24 / 30
涙の搭乗口
しおりを挟む
次の朝、あたしと貴は少し早めに起きて一緒に朝食を摂れば、それぞれ支度を済ませてチェックアウトよりも早めにロビーへと向かう。
酔いもあったのか、何なのか、あたしはスッキリ目覚めることが出来た。
左手の薬指には、昨日貴からもらった指輪が煌めいてた。
「貴…ホントにありがと。最高のX'masになったよ?」
あたしは指輪を見つめれば、車のエンジンをかけた貴に微笑む。
「そりゃ良かったw」
貴もスッキリとした顔で微笑めば、軽くキスを落とす。
こんなキス出来るのも、あと何時間…
不安は少し和らいだけど、それでも昨日が最高過ぎて、あたしはさらに貴と離れがたくなってしまう。
ダメだな…
こんなんじゃ、絶対空港で泣いて困らせちゃうよ。
分かっていても、寂しーもんは寂しいんだよ?
貴も…寂しーとか思ってくれてるのかな…
いつものダンスミュージックがかかった車内。
貴の香水と、タバコの匂い。
その全てがあたしには宝物のよーに感じた。
このまま空港になんか着かなきゃいーのに…
そんなあたしの願いとは裏腹に、車は湾岸線へと入れば空港へと近付いていく。
「琴美、忘れもん無い?」
「うん…」
程なく車は空港へと到着してしまう。
貴はトランクからあたしのキャリーを出してくれるけど、いよいよお別れなのかと思うと、あたしはどーしても気分が沈んでしまう。
「何だよ、ほんの何週間だろ? 大丈夫だってw」
貴は車のキーをロックすれば、あたしのキャリーを引いて歩き出す。
「そーだけど…」
分かってても寂しさには勝てない。
そんなあたしはすでに涙目だ。
「とりあえず先に席確保して来いよ」
「うん…」
あたしたちは空港内へ入れば、貴に促されるままにチケットレスの窓口へと並ぶ。
「そんな落ち込むなってw そのための指輪だろ?」
ヘコんでるあたしを見て、貴が笑う。
「分かってるよ? 分かってるけど…」
あたしはタッチパネルを操作しながらも、気分は晴れない。
そりゃ晴れるワケなんて無いよ。
たった2週間。
されど2週間…
貴と会えないのか分かってる環境に帰るなんて…
席を確保すればあたしはため息をつく。
そしてそのままキャリーを預けるために、2人で窓口へと向かう。
「貴は寂しく無いの…?」
キャリーの引き換え券を受け取り、搭乗口へと向かう途中、あたしは不意に貴に聞いてみる。
我ながらめんどくさい性格をしてると思うけど、それがあたしだ。
「そりゃー寂しーよ? 琴美を抱けないと思うとね?w」
笑いながら貴が答える。
「もーっ!」
あたしは真っ赤になって、貴を軽く叩く。
「でも昨日充分満喫したし?w」
「もーっ、分かったからっ! ってそーじゃなくてっ!」
あたしは貴をじっと見つめる。
「たまにはあたしのこと…思い出してよ? 仕事忙しいのは分かってるけど…」
「大丈夫。毎日考えてるよ?」
貴があたしの腕を引けば、ぎゅっと抱き締めてくれる。
貴の力強い腕と、その匂いに包まれて、あたしは堪え切れずに涙が零れてしまう。
やっぱりあたし…貴と離れたく無いよ。
いっそのコトこのまま、時が止まればいーのに…
「○○へご出発のお客様、△番搭乗口から受付を開始致します」
そんなあたしの願いもむなしく、搭乗手続きを告げるアナウンスが流れる。
「貴ぃ……」
あたしは涙が止まらない。
「大丈夫だから。気を付けてまた帰っておいで?」
貴はぎゅっと抱き締めたまま、あたしに口付けた。
涙が零れて、お別れのキスは少ししょっぱい涙味…
やっぱり離れたく無い。
それでも行かなきゃ…
帰らなきゃ…
親にはこの便に乗るって連絡してあるし…
「…もー行かなきゃ……」
あたしは泣きながら、貴から身体を離す。
温もりが消えていく。
そんな錯覚に陥る…
「琴美」
貴の声。
あたしは寂しくて、切なくて、顔を上げられない。
「離れてても変わらないよ、オレらは。今までみたいに連絡するから」
「うん…」
分かってる。
分かってるよ?
