緋色の月と破滅の炎

睦月夜風

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第二章 破壊の月と優しい白色の鳥

第22話 朧月の巫女VS闇の神

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 私は刀を抜いて窓から外に出た
「どう?」
「一応、縛っておいたんだけど」
「全然吐かねぇな」
「ねえ、何で言ってくれないの?」
 私は妖気で圧をかけながら縛られている妖魔人に声をかけた
「ふはは、言うわけないだろう!そんなに圧をかけてもな!」
「···」
宗古そうこ俺に任せろ、心眼」
「な、なにを···」
「成る程な、闇の神を倒したら治療薬が出るのか」
「な、なぜ、わかった!?」
「お前の考えていることを見たんだよ」
「く、くそ!だが、神様を倒すのはお前ら4人の内、1人だけだ」
「だから?」
「そして、それを選ぶのは私にある、そして私はお前を選ぶぞ禿鷲宗古はげわしそうこ!」
「一応、聞くけど何で?」
「いや、あの、月龍つきりゅうはその刀で神を瞬殺出来るし、そこの兄妹に至っては二人が神と相性悪すぎて勝負にならないからまともな勝負できるの宗古そうこだけだから」
「「「解せぬ!」」」
「え?」
「まぁ、頑張れ、宗古そうこ
「頑張るだー!」
「禁忌解放してるんだ、これくらいいけるよな?」
「う、うん、皆のためにも頑張ってみるよ」
「なら先に結界でも張るから縄ほどいて」
「させるか、阿保」
「薬でねぇぞ?」
「くそが!」
 月龍つきりゅう君達は縄をほどいた
 妖魔人は立ち上がり
「防音結界」
 結界を張った
「な、なんで結界を?」
「寮で寝ている子達が起きてしまうからだ」
「あ、え、ありがとう··ございます」
「ほら、行くぞ、降臨門 解放! 出でよ闇の神 バゼル!」
 黒色の球体が目の前に現れた
 バーーーーーン!!!!!
 爆発し、太い剣を持ち顔はなにかで覆われている大きな人型生物が現れた
「うわぁ、凄いでかいな」
「寮と同じくらいの大きさなのだ」
「がんばれー!」
 私は妖気で体を覆った、理由は相手の攻撃力を図るためだ
 ぐおおお!!!!!
 バゼルは剣を振り下ろした
 バキバキ!!
「っく!凄い攻撃力!」
 妖気は全て粉々になった
 ぐおおお!!!!!
「これは、出し惜しみなくいっちゃうか 禁忌解放 破滅の月と優しい白色の鳥はめつのつきとやさしいしろいろのとり!」


「おっ、禁忌解放か」
「早いけど、まぁ、そりゃ早く終わりたいもんな」
「そうなのだー」



 私は妖魔刀 しずくを握りしめ、バゼルの攻撃を受け止めた
幻滅斬げんめつざん!」
 ザン!
 ぐるぅぅぅ!!!!
「えい!」
 私はバゼルの横腹に蹴りを入れたが
 ぐおおお!!!!!
「全然効いてない···まぁ、こんな大きいから当然か」
宗古そうこ!危ないぞ!」
「え?」
 私は下に魔方陣が描かれていることに気がついた
「しまっ!」
 ごぉぉぉぉぉ!!!!!
 私は避けきれず当たってしまった
「うわぁぁ!」

「ちっ!避けきれなかったか」
「まぁまぁ、ダメージでかいぞこれ」
「大丈夫なのかー?」

 医療室
「隊長···」
「し、深紅しんくさん?」
「あ、雅楽かがさん目を覚ましたんですね」
「ごめんなさい、私のせいで」
「いやいや、大丈夫ですよ」
「···そう」


「はぁ、はぁ、す、凄い威力、禁忌をしてなかったら負けてた···」
 私の額からは血が流れ出していた、私は直ぐ様に刀を構えた
「よし、問題なし」
 グォォォォ!!!!! 
万雷極炎ばんらいごくえん!」
 グォォォォ!!!!!
 バゼルは遠くに吹っ飛んだ
「はぁ、はぁ、まずい、あの攻撃をくらったせいで妖力の消費が···」
 私はバゼルが離れている間に妖力を溜め始めた
を撃つには妖力がたくさんいるから妖力を貯めないと」
 グォォォォ!!!!!
 バゼルは起き上がり襲いかかってきた
 ズダダダーーーン!!!!
「うわっ!?」
 私の真横は大きな斬撃の後があった
 そしてバゼルは剣を私に振り下ろしてきた
 カン!
「ぐ、やっぱり重い」

