【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ6th season

pino

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7章

みんなで食ったよな~♪

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 空と陽子さんは病院側に退院の挨拶をしてから帰ると言う事で、俺と紘夢は先に病院を出る事にした。
 空達は雪兄が迎えに来るらしいから俺は紘夢と帰る事にした。
 この分じゃ今日は空とは過ごせねぇな。

 駐車場で待っている的場のとこまで歩いていると、通りかかった車から呼び止められる声がした。どこだ?


「貴哉~」

「?」

「あは、ここだよここ」

「あ!雪兄!」


 俺を呼んでいたのは雪兄で、でっかいタイヤの車の窓から顔を出して手を振っていた。
 運転席にはサングラスをかけた光ちゃんもいた。今日もイカしてる~♪


「かっけー車だな!光ちゃんの!?」

「よう貴哉~。今度ドライブ連れてってやるよ♪」

「やったー♪」


 雪兄と光ちゃんはでっかい厳つい車から降りて来て俺達の前に達並ぶ。ここで紘夢が「あ」と思い出したような声を上げた。


「もしかして、文化祭の時に詰め放題やってくれた人ですか?」

「そうそう♪あん時の野菜、店で出したら美味いって評判良かったぜ~♪ありがとな」

「空の兄の早川雪です。こっちは親代わりの光ちゃん」

「こんにちは~。空くんのお兄さん達だったんですね~!とても真剣に野菜を選んでいる方ととても奇抜な方だったんで良く覚えてますよ♪俺は一条紘夢です」

「雪兄、紘夢は俺と空の一個上なんだけど、空の面倒めちゃくちゃ見てくれてんだぜ♪」

「そうなの?」

「いえ、むしろ空くんには俺の方が面倒見てもらっていますよ。空くんは俺のワガママで夕ご飯を作ってもらってました。とても美味しかったです♪」

「へー、あの空が料理を?そりゃ驚いたな」

「ほんと、俺でも作って貰った事ないのに」

「それなら是非作ってもらって下さい。肉じゃががオススメです♪」

「みんなで食ったよな~♪」

「そっか、空も学校楽しんでるんだね。いつも仲良くしてくれてありがとう」


 駐車場で和やかに四人で挨拶をして話をしていた。いつも思うけど、紘夢ってこういう時しっかりしてるよな~。俺とかの前だとヘラヘラ馬鹿みたいな話し方するのに、やっぱ頭良いだけあって相手の事見て話してるのか?
 絶対俺には出来ない事だから感心するわ。


「貴哉、少し話せる?」

「いいけど、空達もうすぐ来ると思うぜ?」


 雪兄に呼ばれて二人で車の反対側へ行く。
 そして苦笑いを浮かべた。


「空があの人の所へ帰るって」

「らしいな」

「やっぱり知ってたんだ」

「昨日本人から聞いた。雪兄は反対なのか?」

「そりゃね。でも空の好きにさせる事にしたよ」


 笑顔で話す雪兄は、嫌そうには見えなかった。絶対反対すると思ってたけど、こうして迎えにも来てるんだから陽子さんの事を前程は嫌ってないのかもしれないな。


「空言ってたぞ。兄貴には感謝してるって。兄貴がいたから今の俺があるんだって」

「ふふ、そう思ってくれてないと困るけど」

「俺も雪兄はすげぇと思うよ。弟の為に自分を犠牲にしてまで守って来たんだからな」

「……知った口を聞くなよ。俺と弟の事をそんな簡単に理解されるなんてゴメンだね」


 薄く笑って言う雪兄は、どこか寂しげにも見えた。確かに俺には分からない兄弟の何かがあるのかも知れない。だけど、この二人の兄弟がどれだけ想い合ってるのかは分かる。
 雪兄は弟の事を何よりも大切に守り、空は兄の事を何よりも尊敬して付いて来た。
 だってさ、兄弟がいるのっていいなって思ったのって、この二人を見て思ったんだもん。
 
 雪兄は真っ直ぐに俺を見て微笑んで言った。


「俺はこれからもあの人を許す事は出来ない。空には悪いけど、必要以上に関わるつもりはないよ。だからこれからの空には貴哉、お前がこれまで以上に必要になってくる。これからも空の事見ててやってくれない?」

「雪兄も仲直りしちゃえばいいのに」

「簡単に言ってくれるな。大人になるとそう言う訳にもいかないんだよ。で、どうなんだ?見ててくれるの?くれないの?」

「勿論見ててやるよ♪雪兄が離れろって言っても離れてやらねぇから」

「言ってろよ。はは!また店においで貴哉。お前ならいつでも歓迎する」


 雪兄の笑顔はそれはそれは空にそっくりで、とても嬉しそうな楽しそうなそんな顔だった。
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