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第八章 国家エスカルド
思い掛けない事態
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次の日、マリアにとって思い掛けない事が起こった。
シルフィアが学校に来るなりマリアに謝り、自分達のして来たことを全て話したのだ。
そして彼女は学園を去った。マリアは只々呆然とした。意味が分からなかったのだシルフィアが真犯人だと知らなかったマリアからしてみれば当然であるそしてそのファン達も自らの罪を認め制裁を受けた。マリアはジョンの顔が脳裏に浮かんだ。
(ま、まさかあの人何かしたの!? そ、そうとしか考えられない、行き成り次の日に白状するなんて……誰かに何かをされたとしか……)
学園の教師達もそんな事が有ったので混乱状態に陥っている、その混乱の中、下校まで時が進んでしまった。
訳の分からないままマリアは校門前で待って居た使用人と共に父の兄弟の家に帰った。そして早速
「ジョン! ジョンは居ないの!?」
その声を聞いて驚いて使用人達やナサルが奥から出て来た。
「ど、どうかなさったんですか? ジョンが何かしたのですか? お嬢様?」
「ジョンが何処に居るか知らない!?」
「さ、さぁ? 存じ上げません」
「何処に行くか予想できる?」
「それも存じ上げません、何せジョンの事をあまり知らないものですから……」
「そうよね……驚かせて悪かったわね」
使用人達はそれを聞いて退散するがナサルだけが残った。
「何故ジョンを捜しているのですか?」
マリアは今日学校で起こった事を話した。
「その件にジョンが関与しているとお嬢様は考えているのですね?」
「えぇ……」
「それが確かかジョンに確認したいのですね?」
「だって、もしこれが本当だとしたら、これは命令違反よ、それにこの事を私にも話さなかった! 少しお説教して上げなきゃいけないわ!」
「そ、そうですね……」
ジョンに言いくるめられるだけだと思ったナサルだがそれはグッと抑えた。
「まぁまぁ、ジョンは後で良いでは無いですか、そんな事より今日エミリー様と会うのでしょう? 良いのですか?」
「そうね……ジョンより先ずはエミリーよ! エミリーに会いに行きましょ!」
「はい!」
ナサルとマリアは館を出てナサル手作りのクッキーの入った菓子折りを持ってエミリーの館に向かう
「私の友人の為にクッキーを作ってくれてありがとう、ナサルお手製のクッキーならエミリーも喜ぶわナサル」
「私はお嬢様の騎士として当然の事をしたまでです。エミリー様のお口に合うと良いのですが……」
「大丈夫よ、なんせナサルのクッキーは世界一のクッキーなんですからね、私が保証するわ、絶対に喜んでくれるわよ」
「ふふふ、なら嬉しいです」
他愛のない会話をしながらエミリーの家に向かう二人はまるで親子の様
しかしそんな美しい雰囲気はエミリーの家に着いた瞬間崩れ去る
エミリー邸の前にてジョンが仁王立ちで待って居たのだ。
「あ!? ジョン!! 何をしているの!?」
「何ってマリアお嬢様を待って居たんですよ?」
「待って居たって……何故一人で行ったんだ」
「それは後々説明する、さ、行こうか? マリアお嬢様」
「ま、待ちなさいよ! 貴方には話が――」
「そんな呑気な事をしている場合ですか? マリアお嬢様? そんな事より友人と会うのが大切じゃないですか?」
「うっ……分かったわよ、後でちゃんと聞かせて貰うわよ」
「イエッサー」
シルフィアが学校に来るなりマリアに謝り、自分達のして来たことを全て話したのだ。
そして彼女は学園を去った。マリアは只々呆然とした。意味が分からなかったのだシルフィアが真犯人だと知らなかったマリアからしてみれば当然であるそしてそのファン達も自らの罪を認め制裁を受けた。マリアはジョンの顔が脳裏に浮かんだ。
(ま、まさかあの人何かしたの!? そ、そうとしか考えられない、行き成り次の日に白状するなんて……誰かに何かをされたとしか……)
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訳の分からないままマリアは校門前で待って居た使用人と共に父の兄弟の家に帰った。そして早速
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「ジョンが何処に居るか知らない!?」
「さ、さぁ? 存じ上げません」
「何処に行くか予想できる?」
「それも存じ上げません、何せジョンの事をあまり知らないものですから……」
「そうよね……驚かせて悪かったわね」
使用人達はそれを聞いて退散するがナサルだけが残った。
「何故ジョンを捜しているのですか?」
マリアは今日学校で起こった事を話した。
「その件にジョンが関与しているとお嬢様は考えているのですね?」
「えぇ……」
「それが確かかジョンに確認したいのですね?」
「だって、もしこれが本当だとしたら、これは命令違反よ、それにこの事を私にも話さなかった! 少しお説教して上げなきゃいけないわ!」
「そ、そうですね……」
ジョンに言いくるめられるだけだと思ったナサルだがそれはグッと抑えた。
「まぁまぁ、ジョンは後で良いでは無いですか、そんな事より今日エミリー様と会うのでしょう? 良いのですか?」
「そうね……ジョンより先ずはエミリーよ! エミリーに会いに行きましょ!」
「はい!」
ナサルとマリアは館を出てナサル手作りのクッキーの入った菓子折りを持ってエミリーの館に向かう
「私の友人の為にクッキーを作ってくれてありがとう、ナサルお手製のクッキーならエミリーも喜ぶわナサル」
「私はお嬢様の騎士として当然の事をしたまでです。エミリー様のお口に合うと良いのですが……」
「大丈夫よ、なんせナサルのクッキーは世界一のクッキーなんですからね、私が保証するわ、絶対に喜んでくれるわよ」
「ふふふ、なら嬉しいです」
他愛のない会話をしながらエミリーの家に向かう二人はまるで親子の様
しかしそんな美しい雰囲気はエミリーの家に着いた瞬間崩れ去る
エミリー邸の前にてジョンが仁王立ちで待って居たのだ。
「あ!? ジョン!! 何をしているの!?」
「何ってマリアお嬢様を待って居たんですよ?」
「待って居たって……何故一人で行ったんだ」
「それは後々説明する、さ、行こうか? マリアお嬢様」
「ま、待ちなさいよ! 貴方には話が――」
「そんな呑気な事をしている場合ですか? マリアお嬢様? そんな事より友人と会うのが大切じゃないですか?」
「うっ……分かったわよ、後でちゃんと聞かせて貰うわよ」
「イエッサー」
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