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学園編
43特殊技能を持つ少女 ぱーと3
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「いい席取れたみたいだね」
「はい。いい、席、です」
「Cランチどうぞ」
「ありがとう、エテ、ちゃん」
奥まったところにある4人席で待っていたフィリネに声をかけて、カートに乗っていた食事を机に並べる。
エテルネルとフィリネが隣同士で、エテルネルの前にフォスターが座る形だ。
丁度食事を終わった生徒が食器を返すところだったので、フォスターがさり気なく立ち上がって彼らに近づいてカートを押し付ける。押し付けるという言い方は悪いのかもしれない。二人分の食器を持つ生徒にカートを使えばいいと譲っただけなのだから。
恐縮しながら、フォスター殿下に声をかけられたことを純粋に喜ぶ生徒が、エテルネルからして見ればなんだか哀れに見える。フォスターはフィリネと似たような純畜培養系の天然だと思っていたが、人というものは多方面に性格が存在するものだ。これも彼の一面ということなのだろう。
白けた目を向けていたエテルネルは、まあ自分には関係ないかとフォスターが食事を開始するのを横目に、目の前のオムソバを頬張った。
「午後からは技能の授業かにょ」
「そうだね。エテとはこのまま一緒の行動かな」
「私も、同じ、授業が、良かった、な」
友人の少ないフィリネは心細いようだ。
技能の授業は合同で行われるし、人数が多い分場所も分散される。
選択技能の授業では【召喚技能】のところでフィリネを見かけたが、エテルネルはフィリネが元々持つ技能を知らない。少なくとも外で行われる技能にはいなかったように思う。
「そういえば、フィリの選択は召喚なのはちらっと見たにょ。保持してる技能の授業は?」
ちゅるりと麺を口に入れて聞くと、フィリネは驚いたようにエテルネルを見た。
「エテ、ちゃん。言って、なかった?」
「フォスが含みを持たせていったけど、ちゃんとは聞いてないにぇ」
すでに誰かしら聞いているものと思っていたようだ。
2人がフォスターを見やれば、彼は優雅にスープを飲みながら、明後日の方向を見ている。
先に説明すればよかったなんて心の声が聞こえてきそうだが、そんなにも危ない技能なのか。
不思議そうにしているエテルネルに対して、躊躇いがちにフィリネが告白した。
「エテ、ちゃん。私、特殊技能、持ち、なの」
「自身で技能の発動をコントロールできない技能にぇ。常時発動している場合もあれば、特定の条件下で暴走に近い状態の発動が起こる場合もあるやつ」
技能にはそもそも大まかな種類が幾つかある。
自分を鍛えたり、武器を扱うことで発現するアクション系の技能。先天的、種族的に備わっている技能が【種族特性】で、後天的に何らかの条件下で発現する【特殊技能】の三種類だ。
前と後ろ2つの技能の違いは自分で発動を調節できるか否か。アクション系の技能の中でも【能動技能《オートスキル》】があるが、あれは不要な時にスイッチが切れる技能だ。
「わた、し……」
「殿下! 昼食でしたら私達とご一緒にしませんか」
震える声で言いかけたフィリネの言葉に被せて、高飛車な女子生徒の声がフォスターにかけられた。
そこには赤毛の女子生徒とその取り巻きであろう2人の少女がおり、エテルネルとフィリネは眼中にないという態度だ。
「悪魔憑きなどとおれば、御身に危険が迫る可能性もあります」
「そうですわ。そうですわ」
「ですから、殿下、私達と共に昼食を摂りませんか」
こう、まさに悪役です! と自ら主張するような典型的な小物に、エテルネルは目を点にした。しかもタイミンが良すぎだ。こんな人物は漫画やアニメの中だけだと思っていたエテルネルは、一瞬反応ができなかった。
