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1章 貴哉の新しい恋
トモテメェ数馬に近寄るんじゃねぇ!!
しおりを挟む「なっち~♪今日も一緒に遊ぼうぜ~♪」
「そうだな♪今日はバレーやるらしいから勝負しようぜ♪」
俺となっちが仲良くしてるのを伊織が微笑んで見ていた。すると、ボーッとした顔で突っ立ってた桃山が俺の肩をちょんちょんと指でして呼んだ。
「貴哉貴哉、彼氏が今にも喰われそうだけどいいのー?」
「んあ!?あ!!トモテメェ数馬に近寄るんじゃねぇ!!」
桃山に言われて数馬を見ると、追い付いて来たトモにピッタリ横につかれて、顔を覗き込まれてカチンコチンに固まっていた。
数馬がぶっ倒れたらどーすんだ!
なっちから離れて慌ててトモを追い払う為に数馬に近寄る。軽く抱き寄せて安心させてやると、涙目になりながら小さな声で「怖かった……」と訴えて来た。
「おおー、貴哉が紳士やってるー。ウケる~」
「桃山!お前も数馬に何かしたら許さねぇからな!」
「あは♪それって広瀬に何かあったら俺と遊んでくれるって事ぉ?」
「桃山、猿野、その辺にしておけって。二人をあまりからかうな」
数馬の事を舐めてるであろう二人にそう言ったのは穏やかな笑顔で立っていた伊織だった。
この反応からすると、数馬に謝ったのって本当なんだ。
「二人共気にするなよ。猿野は一条から広瀬に近付くのを禁止されてんだ。指一本でも触れたら即退学に追い込むって脅されてな」
「紘夢が?」
「ああ、どうやら一条はお前達の事を応援するつもりらしいな」
「そうなんだよ。実は朝一で紘夢から謝って来たんだ。やっぱり紘夢は良い奴だよな♪」
「……広瀬」
「はいっ」
紘夢が裏で動いてくれてた事が嬉しくて謝罪を受けた話をすると、伊織は俺から視線を外して俺の隣にいた数馬を見た。
そして真剣な表情をしてこう言った。
「昨日は本当に悪かったよ。冷静になってちゃんと受け止めるべきだったな」
「い、いえ、俺も逆らうような言い方をしてすみませんでしたっ」
本当に伊織が数馬に謝ってるー!
この光景に、俺だけじゃなくて桃山も驚いていた。トモは面白くなさそうにそっぽ向いて、なっちはうんうんと頷いて笑っていた。
その後伊織は俺を見てから更に言葉を続けた。
「貴哉、俺はお前達二人を認めるよ。だけど一条みたいに応援する事はしない。貴哉が俺を選びたくなるような男になるからちゃんと見とけよな」
「へ?……あ、う、うん?」
「ワオ♡いーくんかっこい~♡遠回しに広瀬に喧嘩売ってる~♡」
「桃山、余計な事を言うなって。ほら仲直りしたんならみんなで仲良く体育行くぞ~」
伊織に急に口説かれるような事を言われて少し戸惑ったけど、なっちの言葉に俺は数馬の手をギュッと握って歩き出す。
やっぱり伊織は危ないな。あんな風にサラッと言われただけなのに、こんなにドキドキしちまうなんて……
今は数馬の手を離しちゃいけない気がした。
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