97 / 120
第八章 国家エスカルド
夢の前
しおりを挟む
夜
元気なくジョンはサーカスまで向かう、その隣にはマリアが居る
「ジョン大丈夫? 顔色悪いわよ」
「今の俺にあまり触れないで下さい」
「何よ、今まで散々好き勝手な事を言って来たのにこういう時だけ自分の言う事を聞いて貰おうなんて甘いわ! さぁ! サーカスに着くまで存分に語らいましょう!」
「執事虐めはみっともないですよ」
「主人虐めの方がもっと悪いわよ!」
そう二人で騒いでいるといつの間にかにサーカステント前に着く
その巨大なテントの前には多くの人間が並んでいたり、立ち止まってテントを見て居る者も居た。そしてそんなお客を飽きさせない為にピエロがジャグリング等をしてお客を喜ばしている
「わ……すごい人ね……やっぱり人気なんだぁ」
「何が良いんだか……」
Cランク以上のチケットには席の番号が書いてあるので並ぶ必要は無いがDランクのチケットは立見席なので場所取りの為に並ぶ必要がある
ジョン達がその列をボーと見て居ると
「あ! ジョン! 見て! あれセルフィじゃない?」
列の一番後ろにセルフィが並んでいた。綺麗な白いドレスを着ている
「わぁ……綺麗」
マリアはそう言ってため息を吐き、自分の方を見る
「ねぇ、ジョン私も負けていないでしょう?」
「マリアお嬢様の圧勝ですね、よ! 世界一!」
「……そう言われたらそう言われたで腹が立つわね……」
ジョンは近付きたくなかったがマリアが向かって行ったので仕方が無くセルフィに向かっていった。
そしてよく見てみるとセルフィを見て居るのはマリア達だけじゃなく周りの他の人達もセルフィを見て見惚れている
「うわぁ、綺麗」
「エルフだよ! あの人!」
「初めて見たぁ」
セルフィの前で列に並んでいる人からも
「い、いいよ、変わってあげる」
と順番を変わってあげると多少の下心も含めながら言われている
「いいえ、そんな……悪いです」
「いや、いいよ」
「私は大丈夫ですから、気にしないで下さい」
「そ、そうなんだ……ごめんね」
「い、いえ……」
お互い会話が苦手な様でそこで話が終わってしまう
「セルフィ!」
そう呼ばれたので振り返るセルフィ、するとマリアが手を振っているのを発見する
「あ、マリアさん……ジョンさん」
今まで独りだったので心細かったセルフィの顔は少し明るくなるがジョンの顔を見て次は赤くなる
「マリアさん達もサーカスに?」
「えぇ! そうよ! 言ってなかったかしら?」
「うん、聞いてませんよ」
「あら、そうだったかしら?」
「えぇ……若呆けですか? 可哀そうに」
「呆けて無いわよ!」
「ふーん、まぁそんな事よりセルフィお前に渡したい物が有ったんだ受け取ってくれ」
「? 何ですか?」
そう言ってジョンは自分が持って居たチケットをセルフィに渡そうとする
「え?」
「!?」
セルフィはチケットに書かれているA-2と書かれた文字を見て驚愕する
「い、いえ! こ、こんな、頂けませんよ!!」
「別に俺の事は気にするなよこのチケットは無理矢理渡された物でね、サーカスなんざ見たくないんだがどうしても見ろと言われて仕方が無く来てるだけなんだ」
「本当に良いんですか……?」
「俺は受け取ってくれた方が助かる」
「……本当に?」
「しつこいぞ」
「あ、ごめんなさい……」
「ジョン! セルフィが怖がってるじゃないの!!」
「そりゃ失敬しましたね」
「ほら、ジョンが良いと言っているのだから受け取れば良いのよ」
マリアはジョンからチケットを奪ってセルフィの手に無理矢理突っ込む
「ありがとうございます。ジョンさん、大切にします」
「礼は要らない、これは交換条件なんだからな、そのDクラスのチケットを寄こせ」
ジョンはセルフィのチケットを奪う
「案外と良い所あるじゃない、ジョン」
「案外は余計ですよ」
「あ、あのジョンさん」
「何だ?」
「このドレス似合っているでしょうか……?」
ジョンはセルフィの足元から頭まで見て
「さぁ?」
と言った。
「なによその感想! そんな感想聞いた事が無いわ! かわいいとか素敵とか言いなさいよ!」
「そうは言われましてもね、どうでも良い事に一々感想なんて持ちませんよ」
「あ、あなた! 言って良い事と悪い事があるのよ!」
「俺がそんな区別付けられると思ってるんですか? それが出来れば今頃友達百人は出来てますよ」
「何偉そうに言ってるのよ!」
「やっぱり、似合ってないのかな……」
セルフィはそう言って俯いてしまう
「そんな事無いわよ、この意地悪男がおかしいだけよ」
「おかしくて失敬」
開演まで後二十分という所でサーカステントの扉が開く
並んでいた人達が一斉に中へ入って行く
「あなた、行かなくて良いの?」
「言ったでしょ? 俺は別に見たくないんです。だから後ろの方でも構いません」
「あらそう……全く、ノリが悪いわね」
マリアは不機嫌そうに腕を組む
