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第八章 国家エスカルド
強引な彼
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ジョンがマリアの部屋を出るとそこにはガルスが立っていた。扉を閉めるジョン
「急用は済んだのか?」
「えぇ、済みましたよ、ジョン君」
「ふーん……マリアお嬢様の部屋の中をコッソリと覗くのが用事だった訳だな」
ガルスは部屋を出てジョンとマリアを二人っきりにした後コッソリと中の様子を窺って居たのだ。その事をジョンは知っていた。
「おやおや、バレていましたか」
「で? どうだった? あんたの望むような結果にはなったか?」
「ふーむ……どうでしょうかね?」
「慰めにはアンタが行ってやるべきだ。俺には出来ない」
そう言ってジョンはその場を離れようとする
「お待ちなさい」
ジョンを引き留めるガルス、ジョンは立ち止まる
「貴方は勘違いをしています。何故お嬢様は私が部屋を出るまで強がっていたのだと思います?」
ジョンは振り返る
「さぁね、知りたくも無い」
「此処では何ですから外で話しましょう」
そう言ってガルスが歩き出す。
「さぁついて来て下さい」
「おいおい、強引だな……そういうのも嫌いじゃないが」
ジョンとガルスは屋敷の外に玄関から出て人気の無い場所まで移動する
人気の無い裏路地にてお互い正面を見ているこの状況
「キスでもするか?」
「キスをするのなら髭を剃らなければいけませんね」
「チクチクするのも嫌いじゃ無いぜ? クククッで? 何の話だったかな?」
「お嬢様が何故、私が居る時に強がったか? という話です?」
「確かそれに俺は興味無しと返した筈だよな?」
「しかし聞いて頂きたい、強引なのも嫌いでは無いのでしょう?」
「言うんじゃ無かったな」
ジョンは観念してガルスの話を聞く事にした。
「お嬢様は滅多に人に弱音を吐きません、両親にもです。人に心配は掛けたく無いのでしょう……しかし心から信頼している人物には弱い所を見せるのです。ナサルさんには見せていました」
「へーそれでアンタには見せていないと、悲しい話だな」
「いいえ、情けない話です。長年お嬢様と過ごしていますが何処か壁が在ります。心から気を許しては頂いてません」
「気難しい奴だな、あまり関わり合いになりたくないタイプだ。いや、待てよ……? 関わり合いになりたいなんて思った奴は今まで生きていて居なかった。それはつまりマリアお嬢様ともアンタとも仲良くなるつもりは無いという話だ。アンタはマリアお嬢様が俺に気を許しているのだからそれに応えろとでも言うつもりなのかもしれんが俺にその気はない、勝手に気を許されて勝手に弱音を吐かれてそれを全部受け止めろ? 嫌だね、俺は御免だ。最初にも言ったがそれはアンタがやれよ、気を許されていないと言うのなら努力してみたらどうだ?」
「今の彼女を支えられるのは貴方しか居ない」
切実なガルスの訴え、しかしジョンにとって切実かどうか等どうでも良い事で
「ガルス……マリアお嬢様という女性は支えも無く倒れてしまったらそのまま立ち上がれない程弱い女性なのか? アンタはどう視る? 答えてみてくれよ」
「ジョン君……」
ガルスはそのジョンの問いに答えなかった。
「必ずナサルは見つけ出す。それまで待って居ろ」
「私は最初から待つつもりはありませんよ、ジョン君」
「どういう事だ?」
「貴方の考えも決意も分かりました。私も調査に参加します。人手は多い方が良い、違いますか? さぁ行きましょう! ”必ず”ナサルさんを見つけ出すのでしょう?」
そう言ってニコリと笑うガルス
「……強引過ぎないか?」
引き気味のジョン
「急用は済んだのか?」
「えぇ、済みましたよ、ジョン君」
「ふーん……マリアお嬢様の部屋の中をコッソリと覗くのが用事だった訳だな」
ガルスは部屋を出てジョンとマリアを二人っきりにした後コッソリと中の様子を窺って居たのだ。その事をジョンは知っていた。
「おやおや、バレていましたか」
「で? どうだった? あんたの望むような結果にはなったか?」
「ふーむ……どうでしょうかね?」
「慰めにはアンタが行ってやるべきだ。俺には出来ない」
そう言ってジョンはその場を離れようとする
「お待ちなさい」
ジョンを引き留めるガルス、ジョンは立ち止まる
「貴方は勘違いをしています。何故お嬢様は私が部屋を出るまで強がっていたのだと思います?」
ジョンは振り返る
「さぁね、知りたくも無い」
「此処では何ですから外で話しましょう」
そう言ってガルスが歩き出す。
「さぁついて来て下さい」
「おいおい、強引だな……そういうのも嫌いじゃないが」
ジョンとガルスは屋敷の外に玄関から出て人気の無い場所まで移動する
人気の無い裏路地にてお互い正面を見ているこの状況
「キスでもするか?」
「キスをするのなら髭を剃らなければいけませんね」
「チクチクするのも嫌いじゃ無いぜ? クククッで? 何の話だったかな?」
「お嬢様が何故、私が居る時に強がったか? という話です?」
「確かそれに俺は興味無しと返した筈だよな?」
「しかし聞いて頂きたい、強引なのも嫌いでは無いのでしょう?」
「言うんじゃ無かったな」
ジョンは観念してガルスの話を聞く事にした。
「お嬢様は滅多に人に弱音を吐きません、両親にもです。人に心配は掛けたく無いのでしょう……しかし心から信頼している人物には弱い所を見せるのです。ナサルさんには見せていました」
「へーそれでアンタには見せていないと、悲しい話だな」
「いいえ、情けない話です。長年お嬢様と過ごしていますが何処か壁が在ります。心から気を許しては頂いてません」
「気難しい奴だな、あまり関わり合いになりたくないタイプだ。いや、待てよ……? 関わり合いになりたいなんて思った奴は今まで生きていて居なかった。それはつまりマリアお嬢様ともアンタとも仲良くなるつもりは無いという話だ。アンタはマリアお嬢様が俺に気を許しているのだからそれに応えろとでも言うつもりなのかもしれんが俺にその気はない、勝手に気を許されて勝手に弱音を吐かれてそれを全部受け止めろ? 嫌だね、俺は御免だ。最初にも言ったがそれはアンタがやれよ、気を許されていないと言うのなら努力してみたらどうだ?」
「今の彼女を支えられるのは貴方しか居ない」
切実なガルスの訴え、しかしジョンにとって切実かどうか等どうでも良い事で
「ガルス……マリアお嬢様という女性は支えも無く倒れてしまったらそのまま立ち上がれない程弱い女性なのか? アンタはどう視る? 答えてみてくれよ」
「ジョン君……」
ガルスはそのジョンの問いに答えなかった。
「必ずナサルは見つけ出す。それまで待って居ろ」
「私は最初から待つつもりはありませんよ、ジョン君」
「どういう事だ?」
「貴方の考えも決意も分かりました。私も調査に参加します。人手は多い方が良い、違いますか? さぁ行きましょう! ”必ず”ナサルさんを見つけ出すのでしょう?」
そう言ってニコリと笑うガルス
「……強引過ぎないか?」
引き気味のジョン
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