を戻すよー!
んで、ユミルさん的にはその
メイドのサーシャさんは
信用に値すると考えていると
そういうことだな」
「そうだ。間違いない。しばらくは
魔王城の間諜として、サーシャに
待機してもらうが、いずれは
この村の我の家に住まわせて
妻にしたいと思っている」
サトシは魔王ユミルの瞳をじっと
見つめても揺るがないあたり
どうやら乳母とメイドに魔王が
絶対に信頼を置いていることは
事実であることが分かった。
「四天王以外の部下はお前が
いなくても大丈夫なのか?」
「大丈夫だ……。っていうか、
アイツらそもそも我のことを
基本的に無視してるどころか、
『世襲魔王(笑)』とか『七光魔王《ナナヒカリ》』とかいって
馬鹿にしてるからな。
本当泣きたくなる……
そもそも我だって魔王なんて
なりたくなかったっつーの!!」
「そりゃ辛いな。世襲制も良し悪しだな」
「我としては魔王は選挙とかで
決めて欲しかったのだ」
「それで、ユミルさん、
もし村に移住するとなると
魔王といえども何か仕事を
してもらわなきゃならないん
だけど、魔王さんは何ができる?」
「我? うーん。魔法を少々と、
内政全般はできるぞ?
財政管理から兵站管理から
住民管理。まぁ……事務系
の仕事全般は我の得意分野だ」
サトシは机の下で小さく
ガッツポーズを取る。
まさに今最も求めていた
スキルを持った人材である。
「おしっ! 即戦力採用だ!」
=================
【辺境村の開拓状況】
◆住民
土属性:1名
世界樹:1名
ドワーフ:35名
魚人族《ディープワン》:28名
魔王:1名 ←New!
ゴーレム:たくさん
◇特産品
ケチャップ
この世界を統べる最強の存在だ!
さぁ、我の前にひざまずくが良い
フハーッハッハハハハハ」
黒いマントを羽織い、
黒いタキシードを着たいかにも
魔王といった風貌の美男子が、
辺境の村の上空から舞い降りる。
頭上にはヤギのような
角が2つ生えている。
年齢は20代前半くらいである。
(ゴーレムには村の周囲を警戒させて
おいたんだけどその警戒網を
かいくぐるとは、本当に魔王か
どうかは一旦おいておいて、
相当の能力者であることは
間違いはなさそうだな……)
「……そんで、その魔王さんが
どうしてまだ住民が100名未満の
こんな辺境の弱小村にいら
したのでしょうかね?」
あまりに唐突な話だったので
サトシは魔王ユミルに対して
しごと真っ当な質問をする。
「ぼっ……ぼっ」
「……ぼっ?」
「ぼっ、亡命を……きっ、希望する」
「「はぁあああああ?!」」
サトシの隣で黙って話を
聞いていたミミが絶叫する。
――今から2時間前の出来事である。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
魔王ユミルは、サトシとミミの
家のリビングにある
テーブルの椅子にポツンと座り、
サトシの淹れた紅茶を飲んでいた。
「落ち着きましたか?
魔王ユミルさん」
魔王は飲みかけの紅茶を
ソーサーの上に置き、
真っ青な顔をしながら
頭を抱える。
「我は、もう……限界だ。
このままだと我はノイローゼ
で死んでしまうのだ」
魔王は冗談ではなく
本気で泣きそうな顔で呟く。
「それって勇者達が怖いとかですか?
それなら白旗挙げたらどうですか?」
「ちがうわっ! 怖いのは
我の下僕たる四天王の方だ!」
「四天王が怖いじゃと?
四天王というのは妾が知る限りは
魔王の忠実な側近と聞いておるが、
妾の認識違いかの?」
魔王ユミルはゆっくりと
首を横に振るう。
「とんでもない……あいつらは
何一つ我のいうことを聞いて
くれねーんだよ。
我の言うこと聞かずに策もなく
ガンガン他国に攻めるし、
国庫の金を魔王である我の許可なく
無断でドンドン食いつぶしていくし。
それで、会議室に呼び出して
ちょっとだけ説教をしたら
『パワハラ』とか『モラハラ』とか
『セクハラ』とかあることない事
言われるし、しまいには今では
飲み会とかも我だけハブられるし、
もう限界だよ、死にたい……」
「なんだ、魔王も大変なんだな」
「そうなんだよ。超超キツイよ!
我の側近はアホしかいないしな!
そんな時、魔神将ドヴォルザークが
"化外の地"の森の中で何者かに
討伐されたという情報が入ったわけだ。
もうその噂を聞いた時には、
そこに亡命するしかないと思ったよね。
ぶっちゃけ!」
「魔王ユミルとやら、念のために
聞いておくのじゃが、本当に
魔神将ドヴォルザークに世界樹を
攻撃するように指示したのは
お主ではないのじゃな?」
「っんなわけあるかいっ!!
なーんで我がそんな面倒事を
抱えようとするかっ!
ただでさえ、勇者とドンパチ
しなきゃいけないのにワザワザ
関係のないところに喧嘩を売る
アホはおらんよ!
……いや居たか魔神将《アホ》が。
つーかアイツ俺の手下の精鋭
1000匹の魔獣を勝手に
連れてったしありえねぇ!」
(魔王は鼻息が荒いなぁ。
いままで愚痴る相手もいなかった
のだろうなかわいそうに)
「つーか。魔王が亡命するとか
それってマジで大丈夫なのか?
これさ、勇者と魔王の
戦い終わりなんじゃない?