「失礼じゃないかな。それに、彼女はいい子だよ」
「良い悪いの話ではないです。危険ですと言っているのです」
けれど、フィリネのことを馬鹿にされているのだけは分かる。
「フィリネのどこが危険にょ」
「そこのアナタは編入生ね。噂で聞きましたわ。半端者の平民編入生」
知らないのも当然かもねと、赤毛の女子生徒は嘲笑う。
隣に座っているフィリネの顔色は蒼白だった。拳を強く握りしめ、ぶるぶると震えながら俯いている。赤毛の女子生徒の優越を加速させるものだとは分かっているが、フィリネには相当深いトラウマがあるらしい。
「入学したばかりの時、【召喚技能】のプレゼンテーションが新入生向けにありましたの」
入学した春の間に、最終学年による大まかな技能ごとのプレゼンテーションが行われる。
それは最終学年にとって試験であり、就活の場でもあるらしい。国や騎士団等の関係者が集まって、プレゼンテーションを見て技量をはかり、有望な者を引き込む場。そこでおおよその就職先が決まることも多く、残りの一年間は就職先で有利に立つための技能、知識を蓄える期間なのだという。
その場で行われた【召喚技能《サモンズスキル》】のプレゼンテーションで事件は起こった。
操作ミスによる観客席へ召喚獣が暴走。一応【幻術技能《イリュージョンスキル》:結界】で守られているとはいえ、新入生たちの恐怖は計り知れないものだったのだろう。
感情の高まりに自己を抑えられなかったフィリネの【特殊技能】が発動した。
「悪魔憑きの暴走。召喚獣は即座にその精霊に討伐されましたけど、暴走した悪魔憑きは会場を破壊して、最終的には学園長が技能を使ってその場を落ち着かせたんですの」
勝ち誇ったように説明する赤毛の女子生徒に、エテルネルは漸く答えに行き着いた。
「なーんだ。悪魔憑き、悪魔憑きっていうからもっとやばいのかと思えば【精霊憑依】かにょ」
心配して損した、とエテルネルは深い溜息を吐いた。
「え?」
今度は、赤毛の女子生徒が目を点にする番である。
エテルネルは不思議な世界に迷い込んだ少女が出会う意地の悪い猫そっくりな笑みを浮かべた。
「フォス、けが人はいたにょか」
「さ、幸いなかったみたいだね」
「けが人もいない、むしろ暴走した召喚獣を抑えたんだから良かったんじゃないにょ。ま、フィリに憑依した精霊を制御しなきゃいけないっていうのが当面の目標だろうけどにぇ」
口を戦慄かせる赤毛の女子生徒。その後ろに控える女子生徒達はすでに場の空気に、エテルネルの【威圧】に顔を真っ青にさせている。
「か、会場を破壊するほどの威力ですわよ!」
「それほど強い精霊がフィリと契約してるってことだにょ。しかも【精霊憑依】って、一体としか契約出来ないから、契約した精霊が強ければ強いほど、それはフィリの力になる。フィリって将来有望だにょ」
にっとフィリネに笑いかけて、エテルネルはそう言った。
フィリネの持つ【特殊技能:精霊憑依】というのは先程エテルネルが言ったとおり、たった一体との精霊と契約によって結ばれることによって、その名の通り、自分自身に精霊を憑依させることを可能にする技能だ。
これは【召喚技能】とは大きく異なる。通常、【召喚技能】によって呼び出された召喚獣は契約者と魔力という名の糸が繋がっており、その糸から供給される魔力量によって強さが変わる。しかし、【精霊憑依】は精霊が契約者と一体となることで精霊と契約者の魔力量が足された状態になる。
簡単にいえば、【召喚技能】は召喚獣というコップに契約者が水を注ぐことになるが、【精霊憑依】は丼の水がすでに満たされた状態のことをいう。
