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第八章 国家エスカルド
疑惑
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ジョンとガルスは城の前にてジェイクと合流し三人で人気の無い所まで移動する、夜なので大道にも人気は殆ど無い
とある空き地にて
「どうだった? 何か収穫は有ったか?」
「……これを収穫と言うのか分からんが」
そう言ってジェイクはワインボトルをジョン達に見せる
「何だこりゃ、祝杯でも挙げる気か?」
「違う、お前となんかと酒なんか飲みたかねぇ、これはとある人物が女王に見舞い品として持ってきたワインだ」
「そんな物を態々持ってきたという事は何か有るということですな?」
「その通りです。毒が入っている可能性があると考えています」
「……毒が入って居たらそいつが首謀者とはならんがね、女王に拝見出来る程のお偉いさんだという事は分かるが」
「そんな事分かってる」
「じゃあ、早速、毒入りワインなのかどうかをチェックしてみてくれよ」
「そう急かすなよ」
そう言ってジェイクがワインボトルの栓を抜く
「どうやって毒が入っているかいないかを判断するんだ?」
「こうするのさ」
そう言ってジェイクはワインをゴクリッと飲む
そんなジェイクに呆気に取られるジョンとガルス
「お、おい、何してんだ……?」
「団長生活の所為で気を病んでいたとは聞いていましたが……此処までとは……」
「……毒を検査するのにはこれが一番なんだ。それに城から脱出するのに即効性の毒物は使わんだろ、遅効性の毒を使った筈だ。遅効性の毒なら何とか処置出来るだろうし、何の問題も無いだろ?」
ケロッとそう言い退けるジェイク
「お前がそう言うなら良いんだがな……」
初めてジェイクの行動で困惑するジョン
ガルスもジェイクに引いている
「……な、なんだよ、その目は」
「胸に手を当ててよく考えてみな、それで? 毒は入っていたか?」
「いや、毒は入っていないな……」
ジェイクの顔が曇る
「てことは……収穫は無しって事になるのか?」
「そうだな……」
「王女様はなんて言っていたんだ? 呪われたであろう場所や人物に心当たりは?」
「覚えていないとさ」
肩をガックリと落とすジョン
「それは本当なのか? 王女様の嘘って事は?」
「さぁね、もし嘘を言っていたとしても相手は王女だ。追及は出来ねぇよ」
ジョンは腕を組み、壁に凭れ掛かる
「見当外れだな……王女は呪いを掛けられた。これは間違い無いんだよな?」
「あぁ、間違いないぜ、この国一番の解魔師でも解魔出来なかった代物だ」
「解魔を使うという事は呪いも元は魔法なんだよな?」
「あぁ、そうだぞ」
「誰かが”魔法”を使って王女に呪いを掛けた……」
「呪怨属性の使い手でしょうな」
「お偉い方に呪怨属性を扱える奴が居るなんて聞いた事が無い、だから魔法の属性で特定する事は出来なさそうだな」
「……という事はこの王国内で呪いに掛かった訳じゃないんだな? 此処じゃ魔法は使えないからな」
「その通り、しかし呪怨属性は呪いに一回掛かっちまうと魔法除去の結界でも無効化出来なくなる」
「王女は最近、王国の外に出たという事だよな?」
「今月は二回外出されてる、一回目はどうしても外で花が摘みたいと言い出して多くの王宮騎士達と一緒に森に行った時、二回目は魔法研究所に遊びに行った時だ」
「魔法研究所?」
「さっき話したこのワインを見舞い品に持って来た。ドルグノ・ギルトがリーダーを務めている施設の名前だ。主に魔法についての研究をしているらしい……後俺にこれ以上の詳細は聞くなよ、俺もよく分からんからな」
「その魔法研究所は外に有るのか?」
「此処じゃ魔法が使えないからな、研究がしたきゃ外しかない」
「てことは警備も居るんだよな? その警備はまさかお前達騎士団が請け負ってるのか?」
「請け負ってるぞ、内の六番隊が警備をしている」
「五番隊じゃなくて?」
「あぁ、五番隊じゃない」
これで五番隊が魔法研究所の警備について居れば、今すぐにでも突撃するつもりだったジョン
