【完結】取り柄は顔が良い事だけです

pino

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4章 まさかの目覚め!?

56.仕事の相談

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 俺の部屋に押し掛けて来たルナは、買って来た物をテーブルに置くと、部屋をキョロキョロ見渡していた。
 べ、別に尚輝くんは何もしてないし、何もおかしな所とかないよな?


「伊吹~、今日ワイン貰ったんだよ。ワイングラスってあったっけ?」

「ああ、それなら棚にあるよ」


 ルナはキッチンに行き、棚を開けてグラスを取ろうとしていた。
 対面キッチンだからルナの行動は分かるけど、何となくビクビクしちまうな。

 俺が、ルナが買って来てくれたつまみ類を袋から取り出していると、キッチンから戻って来たルナがドンッと乱暴にグラスを置いてビクッとしちまった。
 な、何!?


「なぁ伊吹、今帰ったのか?」

「え?そうだけど?」

「本当に?誰か部屋に来てたとかない?」

「はぁ?何でそんな事聞くんだよっ」

「流しにマグカップが2個あったから、今日は朝から仕事だっただろ?その割にはまだ濡れてたからさ~。まるで今さっき使いましたと言わんばかりに」


 笑顔だけど、目が笑ってないのが分かる。
 何なのこいつ!
 それって彼女が彼氏の浮気を疑う時にするやつじゃね!?
 てか何でそんな怪しんでんの!


「あれは一つは朝俺が使って、もう一つは帰って来てすぐに紅茶淹れて飲んだんだよ。洗おうと思ってたらお前が来たんだ」

「伊吹って洗い物放置するタイプだったっけ?すぐに片付けるタイプじゃなかった?朝はどうして洗っていかなかったの」

「忙しかったんだよ。もういいだろっほらワイン注いでくれ!」


 お洒落な箱に入った白ワインを出してルナに差し出すと、まだ何か言い足りそうな感じだったけど、その後は黙ってワインの栓を開けてグラスに注いでくれた。
 こいつ楽しく飲もうとしてねぇのかよ。
 あー、息が詰まる思いだぜ。

 こうなったらとことん飲んでやる!
 明日は一日オフだから何なら夜更かしもしてやる!

 注がれたワインを一気に飲み干すと、ルナがクスッと笑った。


「そんな飲み方するなよ。弱い癖に」

「うるせぇ!お前がごちゃごちゃ言うからだ!」

「だって伊吹怪しいんだもん」

「その前に何で疑ってるんだよ?俺が誰かを連れ込んでたとしてもお前には関係ない事だろ」


 俺がこう言うと、ムスッとしてつまみの中にあったチーズをつまんで、少し睨みながら拗ねたように言った。


「俺はお前の心配してるんだよ。もしかして客に本気になってんじゃないかって」

「っ何言ってんだよ!?俺が!?なる訳ないだろっ」


 図星をつかれたようで少しドキッとしたけど、なるべく悟られないように誤魔化す。
 ルナの奴、まだその事言ってやがるのか。
 俺はちゃんと割り切ってるって宣言してやったじゃねぇか。


「客は客だ。店を通して貰った金以上の事はしてねぇし、これからもするつもりはねぇ」


 言ってて少し胸が痛んだ。
 ついさっきそれを破ったばっかだからな。
 でもキツネの心には響いたのか、ホッとしたような笑顔を見せていた。


「伊吹♡俺は伊吹を信じてるからな♡」

「おう、勝手に信じてろ。そんであまりうるさく言うな。お前は俺の親じゃないんだからな」

「分かったよ♪そんじゃちょっと俺の話聞いてくれる~?」

「いいぜ」


 良かった!話が逸れそうだ♪
 キツネはお喋りが好きだから好きに喋らせておけばいい。
 俺は次にビールを飲もうと冷蔵庫へ向かう。
 その間にルナが話し出した。


「実は今日の客にガチ告白されてさ~、あ、ワインくれた人とは違う人な?」

「ふーん、そんでー?」


 缶ビールはそのまま飲む事に決めて、二本持って一本はルナの前に置いて、俺はビールを飲み始める。
 やっぱワインよりビールだわぁ♪


「メンヘラ女でさ、結構貢いでくれてたんだけど、仕事だからって断ったら、付き合ってくれなきゃ死ぬって言われたんだ。伊吹ならそう言う客どーする?」

「怖っ、今までそこまでの人いなかったからな~。結局どうしたんだよ?」

「どうしたもこうしたも、本当に仕事としてしか見てねぇし、俺は時間になったら置いて帰ったよ。その後事務所行ってNGにしてもらった」

「まぁそれが無難か~。お前がどんな接客してるかは知らないけど、あんま気を持たせ過ぎも良くないんじゃね?ほら、好きで指名してくれてるんだし、告白したくなる気持ちも分かるし?」

「俺は金になるなら何でもしてるよ。その女にだけじゃなくて客全員にそう。まぁキモいなと思う奴には線引くけど、俺は本当に金の為にやってるから」

「ルナらしいけど、無茶し過ぎんなよ?お前どんどん痩せてってね?」

「そうね~、この仕事始めてから体重は落ちた~。なぁ伊吹、心配してくれるー?」

「一応な」

「俺いつか客に殺されるかも~」

「否定はしねぇよ」

「そうなったら伊吹助けてくれる?」

「無理。俺を巻き込むな」

「じゃあさ、俺が殺されたら悲しんでくれる?」

「少しはな。お前酔ってんのか?」


 さっきから変な質問ばかりしてくるルナを見て聞くと、膝を立てて座りニッコリ笑ってこちらを見ていた。
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