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1章
くそ!言い返せねぇ!
しおりを挟む場所は駅前のマック。
まぁ帰り道に軽く食うとしたらここになるよな。
犬飼は約束通りバーガーのセットを奢ってくれた。なんと、空の分までだ。こいつは出来る先輩だな。
「早速だが本題に入るぞ」
「おう。話してみ」
空も俺の隣で聞いていた。
茜と桃山の話は勿論、犬飼との事も知ってる。
そん時は「浮気はダメだ」って桃山の肩持ってたけど、犬飼の事どう思ってんだろ?こうやって俺達に普通に付いて来たし、嫌いにはなってないみたいだな。
「実は俺、フラれたんだ」
「んん!?誰に?」
「茜ちゃんにだよ。バースデーパーティーあったろ?あの後すぐに……」
「おい、それって」
「うん。桃さんと別れたタイミングと一緒だな」
茜の奴、まさかの犬飼まで切り離してたのかよ。全然会話に犬飼が出て来ねぇなと思ってたら、そんな事してたのか。
悪い事をしたからケジメを付ける。んー、茜らしいっちゃらしいけど。
「俺は諦めないつもりでいたんだ。茜ちゃんも普通にしてくれてたし、でも、最近になってもう無理なのかなって……」
「こればっかりは俺がどうこう出来る話じゃねぇしな。まぁお前に何か言うとすれば、ドンマイ?」
「貴哉、もう少しあるだろ。犬飼さん、茜さんは何て言ってたんですか?」
いや、ドンマイだろ。
俺の代わりに空が会話を続けてくれた。
「電話だったんだけど、初め桃山と別れたって言ってたんだ。それを聞いて俺は茜ちゃんと付き合えるって思ったんだけど、その後すぐに俺とは付き合えないって……謝ってた……理由聞いてもごめんとしか言ってくれなくてさぁ~、あまりしつこくしても嫌がられるだろうし、俺も今では普通にしてるけど、そろそろ限界で……二人は何か聞いてないか?」
「俺は特に聞いてません。貴哉は?マメに連絡取ってるみたいだけど」
「ああ取ってるよ。毎日メッセージのやり取りしてる」
「羨ましいな!!俺の事何か言ってないか!?」
「いや、犬飼の事はなんも。つーか、桃山の事すら話さねぇよ?普通にゲームとか遊びに行こうとかそういうのばっかだけど」
俺が本当の事を話すと、犬飼は信じたのかガクッと肩を落とした。
こりゃ重症だな。でも俺が何とか出来る話じゃないのは確かだ。
俺にとって茜の気持ちが一番大事だからな。
茜がノーなら俺もノーだ。
あの時は茜が幸せになるならと思って背中押しただけだし、その結果がこうなったんならもう俺は何もしねぇよ。
つーか、茜に言われんならともかく、犬飼に何かしてやる義理はねぇ。
だから本当に話を聞くだけのつもりでいる。
「犬飼よぉ、悪いけど俺は仲を取り持ったりしてやれねぇよ?茜がそう言ってんなら黙って身を引けって」
「そうか、そうだよな。はは、悪かったよこんな話して。時間取らせて悪かったな」
「奢ってくれたし別にいいよ。犬飼、お前もまともになったんなら次頑張れよ。お前良い奴だからそん時は応援してやる」
「犬飼さん、諦めちゃうんですか!?」
「え?」
「おい空何言ってんだっ」
いきなり大きな声で何を言い出したかと思ったら、せっかく犬飼が大人しく身を引こうとしてんのに余計な事を聞きやがった!
「俺、犬飼さんの気持ち分かります!付き合ってる人がいても、他の人の事を好きでも、好きなものは好きなんですよね!」
「ヤメロ!急に熱血になるな!」
「早川……お前、俺の気持ち分かってくれるのか!」
「分かりますよ!俺もそうでしたから。でも諦めずに好きでいれば……ほら♡こうして側にいられます♡」
空は俺を見て照れたように笑って言った。空に挑発された犬飼はまだ希望が残ってると思い込んだのか、俺と空を交互に見て感動していた。
こいつら本当に頭良いんだよな?今どうしようもなく馬鹿共に見えるんだけど、気のせいか?
「そうだよな♪お前ら見てると本当に仲いいなって思うもん。俺、もう一回頑張ってみるわ!」
「犬飼、空は空だぞ。相手が俺だったから今こうしているけど、もし茜だったらこうはならねぇだろ。良く考えろよ」
「茜さんもきっと待ってるかもしれません!」
「空いい加減にしろって!そもそも浮気はダメだとか怒ってたのはお前だろ!」
「浮気はダメだろ。でも今の茜さんは桃さんと別れてフリーじゃん。犬飼さんが好きで頑張っても問題ねぇだろ」
「んなっ!確かに!くそ!言い返せねぇ!」
「そうだよなぁ♪いや~!さすがはボラ部副部長!勇気もらえたわ~♪」
何だかんだで空に勇気付けられたと言う犬飼はとても上機嫌になった。
こいつって難しそうな性格して実は単純な奴か?トモと変わらねぇじゃん。
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