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ep58:無人島
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「なかなか立派な家だろ! 三人用だから小さいけどな! さあ、入って入って!」
ノクシアに積んであった簡易ハウスだろうか。レクトが玄関から出てきて出迎えてくれた。私たちは早速中へと入っていく。
「凄いな……広くは無いけど、私たちの家より立派じゃないか……」
「でも、僕は今住んでいる家の方が好きですよ、サリアさん」
「リ、リオ! 気がついたのか!!」
「ええ、飛行中に目が覚めました。みなさん、改めて色々とありがとうございました。サリアさんなんて、レヴァナントを落としてくれたそうですね……本当に凄いです、サリアさんは……」
「何言ってるんだ、リオ……ハルキもいたから、レヴァナントを落とせたんだ。そのハルキだって、リオが守ってくれなかったら死んでいたかもしれない。お礼を言わなくちゃいけないのは、私たちの方だ。――ありがとう、リオ」
私がそう言うと、リオは目を潤ませた。
「とにかく、皆無事で良かった。お前たちは憶えていないだろうが、私はしっかりと憶えていたよ。アストリア避難所にいた頃のお前たちをね。——アレンがヴェルミラ統律院に入隊してきた時も、サリアたち三人が入隊してきた時も、恥ずかしながら私は涙ぐんでしまったものさ」
「エリオンさん……その頃から、俺たちを見てくれていたんですね……さっきミレル先生から、エリオンさんのことを聞きました。色々と助けてもらってありがとうございました」
アレンはエリオンに対し、深く頭を下げた。
「そういやさ、アレン。俺たちにアレスレイを撃とうと進言したのは、エリオンさんなんだぜ」
「なっ、なんだって!?」
大声を出してしまったからか、アレンは痛む首元を押さえた。
「ど、どういう事なんです、エリオンさん!?」
「それは、レヴァナントの量術を全て消費させるためだ。ミレルさんなら、アレスレイを防げると私は信じていたからね。案の定、レヴァナントは量術を使い切り、一時的に対空レーザーさえ放てなくなってしまった。結果的に、正解だったと思っているよ。――まあ、過ぎてしまった話はこれくらいにして、今後の話をしようか」
エリオンはそう言うと、表情を引き締めた。
「そろそろ、ヴァルザーク艦も来るんですよね、エリオンさん」
「その通りだ。あと三時間も経てば、三隻のヴァルザーク艦が地球の大気圏外に到着する。その時にやっと、ヴァルザーク艦隊はレヴァナントが落とされたことを知ることになる」
「そういえば……どうして、レヴァナントはヴァルザーク艦を待たなかったのですか?」
「レヴァナントを率いていたロウゲンは、次の最高司令官の座が危ういと言われていてね。ヴァルザーク艦隊を率いる、ザイル中将が次の最高司令官候補と噂されていたんだ。そこで私は、ロウゲンに嗾けた。『レヴァナントだけで、先にエルシア人の生き残りを殲滅しましょう』と。小さな手柄でも欲しかったロウゲンは、その話に上手く乗ってくれたというわけだ」
「その時点から、ヴェルミラ統律院の戦力を割いてくれていたんですか……レヴァナントとヴァルザークが一気に来ていたら、勝ち目はなかったと思います……助かりました、エリオンさん」
「いやいや……それにしても、お前たちの戦力が想定外に高かったのは、嬉しい誤算だったよ」
「それで……? エリオンはどう考えているんだい? 今後の敵の出方を」
ずっと話を聞いていたミレルが口を挟んだ。
「そうですね……レヴァナントが消滅した事を知った、ザイルがどうでるか……ヴァルザークも素晴らしい船ではありますが、レヴァナントには及びません。――少なくとも一時的な撤退、場合によっては地球からの完全撤退もあるかもしれません。まさか、アレンたちだけでレヴァナントを落としたとは考えないでしょうからね」
