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2章 2回戦目
21.ペンギンと一緒
しおりを挟む尚輝くんとの2回目のデートから数日。
あれから尚輝くんからは店を通してのメッセージが毎日届いた。
『今日は天気が良いですね。熱中症には気を付けて下さいね』
『昨日は勉強してて寝落ちしてしまいました。授業中は寝ないようにしなきゃ』
『伊吹さんが好きそうな居酒屋を友達に教えて貰いました。次のデートで行きましょう』
なんかさぁ、可愛いんだよ!
めっちゃ懐いてくる子犬みたいな!?
勿論2回目のデートの後にすぐに次の土曜日にフルで予約入れてくれたよ?
毎週フルで予約入れてくれるのは嬉しいんだけどさ、あの子どんなけ俺に金使ってんの?
俺は部屋のベッドにゴロンと寝転がりながら尚輝くんの事を考える。
はぁ、あの告白はちとヤバかったな。
男にされたのに、あんなにドキドキするとは思わなかったぜ。あれが仕事じゃなかったら俺どう答えてたんだろ?
仰向けから横になると、ふと目に入るペンギンのぬいぐるみ。
結局クローゼットには終わずに、あの日からずっと俺と一緒に寝ている。
ふん、ゆるキャラってやつ?可愛いじゃねぇか。
俺はペンギンに頬擦りしながらスマホをいじる。
一旦尚輝くんとのメッセージをやめて、他の予約に目を通す。明日の水曜日は休みにしてある、木曜日は午前中にリピさんのマダム。また愛犬のマロンちゃんの散歩に付き合ってくれだろうな。そして金曜日は確かまだ予約は無かった……あ、一件入ってら~。
朝見た時はまだ埋まってなかった18時から20時の枠が埋まっている事に気付いて、誰からの予約か確認する。すると、「ブルータイガー」の名前が……
「なっ!?ブルータイガーだと!?」
俺はもう会う事はないと思っていた男の名前に思わず飛び起きた。
え!?あいつ何してんの!?
金無いんじゃなかったのかよ!?
何会員登録しちゃってんだよ!!
しかも名前「ブルータイガー」に変わってんじゃん!
そしてブルータイガーさんからメッセージが届いている事に気付く。
『チャオ!伊吹元気ー?やっと登録出来たから約束してた居酒屋連れてくぜー♡』
チャオじゃねぇよ……呼び起こされるカラオケ屋での惨事……
んでも居酒屋か!密室じゃないし、ビール飲めるしそこまで身構える事でもないか?
俺は気を取り直してブルータイガーに返信する事にした。
『こんばんは♪本当に登録したんだー?バイト増やしたの?とにかくおめでとー♪居酒屋楽しみにしてるね~』
営業営業~っと。
俺は太客の尚輝くんのメッセージを確認しようとすると、すぐにブルータイガーから返信があってビクッとして思わず動きを止めてしまった。
は、早くね?
送ってからまだ1分も経ってねぇよ?
スタッフはちゃんと確認して俺に送ってんのか?
『伊吹ー♡愛してるぜー♡』
『返信早過ぎ。暇なの?』
『そういう伊吹こそー♡そんなに俺とメッセージ出来て嬉しい?』
『営業だからだよ♡』
『仕事オツー♡仕事頑張ってる伊吹偉いから俺がたっぷり癒してあげるー♡』
もう返信はしない事にした。
俺まで馬鹿になりそうな文に頭が痛くなって来た。
ブルータイガー、本名は青山大我だっけ?
尚輝くんと同じ20歳の大学生らしいけど、こうもタイプが違うと本当に同じ20歳なのか疑いたくなるよな。
尚輝くんは大人っぽくて真面目だけど、ブルータイガーはノリが軽くてチャラい。
どっちか年齢偽ってんのか?
まぁ偽ってようがなんだろうが、どっちでもいいけど。
でもブルータイガーに会うのは尚輝くん程気を使わないから楽でいい。しかも居酒屋デートとか俺好みで楽しみじゃん♪
2時間だから程よく飲めて楽しめそうだなぁ♪
問題はブルータイガーがちゃんと払ってくれるかだよな~?本当にバイト増やしたのかなぁ?
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