元気なくジョンはサーカスまで向かう、その隣にはマリアが居る
「ジョン大丈夫? 顔色悪いわよ」
「今の俺にあまり触れないで下さい」
「何よ、今まで散々好き勝手な事を言って来たのにこういう時だけ自分の言う事を聞いて貰おうなんて甘いわ! さぁ! サーカスに着くまで存分に語らいましょう!」
「執事虐めはみっともないですよ」
「主人虐めの方がもっと悪いわよ!」
そう二人で騒いでいるといつの間にかにサーカステント前に着く
その巨大なテントの前には多くの人間が並んでいたり、立ち止まってテントを見て居る者も居た。そしてそんなお客を飽きさせない為にピエロがジャグリング等をしてお客を喜ばしている
「わ……すごい人ね……やっぱり人気なんだぁ」
「何が良いんだか……」
Cランク以上のチケットには席の番号が書いてあるので並ぶ必要は無いがDランクのチケットは立見席なので場所取りの為に並ぶ必要がある
ジョン達がその列をボーと見て居ると
「あ! ジョン! 見て! あれセルフィじゃない?」
列の一番後ろにセルフィが並んでいた。綺麗な白いドレスを着ている
「わぁ……綺麗」
マリアはそう言ってため息を吐き、自分の方を見る
「ねぇ、ジョン私も負けていないでしょう?」
「マリアお嬢様の圧勝ですね、よ! 世界一!」
「……そう言われたらそう言われたで腹が立つわね……」
ジョンは近付きたくなかったがマリアが向かって行ったので仕方が無くセルフィに向かっていった。
そしてよく見てみるとセルフィを見て居るのはマリア達だけじゃなく周りの他の人達もセルフィを見て見惚れている
「うわぁ、綺麗」
「エルフだよ! あの人!」
「初めて見たぁ」
セルフィの前で列に並んでいる人からも
「い、いいよ、変わってあげる」
と順番を変わってあげると多少の下心も含めながら言われている
「いいえ、そんな……悪いです」
「いや、いいよ」
「私は大丈夫ですから、気にしないで下さい」
「そ、そうなんだ……ごめんね」
「い、いえ……」
お互い会話が苦手な様でそこで話が終わってしまう
「セルフィ!」
そう呼ばれたので振り返るセルフィ、するとマリアが手を振っているのを発見する
「あ、マリアさん……ジョンさん」
今まで独りだったので心細かったセルフィの顔は少し明るくなるがジョンの顔を見て次は赤くなる
「マリアさん達もサーカスに?」
「えぇ! そうよ! 言ってなかったかしら?」
「うん、聞いてませんよ」
「あら、そうだったかしら?」
「えぇ……若呆けですか? 可哀そうに」
「呆けて無いわよ!」
「ふーん、まぁそんな事よりセルフィお前に渡したい物が有ったんだ受け取ってくれ」
「? 何ですか?」
そう言ってジョンは自分が持って居たチケットをセルフィに渡そうとする
「え?」
「!?」
セルフィはチケットに書かれているA-2と書かれた文字を見て驚愕する
「い、いえ! こ、こんな、頂けませんよ!!」
「別に俺の事は気にするなよこのチケットは無理矢理渡された物でね、サーカスなんざ見たくないんだがどうしても見ろと言われて仕方が無く来てるだけなんだ」
「本当に良いんですか……?」
「俺は受け取ってくれた方が助かる」
「……本当に?」
「しつこいぞ」
「あ、ごめんなさい……」
「ジョン! セルフィが怖がってるじゃないの!!」
「そりゃ失敬しましたね」
「ほら、ジョンが良いと言っているのだから受け取れば良いのよ」
マリアはジョンからチケットを奪ってセルフィの手に無理矢理突っ込む
「ありがとうございます。ジョンさん、大切にします」
「礼は要らない、これは交換条件なんだからな、そのDクラスのチケットを寄こせ」
ジョンはセルフィのチケットを奪う
「案外と良い所あるじゃない、ジョン」
「案外は余計ですよ」
「あ、あのジョンさん」
「何だ?」
「このドレス似合っているでしょうか……?」
ジョンはセルフィの足元から頭まで見て
「さぁ?」
と言った。
「なによその感想! そんな感想聞いた事が無いわ! かわいいとか素敵とか言いなさいよ!」
「そうは言われましてもね、どうでも良い事に一々感想なんて持ちませんよ」
「あ、あなた! 言って良い事と悪い事があるのよ!」
「俺がそんな区別付けられると思ってるんですか? それが出来れば今頃友達百人は出来てますよ」
「何偉そうに言ってるのよ!」
「やっぱり、似合ってないのかな……」
セルフィはそう言って俯いてしまう
「そんな事無いわよ、この意地悪男がおかしいだけよ」
「おかしくて失敬」
開演まで後二十分という所でサーカステントの扉が開く
並んでいた人達が一斉に中へ入って行く
「あなた、行かなくて良いの?」
「言ったでしょ? 俺は別に見たくないんです。だから後ろの方でも構いません」
「あらそう……全く、ノリが悪いわね」
マリアは不機嫌そうに腕を組む
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる