《完結》隠れヤンデレ奴隷が契約解除してくれません!!

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キルバーン公爵の茶会

秋のよく晴れた日。

俺はキルバーン公爵領に来ていた。

飾り付けられた会場にめいいっぱいに着飾った招待客が溢れていた。

この茶会のホストであるキルバーン公爵が着くまでみんな思い思いに話に花を咲かせていた。

俺は若いからか、一番若く、身分の高いグループに席が用意されていた。

ステラはお金だけでこの茶会に参加した人など身分の高くない人たちのグループに席が用意されていたため別れることになってしまった。

そしてハリス兄上は父上の隣で参加するらしく、俺のグループにはいなかった。

俺のグループにいる人を見渡すと、どの顔も一度はどこかしらで見たことがある顔だった。

もちろんみんな貴族だ。

その中でも俺の真正面に座っている、女性のオーラが凄まじかった。

キルバーン家の分家の家の16歳の娘、フィオナ嬢だ。

美しい薄い水色の髪が腰まで伸びていて、背筋をまっすぐ伸ばして座っている様はこのグループの中でも一番際立って美しかった。

何人もの人々が彼女を盗み見ている。

「ふふっ。
皆様、お久しぶりですね。
特に第二王子殿下、お元気にお過ごしでしたでしょうか?
またこうして挨拶できることを心から嬉しく思っております。」

フィオナ嬢が微笑みながら俺に向かって座りながらも美しくお辞儀をした。

「あぁ。
フィオナ嬢。私は元気だ。
みんなも元気だったか?」

俺は会話を続けようと周りに話しかけてみた。

「、、、、。」

え、俺第二王子のはずだよな、、、。

心配になるくらいみんな黙りこくっている。

「私は元気でしたよ、第二王子殿下。
それよりも陛下、久しぶりの茶会に来られるほど体調が回復されたのですね。
本当にいつも急に休まれますもんね。
私は陛下のか弱い体が平気なのかと心配です、、、。」

静寂を一人の男の声が破った。

ジャックリー・アーバスだ。

こいつはいつもハリス兄上にくっついている側近でいつも俺に嫌味を言ってくるのだ。

本当に主人に似て嫌なやつである。

俺がいつも茶会に行こうとすると父上が勝手に体調不良で休ませるのだ。

そして貴族の中の噂では仮病使いの王子である。

それに加えてわがままで暴君なイメージの俺だったから、わがままを言って休み、主催する貴族に迷惑をかけまくる嫌な奴になってしまっているのだ。

「第二王子殿下が元気とおっしゃってるのなら元気なのでしょう。
それよりも皆様、今回のキルバーン公爵の茶会の展示品はなんだと思いますの?」

フィオナ嬢が華麗に話を展開してくれる。

そう、彼女はいつもこうなのだ。

俺が困っているとしれっと助けてくれる。

俺はフィオナ嬢を陰で姉さんと名付けていた。

前世の記憶を取り戻した今、仲良くなりたい人物ナンバーワンである。

今日で仲良くなれるといいのだが、、。

考えているうちに貴族たちが話し始めた。


「今回は珍しい物が展示されているとお父様から聞きましたわ。
ずっと中が冷たい箱や南部に住んでいる民族の伝統的な装飾品などがすでに発表されていますわね。」

「今回はなんと言ってもあの奇妙な魔法石だろう!!
ずっとキルバーン公爵殿が隠していたんだ!
それがついに今回は発表されるらしい!」

興奮気味に話す男に釣られて一気にその話に火がついてしまった。

みんな魔法石に関わる噂をし始める。

「確か何年か前の茶会で忍び込んで魔法石を取ろうとした男がいてその男が魔法石をとった瞬間男は燃えてなくなったという話があるらしい。」

「それならこんな噂もあるぞ。
キルバーン公爵のメイドが宝庫室の掃除をしていたところその魔法石から不気味な呻き声がしたらしい。
そのメイドは今でもその声が聞こえてきそうな気がして精神を病んでしまったらしい。」

どれもこれも信憑性のない話ばかりだな、、。

ただこの噂が正しいのならその魔法石は確かに不思議だ。

魔法石は純粋に魔力がこもった石なので呻き声もあげないし、魔法石自体が自ら魔法を起こすことはできない。

つまり自ら発火することはない。

なんだか気になる魔法石である。

話が盛り上がっていた頃、キルバーン公爵家の使用人の声が響き渡った。


「皆様、ようこそお越しくださいました。
ここで来賓の方にご入場いただきます。」

何人かの貴族が呼ばれると同時に会場に入り座っていく。

この国の有力貴族たちだ。

このグループの親たちでもある。

みんな親の登場に精一杯拍手を送っていた。

「、、、続きまして、王家の皆様です。
国王殿下ーー」

ついに俺の家だ。

父上と兄上、そして王妃がゆっくりと入場してきた。

俺は子供だからという理由でこの席にいる。

うーん俺はハリス兄上と3歳しか変わらないんですけど!!

少し不満に思ってしまった。

王妃は俺の目線に気づくとやはり殺すような目を向けてきた。

本当に怖い人だ。

王家が全員着席したところで一際大きな声がした。

「そして!!
我が主!、そしてこの茶会のホストでございます。
デヴォン・キルバーン様のご入場です!」

ゆっくりとした足取りでキルバーン公爵が入場した。

メガネをかけて、緩くウェーブしてある髪は老いを感じさせなかった。

「皆様、ようこそお越しくださいました。
私がこの茶会のホスト、デヴォン・キルバーンでございます。
今回は例年よりも珍しい物を展示しております。
別館の方に展示しておりますのでどうぞ、ゆっくりとご覧ください。
また、ゲームについては後ほど発表させていただきます。
それでは皆様、まずは茶会をお楽しみください。」

キルバーン公爵の合図とともに茶会がスタートした。




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