「フィリってば【精霊憑依】なんて激レア技能いいにぇえ、いいにぇえ。弓に精霊の力を乗せたりとかして自動追尾モード追加の火の矢風の矢氷の矢なんてお手の物じゃないにょ」
実はというとこのエテルネル。その相手と戦ったから詳しいという訳ではなく、単純に自分の欲しい技能だったから詳しいだけなのである。
エテルネルの戦うスタンスは至近距離から中距離の物理攻撃なので、そこに【精霊憑依】を加えれば魔法攻撃もどきを使えるようになるのではないかと、期待を胸に一時期強い精霊をスラッガードと共に追いかけ回していたこともあるのだ。もっとも、無理やり捕まえるのは可哀想だとエールから叱られて断念したが。
「問題は憑依する精霊とちゃんと付き合っていかないと宝の持ち腐れなんだけど、選択技能授業で召喚とってるし、フィリっていい選択してるにぇ」
「エテ、ちゃん」
実際に【精霊憑依】を持っているフィリは羨ましい。なにせ【召喚技能】で召喚できる召喚獣は【精霊憑依】契約の対象外なのである。どれだけ頑張って召喚獣を育てても【精霊憑依】は取得できなかった。
召喚獣と精霊は元々は同じ精霊属になるようだが、個体種によって分類が分けられているようだ。より人型に近ければ精霊で、獣に近ければ召喚獣と。人と直接言葉を交わし、大精霊と呼べるほど力の強い精霊ではないと精霊と呼べないらしいが、実際そこは【精霊憑依】の出来るか否かで召喚獣か精霊か分けられるのだとエテルネルは思う。
「と、いうかその技能だけで飛行系の召喚獣がいなくても飛べたりとかするし、念願の自分に翼を生やすことだって出来るからホントもう、その技能持ってるだけでどれだけステータスが……」
「エテ、ちゃん!」
強いフィリネの呼び声で、エテルネルは我に返る。
見れば女子生徒3人は見る影もなく、フォスターが引き気味にエテルネルを見ており、フィリネは赤くなった頬を緩ませていた。
「ごめん、張り切りすぎたにょ」
「ううん。いいの。……ありがとう」
小さな感謝の言葉に、エテルネルは「どういたしまして」と笑みを見せたのだった。
「はい。いい、席、です」
「Cランチどうぞ」
「ありがとう、エテ、ちゃん」
奥まったところにある4人席で待っていたフィリネに声をかけて、カートに乗っていた食事を机に並べる。
エテルネルとフィリネが隣同士で、エテルネルの前にフォスターが座る形だ。
丁度食事を終わった生徒が食器を返すところだったので、フォスターがさり気なく立ち上がって彼らに近づいてカートを押し付ける。押し付けるという言い方は悪いのかもしれない。二人分の食器を持つ生徒にカートを使えばいいと譲っただけなのだから。
恐縮しながら、フォスター殿下に声をかけられたことを純粋に喜ぶ生徒が、エテルネルからして見ればなんだか哀れに見える。フォスターはフィリネと似たような純畜培養系の天然だと思っていたが、人というものは多方面に性格が存在するものだ。これも彼の一面ということなのだろう。
白けた目を向けていたエテルネルは、まあ自分には関係ないかとフォスターが食事を開始するのを横目に、目の前のオムソバを頬張った。
「午後からは技能の授業かにょ」
「そうだね。エテとはこのまま一緒の行動かな」
「私も、同じ、授業が、良かった、な」
友人の少ないフィリネは心細いようだ。
技能の授業は合同で行われるし、人数が多い分場所も分散される。
選択技能の授業では【召喚技能】のところでフィリネを見かけたが、エテルネルはフィリネが元々持つ技能を知らない。少なくとも外で行われる技能にはいなかったように思う。
「そういえば、フィリの選択は召喚なのはちらっと見たにょ。保持してる技能の授業は?」
ちゅるりと麺を口に入れて聞くと、フィリネは驚いたようにエテルネルを見た。
「エテ、ちゃん。言って、なかった?」
