《完結》隠れヤンデレ奴隷が契約解除してくれません!!

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過保護な推しはなんか怖い

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意識が浮上してくる。
だけどなんだかふわふわする。
誰かに撫でられてるような。
くすぐったい。
でもなんだか優しい撫で方でもっと撫でて欲しくてその手に擦り寄った。

「、、、、可愛い。」


ステラの声が聞こえた気がしたが、ステラがそんなことを言うはずがないのでまだ夢の中だと思った。
なんだか幸せな夢だなと思った。
このまま撫でられながら眠りたいと思った。

「ステラ様。もうそろそろリリウム様を、起こしていただいてもよろしいですか?
私が起こしてもいいのですけれど、、。ステラ様が起こしたいとおっしゃったから承知しましたがもうお昼でございますよ。」

サラの呆れたような声が聞こえた。

「ごめんなさい。もうそんなに時間が経っていたんですね。ご主人様。起きてください。」

あれ、。夢じゃなかった?
ゆっくりと瞼を開けるとベッドの横にある椅子に座っているステラと目があった。

朝から推しの美しさに鼻血が出そうになる。
俺が鼻を抑えるとステラが慌てたように俺の顔をのぞいた。

「大丈夫ですか?ご主人様。もしかしまだ体調が優れないですか?」

「いや、大丈夫だ。」

ステラの美しさにやられました、など本人に言えるわけがないだろう。

「よかったです。ご主人様は先日の歓迎会で重度の魔力酔いを起こしていました。そのため本日のスケジュールは中止になったんですよ。」

「そうなのか!?俺は魔力酔いを起こしていたのか、、、。」

ステラに送った魔法はすごく負荷がかかっていて、しかもそのようなものを2回も行ったため魔力酔いを起こしてしまったらしい。
魔力酔いとは魔力の使いすぎで自分の魔力に酔ってしまうやつだ。軽度の目眩や嘔吐などの症状が出るものだが、意識が途切れたといことは、結構使ってしまったのだろう。

ちなみに魔力酔いが限界突破をすると魔力欠乏症となり魔力がなくなり死ぬ恐れがある。
あの魔法をステラに何度も見せると言ってしまったが、今後は対処法を考えなければいけなさそうだ。

「本当に心配したんですからね。リリウム様がステラ様に抱えられながら戻ってこられた時、本当に何があったのかと、、、」

サラが心配そうに言う。

「心配かけてすまない。体調は多分大丈夫だ!」

「今日は安静にしといてくださいね、薬と朝食を今からお運びしますから。」
「ありがとう。」

サラが出ていく。
ステラと二人きりになったと思った瞬間ステラに手を繋がれた。

ん、なんか距離近くないか?
そう思ったが普通に推しに手を繋いでもらえるのはオタクとしてありがたいご褒美なのでそのままにしておく。

「ご主人様、今日一日中私も予定を中止させてもらいましたから、今日はつきっきりで看病させていただきます。よろしいですよね?」

ステラがにっこりと笑う。
人工的な笑みではなくなったはずなのに、なんだか怖い。
なんか圧を感じる。

「俺の体調は大丈夫だぞ?」

「嫌なのですか?」

ステラが悲しそうな顔をする。
なんか昨日とは違って表情は人工的ではないのに、やっぱりなんというか怖い。
昨日の歓迎会は成功したよな、、、??
というかそんな顔をされるとなんでも許したくなってしまう。

「嫌ではないんだが、、その、、」

推しに看病させるのは心臓に悪いと言うか、別の意味で体調を崩してしまいそうであった。

「嫌ではないんですね?それならそうさせてもらいます。」

、、、、勝手に決まってしまった。

サラが朝食、正確には昼に近い食事を運んできた。
ステラが俺をテーブルに移動させる。俺を座らせた後、

「サラさん。私がご主人様のお世話をしますから、たまには休んでください。」

そう言ってステラがサラを部屋から出した。
気遣えるステラかっこいいなと思っていると、ステラがスープを掬って俺の口に近づけた。
え、推しにあーんされてる?と思って状況が理解できなくて固まってしまった。

「ご主人様、口を開けてください。」

ステラに注意をされた。

「いや、これくらい自分で食べれるーーー」

「いえ、まだ魔力酔いは残っていますよ。またお倒れになられたら心配なので私が食べさせてください。」

有無を言わさせない笑顔で言われて口を開ける。
そしてそのまま食べさせられてしまった。

そしてその後もあれやこれやと世話をされた。
お風呂までついてこようとした時には流石に怒ってしまった。
恥ずかしいからだ。
ステラはちょっと残念そうに見えたが、、見せれないものはあるに決まっている。


こんな感じで1日が過ぎようとしていた。
こんなに推しに世話をさせていいのだろうかと困ってしまったが俺の世話をしている時のステラの顔はなんだか幸せそうに見えた。
まあ、とにかくステラの寂しいという目がなくなって、人工的な笑顔がなくなったのはいいことだろう。

笑顔に関してはある意味人工的なものを感じる笑顔があって別の問題を感じてきたが、、、。







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過保護で腹黒いステラです。
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