そして、燻む。美しく。

頭痛

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第三章

帰宅

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 「か・・・」
シロがハハッと笑うのが、とても淋しく感じる。
 「笑ってる場合じゃないでしょ」
アヤは、ぴしゃりと言い放つ。
 確かに、笑っている場合ではない状況だ。僕にはシロが視えているし、声も聴こえる。
だがアヤは、昼間は僕と同じ様に視えて聴こえていたが、先程は声だけ聴こえる状態だった。
 そして、先程のお巡りさんといい、シロが買い物に行った薬局の店員や、あまつさえシロの母親ではシロを視る事も、シロの声を聴く事も出来ていない。この現象は一体、何なのだろう。
 僕が考えている事と同じ様な事をシロとアヤが話し合っている中、僕のスマホにメッセージが届いた。
 「お父さん、もう帰ってるわよ。いい加減に帰って来なさい」
母からだった。
そういえば夕飯を食べずに家を出たのだったと思い出す。
 あまり親に心配を掛けてはまずい。とはいえ、シロをこのまま放って置くわけにもいかない。

「シロ、今日はウチに泊まって行く?」
シロは恐らく、家に帰らないだろう。このまま家に帰った所で母親に無視されてしまうからだ。だが、誰よりも人に気を遣うシロは、自分から友人に頼る事をしない。
 例え、自分がどの様な状況になろうとも。僕なら到底耐えられない様な事でさえも。

 「う~ん・・・」
シロは案の定、僕の提案に考え込む。
きっと、僕に迷惑を掛けたくないのだろう。
僕は、アヤに目を向ける。
 「・・・そうね、今日はクロの家に泊めて貰いなさいよ。詳しい話は、また明日しましょう」
僕の目線に気付いたアヤは、僕の意見に賛成した。
 「そうだな。じゃあ、クロ悪い、頼むわ」
僕とアヤの二人から言われたシロは、照れ笑いしながら言った。

 僕達はその後アヤを家まで送り、僕の家へと向かった。
シロの母親へは、アヤから上手く言っておいてくれるとの事だった。

僕は家へ向かって歩きながらシロと話そうとしたが、シロは「変に思われるかも知れないからやめよう」と、あまり話さずに帰宅した。

僕の家に到着し、僕は家の鍵を開ける。
その時、シロが入るのを躊躇っていたので理由を聞いてみると
 「靴はどうする?」と僕に聞いてきた。
そうか、シロが身につけている物はどうなるのだろう。
一応シロの靴は、下駄箱の中のあまり履かない靴が纏められている場所に隠しておいた。

シロには後で夕飯を持っていくと言い、僕の部屋の中で待ってて貰うことにした。

リビングに行くと夕飯の用意が出来ている状態のまま、父と母が一切口にせずにテレビを観ていた。
「ごめん、ただいま」
僕は申し訳なさそうに両親に謝った。
父も母も特に怒ってはいない様子だったが、母が真剣な顔で口を開く。
 「おかえりなさい。無事なら良かったけど、もう暫くはあまり遅くまで出歩いちゃダメよ」

そうか、同級生が遺体で発見されたから心配してくれたのか、と思った。
だが、どうやらそれ以上の事態になっていた。

 「そうだな。まだ犯人が捕まっていないから、もっと気を付けて行動しなさい」
父が、険しい顔で言った。

「え?犯人って?」
僕が聞き返すと、二人は少し驚きつつ呆れた表情をし、話し出す。


 「何だ、ニュース観てないのか?」
 「今朝ニュースでやってた句路の同級生の子、いたでしょう?あの子、誰かに殺害された形跡があるってニュースでやってたわよ」

え。

殺害?

現実味の無い言葉を聞いて僕は一瞬、思考が停止する。

 「まぁ、食事の前にこんな話はやめよう。母さん、ご飯頼む」
父は僕に気を遣いながら言った。


──テレビでは、僕の知っている街並みが映っていた。
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