戦争終結とかにならないの?」
「いやいや、ことはそう簡単ではない。
ぶっちゃけ魔王である我が死んでも
大局的にはあんま関係ないぞー。
つーか。四天王とか幹部とか、
世襲で魔王になった我のこと露骨に
見下しているし陰口叩いているからなっ!
なんだったら、アイツら我が殺されたら
自分が魔王の玉座に座ろうとする
恐ろしい奴らばっかりだからなっ!」
「ところで、お主が亡命したことは
バレていないのじゃろうな?
もし、バレてこっちに戦火が
飛び火するのはごめんなのじゃ。
この村の住民の安全が確保できない
ようであれば、申し訳ないが
魔王ユミルを受け入れることは
できないのじゃ」
「ああ、もちろんその辺りの
対策はバッチリだ。魔王役に
我の影武者立ててるから大丈夫だ。
亡命する計画については
子供の頃から世話をしてくれた、
乳母兼メイドのサーシャ以外には
話してないしな。彼女は絶対裏切らない。
ちなみに乳母兼メイドのサーシャは
我の初恋の人でもあり、いずれは
妻にしたいと思っている女性だ」
(うわあ。恋愛事情とかどうでも
良いこと話しだしたよ。この魔王
そして、きっと子供の頃にメイド
さんに恋したせいで性癖が複雑に
こじらしちゃってるな……)
サトシはそう思ったのだが、
性癖を拗らせているのは
サトシも同じなのであるが
本人はその自覚はないのであった。
一方で、ミミは魔王と乳母メイドの
恋愛話に興味津々のようだ。
恋愛トークが好きなあたりは
やはり種族を問わず、
それは年ごろの少女と
言ったところであろうか。
「ところで、お主の乳母メイドの
サーシャとやらは、お主と
どれくらいの年の差なのじゃ?」
「愛しのサーシャは、我よりも
10歳ほど上だ。年齢は30代半ば
といったところだな。
おっぱいのデカイ優しい女性だ
まるで母性の塊のような女性だ」
「年齢差はお主は気にせんのか?」
「年の差などは、些細な問題……。
――否。むしろ、我は
年の差があるのがいいのだ」
「ほう……なかなか見どころ
のある魔王のようじゃな」
「いやだってなんていうか、
むしろそれくらいの年齢の方が
エロいというか、艶っぽくて
いいじゃないですかぁ……。
おっぱいでデカイし金髪ロング
だしげへへ……。はい、最高です」
魔王ユミルは鼻の下を
伸ばしながら語る。
イケメン顔が台無しである。
「ふむ……。さすがは魔王じゃな。
素晴らしい価値観を持って
いるようじゃの。妾はお主から、
確かな王としての格を感じた」
「我、最近思うんだが、
20代ってのはなァ……クソガキなンだよ
やっパ、女性は30を超えてからダロ?」
微妙に禁書目録の一方通行《アクセ○レーター》さん
風の口調になりながら語る。
なお、一方通行《アクセ○レーター》さんは
中学生はBBAと言う男なので、魔王とは
性癖的には正反対と言えるだろう。
「さすがは魔王なのじゃ。妾も同意見なのじゃ。
ちなみに妾の男性の好みはアラフォーじゃ。
微妙にくたびれた感じとか枯れた感じが
イケていると常々思っていたのじゃ。
ちなみに妾の旦那さまであるサトシは
43歳なのじゃ。まさに妾の理想の男子なのじゃ」
魔王はミミと同じ波長のような
ものを感じたのか、
無言で握手を交わす。
サトシはイケメンが妻と
握手をすることに内心ちょっと
嫉妬したので、話を別の
方向に切り替える。
「はいはーい。話を戻すよー!
んで、ユミルさん的にはその
メイドのサーシャさんは
信用に値すると考えていると
そういうことだな」
「そうだ。間違いない。しばらくは
魔王城の間諜として、サーシャに
待機してもらうが、いずれは
この村の我の家に住まわせて
妻にしたいと思っている」
サトシは魔王ユミルの瞳をじっと
見つめても揺るがないあたり
どうやら乳母とメイドに魔王が
絶対に信頼を置いていることは
事実であることが分かった。
「四天王以外の部下はお前が
いなくても大丈夫なのか?」
「大丈夫だ……。っていうか、
アイツらそもそも我のことを
基本的に無視してるどころか、
『世襲魔王(笑)』とか『七光魔王《ナナヒカリ》』とかいって
馬鹿にしてるからな。
本当泣きたくなる……
そもそも我だって魔王なんて
なりたくなかったっつーの!!」
「そりゃ辛いな。世襲制も良し悪しだな」
「我としては魔王は選挙とかで
決めて欲しかったのだ」
「それで、ユミルさん、
もし村に移住するとなると
魔王といえども何か仕事を
してもらわなきゃならないん
だけど、魔王さんは何ができる?」
「我? うーん。魔法を少々と、
内政全般はできるぞ?
財政管理から兵站管理から
住民管理。まぁ……事務系
の仕事全般は我の得意分野だ」
サトシは机の下で小さく
ガッツポーズを取る。
まさに今最も求めていた
スキルを持った人材である。
「おしっ! 即戦力採用だ!」
=================
【辺境村の開拓状況】
◆住民
土属性:1名
世界樹:1名
ドワーフ:35名
魚人族《ディープワン》:28名
魔王:1名 ←New!
ゴーレム:たくさん
◇特産品
ケチャップ
213
あなたにおすすめの小説
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる