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ep59:策略
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「ちっ……なんだ、ここはスマホの電波が届かねえのか……」
「今、日本がどういう状況なのか知りたかったですね。ハルキさんたちとも連絡を取りたかったですし」
レクトとリオは、電波の繋がらないスマホに向かってぼやいた。
「それより、少し休んだほうがいい。ソルフィスとヴェルミラの薬でラクになったとはいえ、体は疲れ切っているはずだ。ヴァルザーク艦が来るまでの間、仮眠でも取っておいてくれ。もちろん、ミレルさんもです」
「エリオンさんは起きてるんですか?」
「ああ。私はせいぜいソルフィスを使ったくらいだからな。お前たちに比べれば、なんてことはない」
確かに、横になればいつだって眠れそうな状態ではあった。隣りにいるレクトも大あくびをしている。
「まあ、三時間はやることもないもんな。じゃ、エリオンさんのお言葉に甘えて、休ませてもらうとするか」
ベッドは三つしか無かったため、アレン以外は二人で一つのベッドを使った。私はミレルと、レクトはリオと一緒だ。
ミレルも相当に疲れていたのだろう、ベッドに入るとすぐに寝息が聞こえてきた。
***
「おい! 起きろ、みんな!!」
アレンの大声で目が覚めた。
「ど……どうしたんです、兄さん……」
「エリオンさんがいないんだ! ノクシアも一緒に消えている!」
「ノ、ノクシアも!? どこに行ったんだ、エリオンさんは!?」
レクトは驚きのあまり、ベッドから飛び起きた。
「俺にも分からない……も、もしかしたら……俺たちは裏切られたのか……!?」
「う、裏切る!? エリオンさんが!? で、でも、裏切るなら、僕たちを助けてくれた理由はなんだったんですか!?」
「そ、そんな事、俺にも分かるわけないだろ!!」
「でっ、でも、本気で裏切るってなら、眠ってる間に俺たちを殺せばいい話じゃねーか!!」
「ば、馬鹿を言うな、レクト。誰か一人は不意打ちで殺せたとしても、全員を殺すなんてことは不可能だ。いいか……? 今や俺たちの対人量術は、エリオンさんよりずっと上なんだ」
私たちが本当の力に気づいてから、まだ一日も経っていない。当然、私たちが強いという自覚もまだ芽生えていなかった。
「そういえば……エリオンさんについて、気になっていることが一つあったんだ」
「な、なんだよアレン、気になることって」
「エリオンさんは、ヴァルザーク三号艦の艦長でもあったんだ。その人が何故、レヴァナントに乗っていたのかということだ。——ミレル先生……あの人はミレル先生が知っているエリオンさんじゃなかった可能性はありますか?」
「うーん……どうだろうねえ……あの声、あの優しい口調……私が知っているエリオンで間違い無いと思ってはいる。——ただ、あの日から20年近くが経ってしまった。私の記憶が薄れてしまったのか、もしくはエリオンが変わってしまったのか。——私は信じたいけどね、エリオンを」
ミレルはそう言うと、大きく息をついた。
「今、日本がどういう状況なのか知りたかったですね。ハルキさんたちとも連絡を取りたかったですし」
レクトとリオは、電波の繋がらないスマホに向かってぼやいた。
「それより、少し休んだほうがいい。ソルフィスとヴェルミラの薬でラクになったとはいえ、体は疲れ切っているはずだ。ヴァルザーク艦が来るまでの間、仮眠でも取っておいてくれ。もちろん、ミレルさんもです」
「エリオンさんは起きてるんですか?」
「ああ。私はせいぜいソルフィスを使ったくらいだからな。お前たちに比べれば、なんてことはない」
確かに、横になればいつだって眠れそうな状態ではあった。隣りにいるレクトも大あくびをしている。
「まあ、三時間はやることもないもんな。じゃ、エリオンさんのお言葉に甘えて、休ませてもらうとするか」
ベッドは三つしか無かったため、アレン以外は二人で一つのベッドを使った。私はミレルと、レクトはリオと一緒だ。
ミレルも相当に疲れていたのだろう、ベッドに入るとすぐに寝息が聞こえてきた。
***
「おい! 起きろ、みんな!!」
アレンの大声で目が覚めた。
「ど……どうしたんです、兄さん……」
「エリオンさんがいないんだ! ノクシアも一緒に消えている!」
「ノ、ノクシアも!? どこに行ったんだ、エリオンさんは!?」
レクトは驚きのあまり、ベッドから飛び起きた。
「俺にも分からない……も、もしかしたら……俺たちは裏切られたのか……!?」
「う、裏切る!? エリオンさんが!? で、でも、裏切るなら、僕たちを助けてくれた理由はなんだったんですか!?」
「そ、そんな事、俺にも分かるわけないだろ!!」
「でっ、でも、本気で裏切るってなら、眠ってる間に俺たちを殺せばいい話じゃねーか!!」
「ば、馬鹿を言うな、レクト。誰か一人は不意打ちで殺せたとしても、全員を殺すなんてことは不可能だ。いいか……? 今や俺たちの対人量術は、エリオンさんよりずっと上なんだ」
私たちが本当の力に気づいてから、まだ一日も経っていない。当然、私たちが強いという自覚もまだ芽生えていなかった。
「そういえば……エリオンさんについて、気になっていることが一つあったんだ」
「な、なんだよアレン、気になることって」
「エリオンさんは、ヴァルザーク三号艦の艦長でもあったんだ。その人が何故、レヴァナントに乗っていたのかということだ。——ミレル先生……あの人はミレル先生が知っているエリオンさんじゃなかった可能性はありますか?」
「うーん……どうだろうねえ……あの声、あの優しい口調……私が知っているエリオンで間違い無いと思ってはいる。——ただ、あの日から20年近くが経ってしまった。私の記憶が薄れてしまったのか、もしくはエリオンが変わってしまったのか。——私は信じたいけどね、エリオンを」
ミレルはそう言うと、大きく息をついた。
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