「フォスが含みを持たせていったけど、ちゃんとは聞いてないにぇ」
すでに誰かしら聞いているものと思っていたようだ。
2人がフォスターを見やれば、彼は優雅にスープを飲みながら、明後日の方向を見ている。
先に説明すればよかったなんて心の声が聞こえてきそうだが、そんなにも危ない技能なのか。
不思議そうにしているエテルネルに対して、躊躇いがちにフィリネが告白した。
「エテ、ちゃん。私、特殊技能、持ち、なの」
「自身で技能の発動をコントロールできない技能にぇ。常時発動している場合もあれば、特定の条件下で暴走に近い状態の発動が起こる場合もあるやつ」
技能にはそもそも大まかな種類が幾つかある。
自分を鍛えたり、武器を扱うことで発現するアクション系の技能。先天的、種族的に備わっている技能が【種族特性】で、後天的に何らかの条件下で発現する【特殊技能】の三種類だ。
前と後ろ2つの技能の違いは自分で発動を調節できるか否か。アクション系の技能の中でも【能動技能《オートスキル》】があるが、あれは不要な時にスイッチが切れる技能だ。
「わた、し……」
「殿下! 昼食でしたら私達とご一緒にしませんか」
震える声で言いかけたフィリネの言葉に被せて、高飛車な女子生徒の声がフォスターにかけられた。
そこには赤毛の女子生徒とその取り巻きであろう2人の少女がおり、エテルネルとフィリネは眼中にないという態度だ。
「悪魔憑きなどとおれば、御身に危険が迫る可能性もあります」
「そうですわ。そうですわ」
「ですから、殿下、私達と共に昼食を摂りませんか」
こう、まさに悪役です! と自ら主張するような典型的な小物に、エテルネルは目を点にした。しかもタイミンが良すぎだ。こんな人物は漫画やアニメの中だけだと思っていたエテルネルは、一瞬反応ができなかった。
「失礼じゃないかな。それに、彼女はいい子だよ」
「良い悪いの話ではないです。危険ですと言っているのです」
けれど、フィリネのことを馬鹿にされているのだけは分かる。
「フィリネのどこが危険にょ」
「そこのアナタは編入生ね。噂で聞きましたわ。半端者の平民編入生」
知らないのも当然かもねと、赤毛の女子生徒は嘲笑う。
隣に座っているフィリネの顔色は蒼白だった。拳を強く握りしめ、ぶるぶると震えながら俯いている。赤毛の女子生徒の優越を加速させるものだとは分かっているが、フィリネには相当深いトラウマがあるらしい。
「入学したばかりの時、【召喚技能】のプレゼンテーションが新入生向けにありましたの」
入学した春の間に、最終学年による大まかな技能ごとのプレゼンテーションが行われる。
それは最終学年にとって試験であり、就活の場でもあるらしい。国や騎士団等の関係者が集まって、プレゼンテーションを見て技量をはかり、有望な者を引き込む場。そこでおおよその就職先が決まることも多く、残りの一年間は就職先で有利に立つための技能、知識を蓄える期間なのだという。
その場で行われた【召喚技能《サモンズスキル》】のプレゼンテーションで事件は起こった。
操作ミスによる観客席へ召喚獣が暴走。一応【幻術技能《イリュージョンスキル》:結界】で守られているとはいえ、新入生たちの恐怖は計り知れないものだったのだろう。
感情の高まりに自己を抑えられなかったフィリネの【特殊技能】が発動した。
「悪魔憑きの暴走。召喚獣は即座にその精霊に討伐されましたけど、暴走した悪魔憑きは会場を破壊して、最終的には学園長が技能を使ってその場を落ち着かせたんですの」
勝ち誇ったように説明する赤毛の女子生徒に、エテルネルは漸く答えに行き着いた。
「なーんだ。悪魔憑き、悪魔憑きっていうからもっとやばいのかと思えば【精霊憑依】かにょ」
心配して損した、とエテルネルは深い溜息を吐いた。
