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第八章 国家エスカルド
毒入りクッキー擬き
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ジョンはマリアが持っていた箱を見る
「それは?」
「ナサルお手製のクッキーよ」
「へーナサルお手製のクッキーですか……」
ナサルがエミリーを快く思って居なかった事を思い出すジョン
「毒なんて入れて無いよな?」
「!? 馬鹿を言うな!!」
「なら良いんだが」
三人はエミリーの館の玄関前に立つ、そしてジョンが扉をノックするそのノックに応じて使用人であろう人物が扉を開き現れる
「はい? あ、ワルクルスお嬢様……お久しぶりです」
「ナーナ久しいわね、エミリーに会いたいのだけど良いかしら?」
ナーナの顔は優れない、そして申し訳なさそうであった。
「ワルクルスお嬢様、申し訳ございません、エミリーお嬢様は会いたくないと言っております」
エミリーに確認に行くことも無くナーナはそう言ったつまりエミリーは事前に言っていたのだマリアが来たら追い返してくれと
「会いたくないとはどういう事ですか? 理由を聞かせて下さい」
ナサルが食い下がる
「すいません、それは私も分かりません、兎に角会いたくないとそう言っておいでです」
「お願いします。お取次ぎ願いませんか? 貴方はエミリーに一度も確認に言って居ない」
「もしかしたら心変わりしてるかもな」
「……分かりました。少々お待ちください」
しかし結果は同じだった。エミリーはマリアと会いたがらなかった。それに酷くショックを受けるマリア
「どうして……私の事嫌いになっちゃったのかな?」
「そんな事はありません、絶対に別の理由が有る筈です」
「どうしてそう言い切れるの……? 無責任な事を言わないで!」
自分が大声を出している事、ナサルに八つ当たりをしてしまった事、自分のやった事を一瞬で知り、ナサルに申し訳なくなるマリア
「あ、御免なさい……貴方は悪くないのに……ごめんなさい」
「良いんですよ、私は気にしていません」
「おいおいおい、何、仲良しこよしやってんだ? そんな場合じゃないだろ?」
「じゃあ教えてくれ、どんな場合だと言うんだ」
「マリアお嬢様、聞きたくありませんか? 何故エミリーがマリアお嬢様と会いたがらないか?」
「で、でもエミリーは私と会ってくれないわ」
「何受動的になってるんですか? 此処は自ら動かなくては何も変わりませんよ、会いましょう、彼女と」
「どうやって……?」
「エミリーの部屋はあそこ、見えます? あの捻じ曲がった木が立っている所が見えますよね? あの木の枝が伸びているあの窓、あの窓がエミリーの部屋の窓です」
「な、何をするつもりだ?」
「簡単、今は丁度この辺りの道の人気も無いしこの屋敷には警備兵がほとんど居ない、だからあの木によじ登って窓を叩くんです。そして「ヘイ!」と声を掛ける簡単でしょ?」
「駄目だ! それは犯罪じゃないか!」
「犯罪を犯してでも会わなきゃならない友人なんじゃないですか? どうです? どっちです? マリアお嬢様?」
ジョンの問いに少し悩んだ末マリアは犯罪者となる
「それは?」
「ナサルお手製のクッキーよ」
「へーナサルお手製のクッキーですか……」
ナサルがエミリーを快く思って居なかった事を思い出すジョン
「毒なんて入れて無いよな?」
「!? 馬鹿を言うな!!」
「なら良いんだが」
三人はエミリーの館の玄関前に立つ、そしてジョンが扉をノックするそのノックに応じて使用人であろう人物が扉を開き現れる
「はい? あ、ワルクルスお嬢様……お久しぶりです」
「ナーナ久しいわね、エミリーに会いたいのだけど良いかしら?」
ナーナの顔は優れない、そして申し訳なさそうであった。
「ワルクルスお嬢様、申し訳ございません、エミリーお嬢様は会いたくないと言っております」
エミリーに確認に行くことも無くナーナはそう言ったつまりエミリーは事前に言っていたのだマリアが来たら追い返してくれと
「会いたくないとはどういう事ですか? 理由を聞かせて下さい」
ナサルが食い下がる
「すいません、それは私も分かりません、兎に角会いたくないとそう言っておいでです」
「お願いします。お取次ぎ願いませんか? 貴方はエミリーに一度も確認に言って居ない」
「もしかしたら心変わりしてるかもな」
「……分かりました。少々お待ちください」
しかし結果は同じだった。エミリーはマリアと会いたがらなかった。それに酷くショックを受けるマリア
「どうして……私の事嫌いになっちゃったのかな?」
「そんな事はありません、絶対に別の理由が有る筈です」
「どうしてそう言い切れるの……? 無責任な事を言わないで!」
自分が大声を出している事、ナサルに八つ当たりをしてしまった事、自分のやった事を一瞬で知り、ナサルに申し訳なくなるマリア
「あ、御免なさい……貴方は悪くないのに……ごめんなさい」
「良いんですよ、私は気にしていません」
「おいおいおい、何、仲良しこよしやってんだ? そんな場合じゃないだろ?」
「じゃあ教えてくれ、どんな場合だと言うんだ」
「マリアお嬢様、聞きたくありませんか? 何故エミリーがマリアお嬢様と会いたがらないか?」
「で、でもエミリーは私と会ってくれないわ」
「何受動的になってるんですか? 此処は自ら動かなくては何も変わりませんよ、会いましょう、彼女と」
「どうやって……?」
「エミリーの部屋はあそこ、見えます? あの捻じ曲がった木が立っている所が見えますよね? あの木の枝が伸びているあの窓、あの窓がエミリーの部屋の窓です」
「な、何をするつもりだ?」
「簡単、今は丁度この辺りの道の人気も無いしこの屋敷には警備兵がほとんど居ない、だからあの木によじ登って窓を叩くんです。そして「ヘイ!」と声を掛ける簡単でしょ?」
「駄目だ! それは犯罪じゃないか!」
「犯罪を犯してでも会わなきゃならない友人なんじゃないですか? どうです? どっちです? マリアお嬢様?」
ジョンの問いに少し悩んだ末マリアは犯罪者となる
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