でも…
気持ちとは裏腹に、また涙が零れる。
「気を付けて行って来いよ。待ってるから、な?」
あたしの好きな、くしゃっと撫でる貴の手。
何かひとつでも持って行けたらいーのに…
そーこーしてる間に、無情にもまたアナウンスが流れる。
「ほら、行って来いよ?」
「うん…行って来ますっ!」
あたしは涙目のまま貴を見つめれば、空元気で何とか笑顔を作り、くるりと背を向けて搭乗口へと向かう。
貴が見送ってくれる時は、いつもあたしの姿が消えるまで見ててくれるの分かってる。
だからこそ、振り返れない。
貴の顔見たら、また…走ってその腕に戻ってしまいそーだったから…
どーしよーも出来ないとしても、親を説得してでも、ホントはこの時、離れるべきじゃなかったのかもしれない。
今となっては何が正解とか分からないけど…
酔いもあったのか、何なのか、あたしはスッキリ目覚めることが出来た。
左手の薬指には、昨日貴からもらった指輪が煌めいてた。
「貴…ホントにありがと。最高のX'masになったよ?」
あたしは指輪を見つめれば、車のエンジンをかけた貴に微笑む。
「そりゃ良かったw」
貴もスッキリとした顔で微笑めば、軽くキスを落とす。
こんなキス出来るのも、あと何時間…
不安は少し和らいだけど、それでも昨日が最高過ぎて、あたしはさらに貴と離れがたくなってしまう。
ダメだな…
こんなんじゃ、絶対空港で泣いて困らせちゃうよ。
分かっていても、寂しーもんは寂しいんだよ?
貴も…寂しーとか思ってくれてるのかな…
いつものダンスミュージックがかかった車内。
貴の香水と、タバコの匂い。
その全てがあたしには宝物のよーに感じた。
このまま空港になんか着かなきゃいーのに…
そんなあたしの願いとは裏腹に、車は湾岸線へと入れば空港へと近付いていく。
「琴美、忘れもん無い?」
「うん…」
程なく車は空港へと到着してしまう。
貴はトランクからあたしのキャリーを出してくれるけど、いよいよお別れなのかと思うと、あたしはどーしても気分が沈んでしまう。
「何だよ、ほんの何週間だろ? 大丈夫だってw」
貴は車のキーをロックすれば、あたしのキャリーを引いて歩き出す。
「そーだけど…」
分かってても寂しさには勝てない。
そんなあたしはすでに涙目だ。
「とりあえず先に席確保して来いよ」
「うん…」
あたしたちは空港内へ入れば、貴に促されるままにチケットレスの窓口へと並ぶ。
「そんな落ち込むなってw そのための指輪だろ?」
ヘコんでるあたしを見て、貴が笑う。
「分かってるよ? 分かってるけど…」
あたしはタッチパネルを操作しながらも、気分は晴れない。
そりゃ晴れるワケなんて無いよ。
たった2週間。
されど2週間…
貴と会えないのか分かってる環境に帰るなんて…
席を確保すればあたしはため息をつく。
そしてそのままキャリーを預けるために、2人で窓口へと向かう。
「貴は寂しく無いの…?」
キャリーの引き換え券を受け取り、搭乗口へと向かう途中、あたしは不意に貴に聞いてみる。
我ながらめんどくさい性格をしてると思うけど、それがあたしだ。
「そりゃー寂しーよ? 琴美を抱けないと思うとね?w」
笑いながら貴が答える。
「もーっ!」
あたしは真っ赤になって、貴を軽く叩く。
「でも昨日充分満喫したし?w」
「もーっ、分かったからっ! ってそーじゃなくてっ!」
あたしは貴をじっと見つめる。
「たまにはあたしのこと…思い出してよ? 仕事忙しいのは分かってるけど…」
「大丈夫。毎日考えてるよ?」
貴があたしの腕を引けば、ぎゅっと抱き締めてくれる。
貴の力強い腕と、その匂いに包まれて、あたしは堪え切れずに涙が零れてしまう。
