139 / 156
8章
はい、それ子供の恋愛な
しおりを挟むそれから類は買って来た菓子やジュースを机の上に並べて、わざわざジュースの為に下までコップを取りに行く面倒な事までしてくれた。
俺は何が何やらで黙って見てたけど、絶対何か企んでるなと警戒はしていた。
そして、下から持って来たクッションを床に敷いてポンポンと手で叩いて座ってと指示される。
「貴哉、お菓子食べよう♪」
「食うけど、お前何企んでんだ?」
「企むだなんて、ただ良い子やってるだけだよ♪」
「もしかして良い子になれば付き合えると思ってんのか?」
「そうだよ~♪俺良い子は得意なんだぁ♪」
「自慢気に言ってんじゃねぇよ。そんなんで付き合う訳ねぇだろ」
「じゃあどうすれば付き合ってくれる?」
「何しても付き合うのは無理。もういいじゃん、前みたいな関係で。お前が俺に無駄に関わらなければ普通にしてやるから」
元々類は言う程悪い奴じゃない。いつも愛想良くて笑顔だし、明るくて周りからは好かれていた。ただ俺にとってトラウマがあるから苦手なだけ。俺がこいつを嫌いになれないのも、元が良い奴って知ってるからだ。
「それは無理だな~。双葉にはもう協力して貰えないし、これからは俺が一人でやらなくちゃならないんだ」
「お前はいつも話が飛ぶな。何の事だよ」
「今まで欲しいものを手に入れる時って、人間が相手の場合は双葉に協力してもらってたんだよ。ほら、俺の欲しいものって誰かのものじゃん?双葉にターゲットの相方を落として引き離して、フリーになった欲しいものを俺がゲット~♪ってね♡」
「最低だな!んな事してんじゃねぇよ。双葉も良くお前に付き合ってたな」
「そこなんだよな~!双葉が辞めるって言った時は驚いたよ~。薄々悪い事だって気付いてたみたい。それをキッパリ辞めるきっかけを与えたのは貴哉なんだぞ~」
「ゔっ、話だけ聞いてると俺良い人じゃん。責めるような言い方すんじゃねぇよ」
「俺からしたら一緒に連んでた仲間を盗られた気分なんだって。まぁ双葉とはこれからも連むのは変わりないからそこはいいんだけど~」
友達を盗られたみたいに言われて、かなり俺に懐いてる双葉を思い出して少し悪い事したな~とか思ったけど、ここでひよったら負けだ。俺は堂々としてようと思った。
双葉の事を話す類は少し寂しそうだったけど、すぐにケロッと笑い出して、いつものように人懐っこくして来た。
「俺一人だといきなり伊織さんはハードル高いなぁと思ったから、まずは貴哉からってね♪だからお願ーい!付き合って~♪」
「はぁ!?俺で実験みたいな事すんじゃねぇよ!それ付き合えたとしても意味ねぇだろ!」
「あるよ。さっきも言っだだろ?貴哉の事は好きな方だって。付き合って相性良ければそれはそれで楽しめばいいじゃん♪」
「お前、今までどんな恋愛して来た訳?俺より酷ぇだろ」
「貴哉の恋愛事情がどんなのかは知らないけど、俺のはとっても楽しかったよ~♪」
ケラケラ笑う類。類の母ちゃんどんな育て方したんだよ。俺の母ちゃんと友達だから会った事あるけど、ガキの頃とか甘やかしてた所はあるよな。うーん、どうやら類は俺の事本気じゃなさそうだし、ここは俺が年上として躾直してやるのも有りか。
「そうかよ。ならさ、俺が大人の恋愛を教えてやろう」
「え♡なにそれー!貴哉が大人の恋愛ぃ!?ウケる♪」
「いちいちウケんな!そもそもお前人を本気で好きになった事あんのか?欲しいって思うのはいいけど、本当に好きで付き合いたいと思ってたのか?」
「好きにはなったよ。本気かって聞かれたら分からないかなぁ?なんかさ、手に入っちゃうと新しいものが欲しくなっちゃうんだよ。あっちのいいな~って」
「クズじゃん。はい、それ子供の恋愛な」
「あはは!貴哉にダメ出しとか俺終わってる~♪」
「テメェ真面目に聞きやがれ!!」
面倒くさがりな俺が珍しく教えてやろうとしてんのに全部笑って返されるの事に無性に腹が立った!
こいつは昔から人気あったけど、今もそうなのかと疑問に思うぐらい性格が悪く見えた。
ここで俺のスマホがピロン♪と鳴るのが分かった。きっと空からだ。空とは朝からメッセージのやり取りをしてるからそれの返信だろ。後で見ようと思ってたら、双葉が俺のスマホを探し始めた。
10
あなたにおすすめの小説
平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
有能社長秘書のマンションでテレワークすることになった平社員の俺
高菜あやめ
BL
【マイペース美形社長秘書×平凡新人営業マン】会社の方針で社員全員リモートワークを義務付けられたが、中途入社二年目の営業・野宮は困っていた。なぜならアパートのインターネットは遅すぎて仕事にならないから。なんとか出社を許可して欲しいと上司に直談判したら、社長の呼び出しをくらってしまい、なりゆきで社長秘書・入江のマンションに居候することに。少し冷たそうでマイペースな入江と、ちょっとビビりな野宮はうまく同居できるだろうか? のんびりほのぼのテレワークしてるリーマンのラブコメディです
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
どうしょういむ
田原摩耶
BL
苦手な性格正反対の難あり双子の幼馴染と一週間ひとつ屋根の下で過ごす羽目になる受けの話。
穏やか優男風過保護双子の兄+粗暴口悪サディスト遊び人双子の弟×内弁慶いじめられっ子体質の卑屈平凡受け←親友攻め
学生/執着攻め/三角関係/幼馴染/親友攻め/受けが可哀想な目に遭いがち
美甘遠(みかもとおい)
受け。幼い頃から双子たちに玩具にされてきたため、双子が嫌い。でも逆らえないので渋々言うこと聞いてる。内弁慶。
慈光宋都(じこうさんと)
双子の弟。いい加減で大雑把で自己中で乱暴者。美甘のことは可愛がってるつもりだが雑。
慈光燕斗(じこうえんと)
双子の兄。優しくて穏やかだが性格が捩れてる。美甘に甘いようで甘くない。
君完(きみさだ)
通称サダ。同じ中学校。高校にあがってから美甘と仲良くなった親友。美甘に同情してる。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―
無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」
卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。
一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。
選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。
本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。
愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。
※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。
※本作は織理受けのハーレム形式です。
※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる