どいつもこいつもかかって来やがれ9th season

pino

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5章 新しい恋達の行方

分かった分かった、デートな!

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 階段を登ったとこで空と別れて自分の教室へ向かう時、急に腕を引かれて足止めを喰らった。俺が驚きながら誰だと振り向くと険しい顔をした紘夢だった。


「何だよ?新しい挨拶か?」

「貴ちゃん!城之内から聞いたけど空くんと寄り戻したって本当!?てか数馬くんとはいつ別れたんだよ!?」

「なっ!?お前声でけぇよ!!」


 まさか紘夢にそんな事を言われるとは思わなくてかなり焦っちまった。
 俺は紘夢の口を手で押さえて周りを見渡しながらそそくさと歩き出す。

 周りに人がいなくて良かった~!
 にしても城之内が他校だからって油断したな。口止めしときゃ良かったか。


「城之内の野郎、早速チクりやがったな」

「んんんー!」

「しー!もっと声落とせ!」


 手で押さえても喋ろうとする声がデケェのなんの。ほらな!まだ数馬にも言ってねぇのに、だから周りには言いたくなかったんだ!
 
 俺が注意すると、紘夢は黙り込んで目を細めて見て来た。手を離すと早速口を開いた。


「貴ちゃん!」

「声!」

「……どういう事だ?きちんと説明してくれるよな?」


 俺が人差し指を立てて言うと、やっと落ち着いたのか声のトーンを抑えて聞いて来た。
 仕方ないから紘夢には話しておくかぁ~。


「城之内が何て言ってたのか知らねぇけど、空とは寄りを戻してねぇよ。それはあいつの勘違いだ。数馬とは別れたけどな」

「いつ別れたんだよ?」

「つい最近だよ。一昨日話し合って円満に別れた。んでも周りにバレるとまたうるさくなるから黙ってたんだ。空にはバレたから迎えを頼んだんだよ」

「ふーん。じゃあ昨日の時点では別れてたんだ。何で俺には言わなかったんだ?一応二人の事応援してたんだけど」

「それは悪かったよ。なぁこの事は誰にも言わないで欲しいんだけど」

「安心して。俺から誰かにバラす事はないよ。むしろ数馬くんと付き合ってるままの方が都合がいいし。問題は貴ちゃんが俺に言わなかった事!城之内の方が先に知るとか屈辱過ぎ!」

「だからごめんって。お詫びに今度飯でも奢るからさ」

「貴ちゃんに出させる訳にはいかないよ。それならデートしてよ。勿論二人きりで♪そしたら許してあげる♪」

「お、いいぜ。遊びに行くぐらい……」

「デートだってば」


 紘夢と遊ぶぐらいで許してもらえんなら飯奢るより楽でいいや。
 だけど紘夢は笑顔のまま「デート」を強調して来た。こいつ俺相手に平気で怒るようになったな。

 まぁいっか。空とはまだ付き合ってねぇし、俺フリーだし。


「分かった分かった、デートな!」

「やったぁ♡ねぇねぇちなみにこの事は他に誰が知ってるのー?」


 すっかり機嫌が良くなった紘夢と歩きながら話していた。


「数馬と空と城之内だよ。つっても城之内は元々俺と空が付き合ってたと思ってたらしいけどな」

「空くんとは寄りを戻してないんだろ?数馬くんと別れたのを知って口説いてる感じ?」

「そんな感じ~。まぁでも次付き合うとしたら空とだろうな」

「あー、やっぱり貴ちゃんは空くんなんだね~」

「そうみてぇよ。何だかんだあいつが一番合うんだわ」

「そっか。それなら俺は今まで通り見守ってるよ」


 穏やかな笑顔でそう言う紘夢。相手が空だからか意外とうるさくならなかったな。
 でも紘夢が味方に付いてくれんなら心強ぇわ。


「でもさ、数馬くんも凄い頑張ってたよな。入学したばかりの数馬くんを知ってるから成長したなって思うよ」

「ああ、それは俺も思う。でもあいつってクソが付く程真面目なんだぜ?勉強しろだの朝は一人で起きろだのまるで鉄仮面と付き合ってるみてぇだった」

「あはは~、鉄仮面って誰ー?」


 そうそう、数馬はたまに説教臭くなるんだ。普段は自分が思ってる事を言わない癖に、俺が間違った事をしたりすると説教を始める。

 俺の周りにいるクソ真面目の例を挙げるとやっぱり鉄仮面なんだ。紘夢は俺の話を聞きながら笑っていた。


「戸塚春樹だよ。一年の時同じクラスだった奴~」

「ああ、生徒会会計の。去年演説の時応援してたもんね。でもあまり話してるのを見ないけど、仲良いの?」

「たまーに話す程度!初めは嫌われてたけど、今は結構俺の事好きだぜあれは」

「何その自信?貴ちゃんて本当面白い~♪」


 俺が戸塚との関係を教えてやると、紘夢はとても楽しそうにしていた。
 もう少しで俺の教室に着く頃、紘夢は思い出したように話し始めた。


「そう言えば、その春樹くんと怜ちんが一緒にいるのを見たな。最近仲良くしてるみたいだけど、意外な組み合わせだよね」

「そうそう、まさか怜ちんを射止めるなんて戸塚もやるよな~」

「え?射止めるって?えー!二人ってそういう仲なの!?」

「いや、まだ付き合ってるかは知らねぇよ。でも怜ちんは戸塚の事が好きらしいぜ?だから今だに図書室通ってんだろ」

「あー!だから怜ちんは自ら図書室の手伝いを買って出たのか!」


 話が繋がったと言わんばかりの反応をする紘夢。
 あれ?これって話して良かったんだよな?
 いや、怜ちんがサボってるみてぇに聞こえるから図書室の事は言わない方が良かったか?

 まぁ戸塚と怜ちんの事だし別にいっか。

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