やっぱりあたし…貴と離れたく無いよ。
いっそのコトこのまま、時が止まればいーのに…
「○○へご出発のお客様、△番搭乗口から受付を開始致します」
そんなあたしの願いもむなしく、搭乗手続きを告げるアナウンスが流れる。
「貴ぃ……」
あたしは涙が止まらない。
「大丈夫だから。気を付けてまた帰っておいで?」
貴はぎゅっと抱き締めたまま、あたしに口付けた。
涙が零れて、お別れのキスは少ししょっぱい涙味…
やっぱり離れたく無い。
それでも行かなきゃ…
帰らなきゃ…
親にはこの便に乗るって連絡してあるし…
「…もー行かなきゃ……」
あたしは泣きながら、貴から身体を離す。
温もりが消えていく。
そんな錯覚に陥る…
「琴美」
貴の声。
あたしは寂しくて、切なくて、顔を上げられない。
「離れてても変わらないよ、オレらは。今までみたいに連絡するから」
「うん…」
分かってる。
分かってるよ?
でも…
気持ちとは裏腹に、また涙が零れる。
「気を付けて行って来いよ。待ってるから、な?」
あたしの好きな、くしゃっと撫でる貴の手。
何かひとつでも持って行けたらいーのに…
そーこーしてる間に、無情にもまたアナウンスが流れる。
「ほら、行って来いよ?」
「うん…行って来ますっ!」
あたしは涙目のまま貴を見つめれば、空元気で何とか笑顔を作り、くるりと背を向けて搭乗口へと向かう。
貴が見送ってくれる時は、いつもあたしの姿が消えるまで見ててくれるの分かってる。
だからこそ、振り返れない。
貴の顔見たら、また…走ってその腕に戻ってしまいそーだったから…
どーしよーも出来ないとしても、親を説得してでも、ホントはこの時、離れるべきじゃなかったのかもしれない。
今となっては何が正解とか分からないけど…
0
あなたにおすすめの小説
白椿の咲く日~遠い日の約束
紫さゆり
恋愛
結婚を控えた真由子は、久しぶりに姉の稚子(わかこ)と会う。真由子の母、雪江は妻を亡くした水上実之(みなかみさねゆき)の後添いとして水上家に嫁いだ。当時、実之には俊之、稚子、靖之の三人の子がいた。
稚子と話をしているうちに真由子は、庭の白椿の木は子どもの頃なついていた兄、靖之が植えたものだと知る。
白椿の木をめぐっての、ひそかな大人の恋物語です。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
Lucia(ルシア)変容者たち
おまつり
恋愛
人は、ときに自分の中に「もう一人の自分」を抱えて生きている。
それがもし、感情の揺らぎや、誰かとの触れ合いによって、男女の姿を入れ替える存在だったとしたら――。
カフェ『リベラ』を営むリアと、雑誌編集者の蓮。
二人は、特定の感情を抱くと性別が変わる「性別変容者」だった。
誰にも明かせない秘密を抱えながら生きてきた彼らは、互いの存在に出会い、初めて“同類”として心を通わせていく。
愛が深まるほど、境界は曖昧になる。
身体と心の輪郭は揺らぎ、「自分とは何者なのか」という問いが、静かに迫ってくる。
一方、過去に囚われ、自分自身を強く否定し続けてきたウェディングプランナー・景子と、まっすぐすぎるほど不器用な看護学生・ユウ。
彼らもまた、変容者として「変わること」と「失うこと」の狭間で、避けられない選択を迫られていく。
これは、誰の記憶にも残らないかもしれない“もう一人の自分”と共に生きながら、
それでも確かに残る愛を探し続けた人々の、静かなヒューマンドラマ。
※毎日20時に1章ずつ更新していく予定です。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる