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1章
あ!またお前は女と来た時の事思い出してたな!?
しおりを挟む俺はしがみ付く空の腕をさり気なく払ってどんどん進んでやった。
「貴哉っ何で怒ってるんだよ?」
「怒ってねぇよ」
「怒ってるじゃんっ教えてよ」
「うるせぇなぁ。この女好きが」
「はぁ?もう女好きじゃねぇよ。何、何でいきなりその話?」
「テメェがハッピーランドに慣れてるからだよ!どうせ女と来てたんだろ!?」
「えー!ハッピーランドなんてみんな来た事あるだろ!貴哉だって!」
「残念だな!俺はガキの頃に母ちゃん、父ちゃんとしか来た事ねぇよ!」
「俺は初めてですよ」
「俺も初めてだよーん♪」
「俺も秋山と同じで小さい頃に両親としか来た事ないぞ」
「何だよ!揃いも揃って陰キャか!?コミュ障か!?」
「黙れチャラ男!ここにお前の味方はいない!」
「そうですね!いつも俺は悪役ですよ!」
俺の怒りはいつの間にかどこかへ行ってたけど、空が反応するからそのまま返してると、双葉が俺の肩を叩いた。
「貴哉、早川さんの後ろ」
「ん?空のうし……」
「ギャーーー!!!」
「うわ!?!?」
双葉がある場所を見ながら言った。それを俺が見るより先に空が振り向いて、いつの間にか背後に立っていたゾンビに驚いていきなり叫び出した。
俺はゾンビよりも空の叫び声にビックリしちまって、俺にしがみついて来る空をギューっと抱きしめちまった。
しまった!つられちまった!
「おまっ!デケェ声出すんじゃねぇよ!」
「だって!後ろにいたんだもんっ!」
「はい空くんと貴ちゃん1ビビり~♪」
「ああ!?俺はゾンビにビビったんじゃねぇ!空の声にだ!」
「ビビった事に変わりはないでしょ。さてどんどん進みましょー♪」
「後ろで見てると面白いな」
あーくそ!空のせいで俺までビビった扱いになっちまったじゃねぇか!このままじゃ双葉が勝っちまうから、何とかしてビビらせねぇとな。
俺達は気を取り直して先へ進むと、今度は洋風な部屋みたいな所へたどり着いた。蜘蛛の巣とかあって、初めの頃の紘夢んちみたいだった。
「さて、今度はどこから出て来るんだ?」
「あそことか怪しくないですか?」
双葉が指差したのは部屋の奥に置いてあった長細い箱だった。人一人入れそうだし、絶対あそこにいるな。
俺達はなるべくその箱を避けながら進んだ。
「棺桶に隠れてるとかベタじゃない?」
「ああ、普通だな。もしかしたら棺桶はフェイクか?」
「フェイクって?」
「あれは囮で他の所に隠れてるって事ですよ」
「まじ?それじゃあどこにいるんだ?」
双葉が丁寧に教えてくれた後すぐにその長細い箱の逆側、つまり俺達の後ろにあったクローゼットからバンッと大きな音がしてゾンビが飛び出して来た。
「アアーーーー!!」
「うわーーーー!!」
「!!」
俺はまた驚いて叫んでしまった。
しかも今度は俺だけ……空はと言うと、俺の横に立って俺の腕をぎゅーっと握りながらニコッと笑った。少し震えてる気がしたけど、あまり驚いてなくね!?
「くそっ!お前何で叫ばなかったんだよっ!」
「な、何となくそこから出て来ると思ってたからな!」
「あ!?何得意気に言ってんだ!あ!またお前は女と来た時の事思い出してたな!?ズルいぞ!」
「またそれ言うのかよっ!もう起こった事を言う方がズリィだろ!」
「はい貴ちゃん2ビビりめ~♪」
「クソ!卑怯者め!」
「だから仕方ないじゃんっ!それに過去は過去だろ!もう過ぎた事なんだし怒るなよっ」
「二人共喧嘩はダメだぞ。このままだと浅野の圧勝だな」
茜に言われて双葉を見ると、いつものニコニコ笑顔で俺を見ていた。こいつは本当に驚かないし、いっつも落ち着いてるよな。
「貴哉、俺本気出していいですか?」
「何言ってんだよ?もうお前余裕じゃん」
「いいえ。ずっと我慢してました。貴哉を傷付けるの許せません」
「は?」
そう言って双葉は歩き出す。俺を傷付けるだって?それってゾンビの事か?
いやいや、ゾンビや備品に触っちゃダメってのは双葉が教えてくれたんだぞ?
ところが双葉はさっき飛び出して来たゾンビじゃなくて、ずっと俺にしがみついてる空の前だった。
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