緋色の月と破滅の炎

睦月夜風

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第二章 破壊の月と優しい白色の鳥

第23話 影 参上!

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「ふぅ、ようやく終わったー」
「そうですねー」
「お疲れ様です」
 私達がそう言った時
「えーん!えーん!ここ何処ー?」
 誰かの泣き声がした
「誰か泣いてるの?」
「迷子かな?」
「私が行ってくるから二人はもう寝てて」
「それじゃ、お先に」
「おやすみなさい」
「お休み」
 私は泣き声がした所に行ったするとそこに居たのは
「えーん!」
 黒髪の長髪の女の子が居た
「貴女どうしたの?こんな夜中に」
「ひやっ!わぁぁーーん!!!」
 女の子はまた泣き出した
「ああ、ごめんね?驚かせるつもりはなかったの、落ち着いて」
 私は女の子を抱き締めて優しくそう言った
「う、うう」
「寒かった?」
「寒いし寂しいから本当に辛い」
「よしよし、お母さんとかは?」
「私、妖怪だよ?」
「え?」
「私は覚り妖怪 神宮影しんくうかげだよ」
「えっと、かげちゃんでいい?」
「うん!あ、あのでも寒いし寂しかったのは本当だから抱き締めて」
「はいはい、それで遊んでたの?」
「ううん、私、神龍郷から来たんだけど私の友達が此処で頑張っているって聞いたから来たくなっちゃって、後、こっちのその友達の彼女さんにも会いたくなって」 
「···その子って、長髪で髪の毛が白色の子?」
「うん!そうだよ!後、刀を持ってる」
月龍つきりゅう君?」
「あ!そうそう!お姉さんも知ってるんだ、もしかして友達?」
「あ、いや、その···」
 その時
「おーす、終わったぜー」
 月龍つきりゅう君がやって来た
「あ、月龍つきりゅう君!」
「よぉ、お疲·····かげ?何で此処に居るんだ?」
「あ!月龍つきりゅう!ねぇ聞いたよ!こっちの彼女出来たんでしょ?誰なの?紹介してー」
「紹介も何も、お前を抱き締めているその巫女だけど?」
「····え?」
「あ、えっと」
「じゃあ、貴女が禿鷲宗古はげわしそうこ?」
「う、うん」
「へぇー、ルザルスちゃんの言ってた通り可愛いね、そして優しいし」
「お前らそれしか言わねぇな」
「だってー、実際そうじゃん」
「まぁ、そうだけど」
「それで、これからどうするの?かげちゃん」
「うーん、どうしよ、お姉ちゃんからは好きにしなさいって言われたから···残るよー」
「おお、そうか、それで誰と居るんだ?」
「もちろん宗古そうこちゃんと一緒の所に居るー」
宗古そうこは海獣部隊隊長だから忙しいぞ?」
「それでも一緒にいるもん!」
「···へいへい、宗古そうこ、何かあったら連絡してくれ」
「分かった、それで、他の二人は?」
「もう寝るってさ」
「そう、なら私も眠いし寝るね」
「おう、後片付けは俺がしとく」
「ありがとう、それじゃ、おやすみー」
「おやすみー」
 そして私はかげちゃんを抱きながら遼に戻った
「寒い?」
「お姉ちゃんが暖めてくれてるから全然だよー」
「お姉ちゃんって、私より年上でしょ?」
「良いじゃん、妖怪から見たら私はまだ十歳くらいなんだもん」
「そ、そうなんだ、なら一緒に寝よっか」
「うん!」


 丑三つ時
「さーて禁忌解放組と二人にも渡しに行くかー」
 俺は目を覚まし、プレゼントを持って外に出た
「あ、かげにも何か渡さないとな」
 俺は少し考えた
「うーん、アイツが欲しそうな物ってなんだろ···あ、そうだ、ヘッドホンあげよ、もう使わないしな」
 俺はバッグからヘッドホンを取り出した
「よーし、行くかー」
 俺はサンタ帽を被り外に出た
「まずは···まぁ、遠いし護衛部隊から行くかー」

 そしてなんやかんやあって海獣部隊に来た
「ふぅ、あー、まじで危なかったよ、かいの奴、寝ているときでも妖力で作った線を部屋全体に張り巡らしているとは、一種の赤外線レーザーだろあれ」
 何があったのかそれはかいの部屋に入った時だった
「(さーてと、さっさと終わら···はぁ!?)」
 部屋は妖力で作られた細い線が張り巡らされていた
 (あはは!すげえ、近づけねぇな!)
「(笑い事じゃねえよ!どうするんだよ!これ!こいつは金庫か何かか?)」
 (俺がやってあげようか?)
「(頼む~)」
 (任せろ!)
 そして俺は月殺げっさつと交代して何とか渡せたのだった

「彼処だけは二度とやりたくない」
(俺も···)
「お前、任せろ!って言っといて余裕で涙目になって届けてたな」
(痛すぎるってあれ)
「はは、えっと、此処か一等兵の部屋は」
俺は一等兵の部屋のドアをスッと開け
「よしよし、寝てる」
プレゼントを何とか部屋に入れて二人の傍に置き部屋を出た
「····やっぱりさ、かい地雲ちぐもがおかしかったんだなって一瞬で分かるな」
(それな)
因みに地雲ちぐもは護衛の百足と龍が居たためソイツらにプレゼントを渡して、入れてもらった
「あの龍と百足どう考えても護衛に出していい奴じゃねえだろ」
(下手したらガングリオン負けるで?あいつらとガングリオンが戦ったら)
「強さがバクってるって」
そして俺は隊長室に入った
「····よし、護衛とか居ないし赤外線レーザーは無い、今なら」
俺は恐る恐るプレゼントを二人の傍に置いた
「···(よし、後は戻るだけ、妖気を消したら即刻ばれるからそおっと)」
その時
「う、うん?誰か居るの?」
宗古そうこが目を覚ました
透明化とうめいか
俺は間一髪で透明になった
「(まさかの宗古そうこは警戒心が強いとな、まじでビビったぞ)」
俺はそうして部屋を出た



「····(誰が入ってきたのかな、まぁ、良いや寝よ)」



「ふぅ、危機一髪」
(お前、透明化使えるなら先に使えよ!)
「いや、だって、かい達はこれがあったら即座にバレるんだよ」
(ま、まじか)
「ふわぁー、ねっむ、さっさと寝るかー」
(おう、そうだな、もう日が登っていることついて何か言うことは?)
「····嘘だろ」
その時
「あれ?誰?」 
俺は振り返りそこにいたのは
「あ、月龍つきりゅう隊長」
「あれ?葉月はづき?起きてたのか?」
「今、起きてランニングをしていたんですよ」
「え?あ、そうなんだー、へぇ」
「隊長は?ってその帽子···まさか!」
「しーっ!」
「すみません」
「まぁ、お前の所に置いたの俺じゃねえけど」
「あ、そうなんですか、マフラー欲しかったから本当にありがたかったんですよねー」
葉月はづきは首にマフラーを巻いていた
「そっか、良かったなじゃ、俺は寝るから練習頑張れ」
「はい!」
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