「な、なぁ、俺達も助太刀に行った方が良いんじゃないか?」
 かいは俺にそう言った
「ダメだ、これは宗古そうこのバトルなんだ俺達が助太刀なんかしてみろ、一瞬で試合が終了するぜ?」
「うぐっ··確かに」
「そうなのだー」

「はぁ、はぁ、もう放てるくらいまでたまった···これが決まらなかったら、もう素直に負けを認めて皆に怒られよう」
 私は刀を額に着けそして
「朧月 彷徨う魂 天誅の月 慈悲をかける白鳥と龍 神月術 朧月龍白鳥天おぼろづきりゅうはくちょうてん!」
 白色の龍がバゼルを襲い、バゼルは倒れたそにめ私はバゼルに刀を叩きつけた
「はぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
 ドーーーーーーン!!!! 


「どうなった!?」
 その時、結界が外れた
「あ、倒してる」
「闇の神に勝ったのだー!」
「いや、待て、本当に倒してるのか?」
 俺は倒れている宗古そうこの傍に行った
「大丈夫か?」
「う、うん、何とかね」
「ほっ、なら良かった」
「バゼルは?」
「···見当たらないな」
「倒したのかな?」
「さぁ?」
「見事、よく倒したな、約束の薬だ」
 妖魔人は俺に薬を渡した
「···あんた、やっぱりさ、アイツに言われて来ただろ?」
「さぁ?何の事でしょうね?」
「とぼけるな、神を呼べる奴が本当にアイツを下僕にする必要性が無いだろ」
「はは、分かっちゃいましたか」
「んで?お前は神龍郷から来たんだろ?」
「ええ、主にそう言われてましてね」
「はぁ、何て言ってたんだ?」
宗古そうこの実力をちゃんと見たいとおっしゃっていたので」
「成る程」
「貴方の恋人ですからね、弱すぎたら困ると申しておりましたのでどんなもんかなと」
「んで、評価は?」
「文句無しの満点です、体術や妖力等々が全て最高でした、それでは、私はこれで、いいクリスマスを」
「へえへえ」
 そう言うと、妖魔人は消えた
「はぁ、あの阿保は何を考えてんだが、んで?お前は歩けるの?」
「ああ、うん」
 宗古そうこは立ち上がった
「おいおい、額からは血が出てるぞ」
「あれをくらってこれくらいで済ましている私の体を褒めてあげたい」
「はは、それじゃ再開するかー」
「その前に飲ませないと」
「あ、そうだな、二人も来いよー」
「おーす」
「ラジャーなのだー」

 医療室
「あ、薬はお前から渡してな」
「え?何で?」
「そりゃ、隊長なんだからさ、それに、お前が取ったんだから」
「わ、わかった」
「ほーい、失礼するぞー」
「あ、皆さん」
「アイツは逃げた」
「そうですか」
私は雅楽かがさんの近くによった
「大丈夫?」
「い、いや、かなりきついです」
「そう、まぁ、薬は貰えたから、飲んで」
「は、はい、ありがとう··ございます」
「···どうかしたの?」
「い、いや、その隊長の額から血が出てるから」
「あー、えーと、これは、その、そう!ちょっと額を壁にぶつけちゃって、それで当たり所が悪かったみたいね」
「本当ですか?」
「うん、ほんとほんと」
「なら、良いですけど」
そう言って雅楽かがさんは薬を飲んだ
「···どう?」
「凄いですねこの薬、毒の苦しみがひいていきます!」
「ほっ、良かった~」
「なら、雅楽かが達は少し回復してからプレゼントの続きやろっか」
「そうだな、今動いたら雅楽かがが体調崩しそうだし」
「そうなのだー」
「あ、じゃ、そうさせてもらいます」
「あ、それとさ、あの4等兵達の扱いはダメだろ、皆、めっちゃ寒がっていたぞ?」
「あ、その件は大丈夫、明日、私が部屋決め発表するから」 
「なら良いけど、それじゃ、そっちも頑張ってくれ」
「はい、師匠」
「師匠って言うな」 
「はい、月龍つきりゅうさん」
「さんもいら···着けていいよ、うん」
「あはは、それじゃ、3人も頑張ってね」
「「「OK」」」
そう言って3人は出ていった
「···それにしても隊長、何でそんなに服がぼろぼろになっているんですか?」
「····ま、まぁ、色々··あってね」
「?」
「と、とりあえず、私は4等兵の所に行ってるから」
「は、はい」

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