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2章 恋愛ブーム到来
※ 浅野に話があるんだ(千尋side)
しおりを挟む※千尋side
くそー!朝から石原に見つかるなんて災難だ!
俺はバスで通学してるんだけど、途中で二人乗りしてる貴哉さんを見掛けたんだ。だから降りたら待っていようと思ったけど、なんとバス停付近に石原と浅野がいたんだ!ただでさえ立ってるだけでも目立つ二人だってのに、石原なんか青い頭に加えていつも蛍光やパステルなど、派手な色のパーカー着てやがる。ちなみに今日はイエローだった。お陰で先に気付けたけど。
見つかる前にダッシュで逃げたんだけど、せっかく貴哉さんと話せるチャンスだったのに悔しい!
一応貴哉さんには「寂しいです」って連絡してあるけど、返事は「忙しい」って素っ気ないやつばかり。
だから俺からアタックしに行くしかないのに、石原が邪魔するんだ。
逃げるのが得意な俺は、石原が付いて来ていない事を確認して、学校の前の路地に入って待機する。しばらくして、石原一人が通り過ぎるのが見えて俺は「よし!」っと心の中でガッツポーズ。やっぱり俺を見てたみたいだな。
俺は警戒しながら路地から顔を出して石原が通り過ぎた方を確認する。
「…………」
「あ!」
ちょうど顔を出した時に石原と一緒にいた浅野双葉が通った。俺をチラッと見てそのまま通り過ぎようとする浅野に俺は声をかけようと思った。
「待って!」
「…………」
俺の呼び止める声をシカトして何事もないように歩いて行く浅野。仕方ないよな。散々俺がちょっかい掛けて貴哉さんにも叱られたりしたからな。
でも今は浅野に協力してもらいたいんだ。もちろん、石原の事で。
「浅野に話があるんだ」
「…………」
俺が駆け寄って隣に並び顔を覗くと無言で睨まれた。石原同様身長が高い浅野に上から睨まれるとかなりの迫力がある。だけど怖くはない。だから俺はめげずに声をかけ続けた。ただ少しだけ話をしたいだけなんだ。
「相談って言うかお願い。俺が浅野にこんな事頼むのはおかしいって分かってるんだ。だけど、本当に困ってるんだっ」
「……はぁ」
思い切りため息をつかれた。
それでも俺は諦めなかった。
「石原に俺に構うなって言ってくれないか?二人って仲良いし、浅野の言う事なら聞くだろ?」
「聞く訳ないだろ」
やっと喋った!あまり良い返事じゃなかったけど、話してくれただけでも救いだった。
「本当に困ってるんだって!俺はもう石原と浅野には関わらないって誓ったのに、あいつずっと俺に嫌がらせしてくるんだっ」
「ザマァだな。これで俺の気持ちが分かったんじゃないか?」
「ああ分かったよ!反省してる!本当にもうちょっかい掛けたりしないから、今回だけ石原の事頼むよ!」
俺が必死で頼み込むと、無言でジーッと見て来た。そして鼻で笑われた。
ムカつく!だけど今は我慢だ!
「なぁ、少し浅野から言ってくれればいいんだよ。もう吾妻には構うなって。頼むよぉ」
「類の悪い癖」
「え?」
「あいつは気に入った物が見つかると何が何でも手に入れたがるんだ。どんな手を使ってでもな」
「お、俺を気に入ってるだって?それっていじめの対象としてだろ?辞めさせられないのか?」
「手に入るまで無理」
「手に入るって、俺がいじめを受け入れろって言うのか?」
「うん」
「嫌だ!もう同じ教室にいるのもうんざりなんだ!あいつ人気あるから周りは助けてくれないし……」
「類は熱しやすくて冷めやすい。一度手に入ればすぐに飽きて他の物を探し始める」
「えっ!?」
「それまで耐えるしかないな」
浅野はフンと冷たい視線で俺を見てそう言った。
アドバイスっぽい事を言ってくれてるけど、浅野からは言ってくれないのか。
熱しやすく冷めやすいか……
こうなったら一か八かあいつの事を受け入れてみるか。
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