「え?」
今度は、赤毛の女子生徒が目を点にする番である。
エテルネルは不思議な世界に迷い込んだ少女が出会う意地の悪い猫そっくりな笑みを浮かべた。
「フォス、けが人はいたにょか」
「さ、幸いなかったみたいだね」
「けが人もいない、むしろ暴走した召喚獣を抑えたんだから良かったんじゃないにょ。ま、フィリに憑依した精霊を制御しなきゃいけないっていうのが当面の目標だろうけどにぇ」
口を戦慄かせる赤毛の女子生徒。その後ろに控える女子生徒達はすでに場の空気に、エテルネルの【威圧】に顔を真っ青にさせている。
「か、会場を破壊するほどの威力ですわよ!」
「それほど強い精霊がフィリと契約してるってことだにょ。しかも【精霊憑依】って、一体としか契約出来ないから、契約した精霊が強ければ強いほど、それはフィリの力になる。フィリって将来有望だにょ」
にっとフィリネに笑いかけて、エテルネルはそう言った。
フィリネの持つ【特殊技能:精霊憑依】というのは先程エテルネルが言ったとおり、たった一体との精霊と契約によって結ばれることによって、その名の通り、自分自身に精霊を憑依させることを可能にする技能だ。
これは【召喚技能】とは大きく異なる。通常、【召喚技能】によって呼び出された召喚獣は契約者と魔力という名の糸が繋がっており、その糸から供給される魔力量によって強さが変わる。しかし、【精霊憑依】は精霊が契約者と一体となることで精霊と契約者の魔力量が足された状態になる。
簡単にいえば、【召喚技能】は召喚獣というコップに契約者が水を注ぐことになるが、【精霊憑依】は丼の水がすでに満たされた状態のことをいう。
「フィリってば【精霊憑依】なんて激レア技能いいにぇえ、いいにぇえ。弓に精霊の力を乗せたりとかして自動追尾モード追加の火の矢風の矢氷の矢なんてお手の物じゃないにょ」
実はというとこのエテルネル。その相手と戦ったから詳しいという訳ではなく、単純に自分の欲しい技能だったから詳しいだけなのである。
エテルネルの戦うスタンスは至近距離から中距離の物理攻撃なので、そこに【精霊憑依】を加えれば魔法攻撃もどきを使えるようになるのではないかと、期待を胸に一時期強い精霊をスラッガードと共に追いかけ回していたこともあるのだ。もっとも、無理やり捕まえるのは可哀想だとエールから叱られて断念したが。
「問題は憑依する精霊とちゃんと付き合っていかないと宝の持ち腐れなんだけど、選択技能授業で召喚とってるし、フィリっていい選択してるにぇ」
「エテ、ちゃん」
実際に【精霊憑依】を持っているフィリは羨ましい。なにせ【召喚技能】で召喚できる召喚獣は【精霊憑依】契約の対象外なのである。どれだけ頑張って召喚獣を育てても【精霊憑依】は取得できなかった。
召喚獣と精霊は元々は同じ精霊属になるようだが、個体種によって分類が分けられているようだ。より人型に近ければ精霊で、獣に近ければ召喚獣と。人と直接言葉を交わし、大精霊と呼べるほど力の強い精霊ではないと精霊と呼べないらしいが、実際そこは【精霊憑依】の出来るか否かで召喚獣か精霊か分けられるのだとエテルネルは思う。
「と、いうかその技能だけで飛行系の召喚獣がいなくても飛べたりとかするし、念願の自分に翼を生やすことだって出来るからホントもう、その技能持ってるだけでどれだけステータスが……」
「エテ、ちゃん!」
強いフィリネの呼び声で、エテルネルは我に返る。
見れば女子生徒3人は見る影もなく、フォスターが引き気味にエテルネルを見ており、フィリネは赤くなった頬を緩ませていた。
「ごめん、張り切りすぎたにょ」
「ううん。いいの。……ありがとう」
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