レクトとリオは「よしっ!」と喜びをあらわにした。
ノクシアに積んであった簡易ハウスだろうか。レクトが玄関から出てきて出迎えてくれた。私たちは早速中へと入っていく。
「凄いな……広くは無いけど、私たちの家より立派じゃないか……」
「でも、僕は今住んでいる家の方が好きですよ、サリアさん」
「リ、リオ! 気がついたのか!!」
「ええ、飛行中に目が覚めました。みなさん、改めて色々とありがとうございました。サリアさんなんて、レヴァナントを落としてくれたそうですね……本当に凄いです、サリアさんは……」
「何言ってるんだ、リオ……ハルキもいたから、レヴァナントを落とせたんだ。そのハルキだって、リオが守ってくれなかったら死んでいたかもしれない。お礼を言わなくちゃいけないのは、私たちの方だ。――ありがとう、リオ」
私がそう言うと、リオは目を潤ませた。
「とにかく、皆無事で良かった。お前たちは憶えていないだろうが、私はしっかりと憶えていたよ。アストリア避難所にいた頃のお前たちをね。——アレンがヴェルミラ統律院に入隊してきた時も、サリアたち三人が入隊してきた時も、恥ずかしながら私は涙ぐんでしまったものさ」
「エリオンさん……その頃から、俺たちを見てくれていたんですね……さっきミレル先生から、エリオンさんのことを聞きました。色々と助けてもらってありがとうございました」
アレンはエリオンに対し、深く頭を下げた。
「そういやさ、アレン。俺たちにアレスレイを撃とうと進言したのは、エリオンさんなんだぜ」
「なっ、なんだって!?」
大声を出してしまったからか、アレンは痛む首元を押さえた。
「ど、どういう事なんです、エリオンさん!?」
「それは、レヴァナントの量術を全て消費させるためだ。ミレルさんなら、アレスレイを防げると私は信じていたからね。案の定、レヴァナントは量術を使い切り、一時的に対空レーザーさえ放てなくなってしまった。結果的に、正解だったと思っているよ。――まあ、過ぎてしまった話はこれくらいにして、今後の話をしようか」
エリオンはそう言うと、表情を引き締めた。
「そろそろ、ヴァルザーク艦も来るんですよね、エリオンさん」
「その通りだ。あと三時間も経てば、三隻のヴァルザーク艦が地球の大気圏外に到着する。その時にやっと、ヴァルザーク艦隊はレヴァナントが落とされたことを知ることになる」
「そういえば……どうして、レヴァナントはヴァルザーク艦を待たなかったのですか?」
「レヴァナントを率いていたロウゲンは、次の最高司令官の座が危ういと言われていてね。ヴァルザーク艦隊を率いる、ザイル中将が次の最高司令官候補と噂されていたんだ。そこで私は、ロウゲンに嗾けた。『レヴァナントだけで、先にエルシア人の生き残りを殲滅しましょう』と。小さな手柄でも欲しかったロウゲンは、その話に上手く乗ってくれたというわけだ」
「その時点から、ヴェルミラ統律院の戦力を割いてくれていたんですか……レヴァナントとヴァルザークが一気に来ていたら、勝ち目はなかったと思います……助かりました、エリオンさん」
「いやいや……それにしても、お前たちの戦力が想定外に高かったのは、嬉しい誤算だったよ」
「それで……? エリオンはどう考えているんだい? 今後の敵の出方を」
ずっと話を聞いていたミレルが口を挟んだ。
「そうですね……レヴァナントが消滅した事を知った、ザイルがどうでるか……ヴァルザークも素晴らしい船ではありますが、レヴァナントには及びません。――少なくとも一時的な撤退、場合によっては地球からの完全撤退もあるかもしれません。まさか、アレンたちだけでレヴァナントを落としたとは考えないでしょうからね」
レクトとリオは「よしっ!」と喜びをあらわにした。
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