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4章 空のバースデーパーティー
てか全部聞くまで帰さねぇからな
しおりを挟むはー伊織かっこよかったなー。
久しぶりに話したからよりイケメンに見えた気ぃするわ。
さて、伊織に礼も言えたし俺のパソコン取りに行くかな♪
次は双葉を探す事にしたけど、案外すぐに見つける事が出来た。って言うか、双葉から姿を現したんだ。伊織と別れた後にすぐに寄って来た。
「双葉~♪ドッヂボールお疲れ~♪お前大活躍だったな~」
「貴哉♪見ててくれたんですね♪貴哉の為に頑張りました!」
双葉は俺が声を掛けるまでは、無表情で元気なさそうだったけど、声を掛けると笑顔になって、意外と元気な答えが返って来た。
「そうかそうか~♪ところでパソコンなんだけどよ♪」
「あ、それなら帰る時に渡してくれるみたいです。はい、これ引換券です♪手に入って良かったですね」
「おお~!マジでパソコンゲットしたんだなぁ!やったー♡」
ニコニコ笑顔のまま、ポケットから紙を一枚出して渡して来る。「ドッヂボール大会景品最新型パソコン引換券」と書かれているのを見て俺は嬉しくなり、年上ってのも忘れて本気で喜んだ。
「ありがとうな双葉ー♡でも本当に俺が貰っちゃって良いのか?双葉は他に欲しい物とかなかったのか?」
「俺は特にありませんでした。貴哉が喜んでくれるならそれで満足です♪」
「お前マジ良い奴♡後で何か奢るからな!」
「本当ですか?楽しみにしてますね♪」
さっきの試合中の双葉と同一人物とは思えないぐらいに明るく笑う目の前の双葉。
根は良い奴なんだよな。ただ少しキレちまうとおっかなくなるだけ。
「あ、なぁさっきキレてたってマジ?」
「試合中ですか?まぁ少しだけ。分かっちゃいました?でも殴ってはないから大丈夫ですよね?」
「分かったって言うか空と伊織が言ってたんだよ。俺が紘夢に抱き付かれてんの見てキレてたって。遊びだし、手は出してねぇからギリセーフだな!相手怪我させてたらアウトだぞー」
「……気を付けます。あの、空さんって言うのは貴哉の相棒の事ですよね?あと、伊織さんって言うのは恋人の事で合ってますか?」
「あれ?俺双葉に伊織と付き合ってたって言ったっけ?恋人がいるって話はした事あるけど、相手の事言ったっけ?」
確かに文化祭ん時に初めて会った双葉に恋愛相談してもらった事はある。だけど、相手が伊織だってのは話した覚えはねぇ。
今日誰かに聞いたのか?
俺が不思議に思って聞くと、双葉は少し元気を失くして話し始めた。
「実は、類から聞いていたんです。ずっと黙っててごめんなさい」
「あ?あいつから何て聞いたんだ?」
俺は「類」って名前を聞いてきっと嫌な顔をしたと思う。双葉はそんな俺の顔を見て、眉毛を下げてまた謝って来た。
「ごめんなさい。全部本当の事を話します。少しお時間いただけますか?」
「いいよ。てか全部聞くまで帰さねぇからな」
俺は怒ってる訳じゃなかった。
ただ類が絡んでるってなると話は別だった。
俺は極力類とは関わりたくねぇんだ。もう顔も見たくないぐらい。
双葉とは相棒っていうぐらい仲が良いからそこは心配してたけど、内容によっては双葉とも距離を置かなきゃいけなくなる。
あんま悪い話じゃねぇといいなー。
俺と双葉は空いていたテーブル席に座って話す事にした。
「双葉、悪いけど、前にも言った通り類の事は苦手なんだ。俺がこんな態度なのも仕方ないと思ってくれ」
「はい。それは気にしません。実は城山の文化祭に行ったのは、貴哉と桐原さんを見に行く為でした。嘘をついてごめんなさい」
「俺と伊織を?待てよ?て事は文化祭で会う前から俺の事知ってたのか?」
俺は双葉が言う事をちゃんと理解しようと確認すると、双葉は真っ直ぐに俺を見て頷いた。
双葉が俺に嘘ついてたって?
何で嘘なんか?
てか双葉って良い奴なんだよな?
え、俺騙されてたのか?
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