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4章 鈴木時光の心を掴め!
一人ずつぶん殴ってやろうか?
木曜日。なんだかんだバーコードの課題の前日になった。それにしても一週間長かったなー。まだ木曜だけど、かなり疲れたぜ。
教室で机に伏せてぐったりしてると、後ろの席の数馬が背中をツンツンと突いて来た。
「おー、数馬~。悪いけど少し寝かせてくれ~」
「疲れてる所悪いんだけど、後ろの方からSOSが出てるんだ」
「あ?何それ?」
訳の分からない事を言われて、渋々体を起こして体を後ろに向けると、数馬の両サイド、そして後ろの三箇所がどんより暗かった。
モブ達の癖に目立とうとしてんのか?俺はあんま興味無かったけど、数馬が気にしてるから仕方なく話を聞いてやる事にした。
「テメェら辛気臭ぇ顔してんじゃねぇよ。文句あんならハッキリ言えや」
「秋山はいいよな……広瀬も……はぁ」
「俺達は終わりだ。サヨナラ二人共」
「訳分かんねぇ。一人ずつぶん殴ってやろうか?」
「貴哉落ち着いて。なんかね、明日の課題がまだまとまってないらしいんだ」
「そんな事かよ。そんなの俺らだって今日仕上げるっつーの」
大変なのはお前らだけじゃねぇ。俺だっていろいろ面倒な事があるけどちゃんとやり遂げようとしてんだ。
ぶーたれてる暇あんなら努力しろっての。
とは面倒だったからあえて言わない。
それでも数馬は気にしてるみたいだった。
数馬の良いところっちゃ良いところだよな。
人一倍、いや、何十倍も人目を気にする癖に、困ってたりしたら放って置けないって言うの?自分だってそれどころじゃ無い癖に、自分じゃどうにも出来ない癖に他の奴を気にするとかとか……
小心者だけど優しくて数馬らしくて俺は嫌いじゃねぇ。
仕方ねぇな。モブ共の事はどうでもいいけど、数馬の為だ。話ぐれぇ聞いてやるか!
「おい数馬、お前んとこは順調なのか?」
「うん。一条さんや桐原さんがいるから、明日の本番はバッチリだよ」
「ズル!まぁいい。そんじゃモブ共、何が原因でどんよりしてるのか教えろ」
その原因を頭の良い奴に言ってさっさと解決してしまえばいい。それが俺の考えだ。
頭の良い奴ってのはもちろん紘夢だ。
俺が耳を傾けると、数馬の隣に座っていたモブ1号が元気無く話し始めた。
「原因は……リーダーだよ」
「ん?お前らのリーダーって三年だったよな?そいつがヤバい奴なのか?」
「かなりヤバい!ほら、いつも一人でいる一見普通そうなあの人だよ!」
「つってもF組にはヤバいのしかいねぇからなぁ。数馬知ってるか?」
三年のF組とは他にも体育で一緒だけど、俺はいつもなっちやトモとかといるから三年にそんな奴がいるのは知らない。
俺らのクラスのモブと組まされるぐらいだから目立たない奴なんだろうな。
「知ってるよ。話した事は無いけど、体育で見てるからな。確かに見た目は普通そうだけど……」
「秋山も広瀬も話せば分かるって~。俺あの人苦手~」
「本当三年のF組って癖強すぎるんだよな~」
「ふーん。とにかくそいつが嫌でまとまらねぇって訳ね。おまけに歌うとかそりゃやる気もなくなるわな~」
ここまで聞いてもやっぱり興味は湧かなかった。てか自分の方もギリギリなのに人の相談なんか乗ってられっかってんだ。
ちょうど今日三年と合同体育あるしそん時どんな奴か見てみりゃいいやぐらいにしか思わなかった。
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