「舐めるなよ、言って置くが俺だってそれは疑ったんだ」
「はぁ……そうかよ」
とある空き地にて
「どうだった? 何か収穫は有ったか?」
「……これを収穫と言うのか分からんが」
そう言ってジェイクはワインボトルをジョン達に見せる
「何だこりゃ、祝杯でも挙げる気か?」
「違う、お前となんかと酒なんか飲みたかねぇ、これはとある人物が女王に見舞い品として持ってきたワインだ」
「そんな物を態々持ってきたという事は何か有るということですな?」
「その通りです。毒が入っている可能性があると考えています」
「……毒が入って居たらそいつが首謀者とはならんがね、女王に拝見出来る程のお偉いさんだという事は分かるが」
「そんな事分かってる」
「じゃあ、早速、毒入りワインなのかどうかをチェックしてみてくれよ」
「そう急かすなよ」
そう言ってジェイクがワインボトルの栓を抜く
「どうやって毒が入っているかいないかを判断するんだ?」
「こうするのさ」
そう言ってジェイクはワインをゴクリッと飲む
そんなジェイクに呆気に取られるジョンとガルス
「お、おい、何してんだ……?」
「団長生活の所為で気を病んでいたとは聞いていましたが……此処までとは……」
「……毒を検査するのにはこれが一番なんだ。それに城から脱出するのに即効性の毒物は使わんだろ、遅効性の毒を使った筈だ。遅効性の毒なら何とか処置出来るだろうし、何の問題も無いだろ?」
ケロッとそう言い退けるジェイク
「お前がそう言うなら良いんだがな……」
初めてジェイクの行動で困惑するジョン
ガルスもジェイクに引いている
「……な、なんだよ、その目は」
「胸に手を当ててよく考えてみな、それで? 毒は入っていたか?」
「いや、毒は入っていないな……」
ジェイクの顔が曇る
「てことは……収穫は無しって事になるのか?」
「そうだな……」
「王女様はなんて言っていたんだ? 呪われたであろう場所や人物に心当たりは?」
「覚えていないとさ」
肩をガックリと落とすジョン
「それは本当なのか? 王女様の嘘って事は?」
「さぁね、もし嘘を言っていたとしても相手は王女だ。追及は出来ねぇよ」
ジョンは腕を組み、壁に凭れ掛かる
「見当外れだな……王女は呪いを掛けられた。これは間違い無いんだよな?」
「あぁ、間違いないぜ、この国一番の解魔師でも解魔出来なかった代物だ」
「解魔を使うという事は呪いも元は魔法なんだよな?」
「あぁ、そうだぞ」
「誰かが”魔法”を使って王女に呪いを掛けた……」
「呪怨属性の使い手でしょうな」
「お偉い方に呪怨属性を扱える奴が居るなんて聞いた事が無い、だから魔法の属性で特定する事は出来なさそうだな」
「……という事はこの王国内で呪いに掛かった訳じゃないんだな? 此処じゃ魔法は使えないからな」
「その通り、しかし呪怨属性は呪いに一回掛かっちまうと魔法除去の結界でも無効化出来なくなる」
「王女は最近、王国の外に出たという事だよな?」
「今月は二回外出されてる、一回目はどうしても外で花が摘みたいと言い出して多くの王宮騎士達と一緒に森に行った時、二回目は魔法研究所に遊びに行った時だ」
「魔法研究所?」
「さっき話したこのワインを見舞い品に持って来た。ドルグノ・ギルトがリーダーを務めている施設の名前だ。主に魔法についての研究をしているらしい……後俺にこれ以上の詳細は聞くなよ、俺もよく分からんからな」
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「てことは警備も居るんだよな? その警備はまさかお前達騎士団が請け負ってるのか?」
「請け負ってるぞ、内の六番隊が警備をしている」
「五番隊じゃなくて?」
「あぁ、五番隊じゃない」
これで五番隊が魔法研究所の警備について居れば、今すぐにでも突撃するつもりだったジョン
「舐めるなよ、言って置くが俺だってそれは疑ったんだ」
「はぁ……そうかよ」
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