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1章
※ 見た目は凛子さんで、性格は父親似なんですね
しおりを挟む※空side
俺は貴哉のいない貴哉んちでずっと何時間も貴哉が帰って来るのを待っていた。
貴哉のお母さんの凛子さんにも良くしてもらってるし、俺の着替えとかは貴哉んちに何日分かは置いてあるから困らなかったけど、貴哉がいないのはやっぱり寂しい。
お風呂をもらって、夕飯もご馳走になってしばらく凛子さんと話して過ごしてたけど、もう20時になろうとしていてるのに連絡も一切来なかったから電話をしてみた。
「貴哉!?今どこ!誰といるんだよ!」
『空!悪い!今から帰るから!』
「一体どこにいるんだよ!?何で教えてくれないんだ!」
『あー、帰ったら話すからよ~!じゃあな』
「あ!待っ……」
まただよっ!俺が聞きたい事には全然答えてくれない!
さすがの俺も怒るよ!
貴哉との電話の様子を見ていた凛子さんは呆れたような顔をしていた。
「貴哉何だって?」
「今から帰るって。それだけでした」
「まったくあの子は……空、辛いかい?」
俺が下を向いてるのを見て凛子さんが聞いて来た。
そりゃ辛いよ。辛いけど、これが貴哉だし、好きだから耐えるしかないんだ。
「もう慣れました」
「そう?あいついつか空に捨てられそうだな」
今度はニヤニヤ笑いながら言った。
貴哉と凛子さんは良く似ている。
そのニヤニヤした笑顔が貴哉にそっくりで、より寂しさが込み上げて来た。
早く貴哉に会いたい……
「絶対に捨てません。貴哉とはずっと一緒にいます!」
「健気だね~。でもそう言って貰えると私も嬉しいや。これからもあの子を頼むよ」
「はい♪」
「あの子の本当の父親も貴哉みたいな人だったんだ。我が強くて自分がこうだと思ったら絶対に曲げない人。でも、飽きっぽい所もあって、あっさり引いたりもする。本当良く似てると思うよ」
凛子さんは楽しそうに話し始めた。
貴哉の父さんが血が繋がってないのは知っていた。本当の父さんは貴哉が生まれる前に亡くなっているって事も。和室にある小さな仏壇にある写真の人が本当の父さんらしいけど、俺達と同じぐらいの年齢で亡くなったみたいで、とても若かった。笑顔で写る写真は、若干貴哉と似てるかな?って言う感じで、本当に貴哉は凛子さん似なんだなと思う。
「見た目は凛子さんで、性格は父親似なんですね」
「そうなんだよ~。だから可愛いくて仕方ないんだ♪面倒くさがりで良い加減だけど、仲間想いな所もあってね。霧哉の周りにはいつも仲間がたくさん集まって来ていたよ」
「貴哉も同じですよ。貴哉には不思議な魅力があります。一見嫌煙されそうですけど、そんな人達からもいつの間にか好かれてる所なんか凄いと思いますよ。俺からしたらいろんな人から愛され過ぎててちょっと嫌ですけどね」
「そうかそうか。あの子も上手くやってるんだね。こんな小さい頃は父親がいないの馬鹿にされたりして、ずっと一人で遊んでたんだよあの子。私もシングルだったから働いててあまり面倒見てやれなかったんだけど、今はちゃんとやってるなら安心したわ」
「きっと凛子さんや竜太郎さんの育て方が良かったんですよ。俺んちには無い暖かさがあってとても羨ましいです」
「空は父ちゃんがいないんだっけ?母ちゃんとは会ってるのか?」
「はい。父さんは俺が幼い頃に離婚して出て行きました。母さんとは今は会ってません」
「そうか。父ちゃんまだ生きてるならいいじゃないか。夫婦の縁は切れても親子の縁は切れないからね。母ちゃんにもたまには会ってやりな。親ってのはどんな子でも可愛いんだから」
「……そうですね。機会があったら」
俺は母さんから愛されてはいない。母さんが愛してるのは客の男だ。そんな事言える訳もなく、俺は凛子さんの話しに合わせて話していた。
俺の母さんも凛子さんみたいな人だったら良かったのに……
多分これも凛子さんに言ったら「そんな事言うもんじゃないよ」って怒られそうだから言わない。
母さんの事は今はもう諦めてるけど、心配なのは確かだ。あんな汚いくて小さなボロボロのアパートで一人で暮らし、男も毎回取っ替え引っ替え。今は通用しても年齢も年齢だし、今のような生活を送っていればいつかは一人になるだろう。そうなった時に、俺と兄貴はどうするのか。
兄貴は大分昔から母さんの事を嫌っていたから放っておくかもな。俺は多分、放っておけないと思う。
どんな母親でもやっぱり俺の母さんだから。
俺は母さんの事を考えたら余計にモヤモヤしてしまい、凛子さんに言って先に貴哉の部屋で休ませてもらう事にした。
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